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仏殿に三世仏本尊がならぶ 【泉涌寺・雲龍院を訪ね-Ⅲ-】

2023-01-23 14:52:08 | 文化想造塾「神社仏閣」

大門から見る仏殿

 

昨年末、友人と一緒に雲龍院を訪れたあと、本山である泉涌寺に参拝した。3月の涅槃会のとき以来である。

大門から降り参道の先にある仏殿が、周りの自然空間の中にポツンと浮いて見える。この景色は泉涌寺の中でも美しい風景のひとつ。その仏殿は重層建築のように見えるが、京都御所紫宸殿や東寺、三十三間堂などと同じように入母屋屋根の構造の建物で唐様建築の特徴をもつ貴重な建築物である。内部は天井までの空間が美しく、高い須弥壇に運慶作と伝わる三尊が安置されている。

 

向かって左から、阿弥陀仏・釈迦仏・弥勒仏と並んでいる。いわゆる「三世仏」、過去・現在・未来の三世に対応した如来である。阿弥陀仏は十劫(じゅっこう/インド哲学の用語で極めて長い時間の単位)もの昔に成道した仏として過去仏に、釈迦仏は歴史上の仏として現在仏に、弥勒仏は釈迦仏入滅後に現れた仏として未来仏と称されている。この三世仏が勢ぞろいするのは国内では珍しいようだ。

 

 須弥壇に飾られている三世仏

見えにくいが三世仏の背景には飛天図

 

仏殿の空間はなかなか日常では感じられない空気感が漂う。本尊背後の「飛天図」と天井の「雲龍図」を眺めながら読経を体感すると世の概念から遠ざかっていくようにも思える。さらに仏殿の堂裏の壁には「白衣観音図(びゃくえかんのんず)」が描かれている。あまりの美しさに見上げたまま足が止まってしまう。この白衣観音はどこから見ても、拝んでいる人の方をずっと向き必ず目が合うという不思議な観音様である。

仏殿の天井の雲龍図は江戸時代を代表する絵師・狩野探幽(かのうたんゆう)の作品で、仏殿が大造営されるときに雲龍図・飛天図・白衣観音図と併せ描いたものといわれている。

 

 狩野探幽の力作雲龍図

 探幽作の白衣観音図 

 

泉涌寺は大門をくぐるところから参拝ストリーがはじまる。それぞれの思いは違えど、仏殿に入ると大きな見えない力に支えられこの世に生かされているような尊い気持になれるのは私だけではないだろう。

 

リポート&写真/  渡邉雄二

 

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尾道・文化紀行 https://asulight0911.com/hiroshima_onomichi/


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