一風斎の趣味的生活/もっと活字を!

新刊、旧刊とりまぜて
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『マルチチュード』を読む。[予告編(1)]

2006-03-22 11:49:37 | Book Review
今回は、まだ読み終わっていないので、予告編ということで、簡単に内容のご紹介。

現在のグルーバル化の中で、現状追認するのではなく、世の中に何らかの働きかけをしていくためには、どうすればよいか、というのが現在のところ、小生の課題。

その課題に対して示唆を与えそうだ、ということで、『マルチチュード』を読みつつあるわけです。

きっかけとなったのは、「論座」4月号掲載の「マルチチュードが〈帝国〉を帰る」という座談会(主席者は、姜尚中、水嶋一憲、毛利嘉孝)。
ということで、この座談会の記事を中心にして、ポイントとなる点を述べてみたい。

まずは〈帝国〉とは何か?
「彼らは現在形成されつつあるグローバル秩序を『〈帝国〉(Empire)』と名付け、そしてそれを、帝国主義の中枢としての『帝国 (the empire)』とは、明確に区別されるべきものだと主張したのです。」
というのも、現在のグローバル秩序は、
「IMF (国際通貨基金)や世界銀行といった超国家的制度や資本主義大企業などとともに支配的な国民国家すらをその節点(ノード)として組み込んでしまうようなネットワーク状の権力」
だという認識があるからです。

それでは、このような〈帝国〉に対して、どのように対峙していくべきか、が次の課題となってきます。

これに関しては、「予告編(2)」へ続きます。

アントニオ・ネグリ、マイケル・ハート
『マルチチュード―〈帝国〉時代の戦争と民主主義(上)(下)』
NHKブックス(日本放送出版協会)
定価:本体1,260円(税別。上下巻とも)
上巻:I SBN4140910410