いぬぶし秀一の激辛活動日誌

おかしな議員[わんちゃん]の激辛日誌です。日々感じたこと、活動報告、行政への提言など、本音で書き込む人気ブログです。

放送大学大学院「自治体と政策」レポ-ト

2009-06-09 | Weblog
問2 自治体人事制度について論述せよ

 我が国の地方自治は、首長と議員を住民が直接選挙で選ぶ「二元代表制」を採用している。言い換えれば、大統領制に近いものだ。そこで、その「大統領」が、選挙により交代した場合の自治体人事に問題が生じる。
 一般的な常識を兼ね備えている「首長」であれば、「行政の継続性」の観点から、大幅な人事異動は行わないだろうが、そうでない場合は、現在の地方自治体の人事制度のもとでは「イエスマン」のみを登用することが可能なのだ。残念ながら、都内のある区の首長は後者である。
 平成19年4月、20年間続いてきた旧政権の後継候補であった前副区長を破り、初当選した現区長は「民間出身」を標榜していたが、大学卒業後、代議士秘書、区議、都議と歩み、このたびの当選となった。つまり、残念ながら「民間」ではなく、すべて特別職の公務員であった。さらに問題は、その過去の経歴から、もっぱら関心事は選挙のこと、つまり「次の当選」がすべてであり、実務は「お役人」に任せる、という体制を敷いてしまったのだ。
 このことにわが意を得たのは、旧政権で「冷や飯」を食べていた人々であった。ある部長さんを「隊長」に粛清が始まった。部長氏は昭和25年生まれ、そこで、まずは、昭和25年以前の管理職、すなわち部長氏の先輩をすべて、この区以外の団体に追い出した。さらには、管理職のうち、旧政権にロイヤリテイの高かった人々も同様に追い出した。副区長2人は、旧政権で疎んじられていた二人をあて、「強固な体制」を敷いたのだ。
 なぜ、と23区という一基礎的自治体が、多くの出向先を持っているか、これは特別区という組織の恩恵である。千代田区飯田橋には、特別区政会館という別名「第二の都庁」といわれる建物がある。ここには、23区のゴミ処理を受け持つ、23区清掃一部事務組合や、不人気の東京都後期高齢者医療保険広域事務組合、特別区人事委員会など、様々な「特別地方公共団体」や関係団体が入居しているのだ。また、23区には、各区に職員を派遣しあう制度があり、これを使って「左遷」することも可能である。この制度は、そもそも、他の団体で仕事をして「見聞を広める」ためのものだが、この区においては「参事級(部長職)」という「見聞の広い管理職」にまで使われているのは、滑稽ですらある。
 このような、「恐怖人事」は、現制度では止めることは出来ない。特別職(副区長、教育長、監査委員)などの議会同意人事であれば、区議会が「不同意」という抑止力を果たすことが出来るが、一般職については「首長の専決事項」であるからだ。
 この区では、上述した人事行政の結果、上を目指す管理職は「お客様である区民」のほうを向かず、人事権を.掌握している、首長やその取り巻きに媚びを売ることになり、昇任などに興味のない職員は、士気が低下することになるのである。
 この事態を止めさせ、再発を防ぐのは、唯一選挙であるが、残念ながら、このような区役所内の「異常人事」は「業界内」では知れ渡っていても、一般有権者にまでは、認知されない。結局「現職」の強みと、選挙慣れした「笑顔」で、次も当選し「イエスマン人事」は、さらにパワ-アップすることになる。
 そこで、重要なのは、議会の監視である。様々な議会の権能を駆使すれば、このような首長の暴走を阻止することが出来るのだ。が、しない。それは、国会を模倣した「区長与党」とういう悪習の成果である。「与党は首長の決定を支持するもの」と勘違いしている、痴呆議員(いえ地方議員)が多いため、このような行為を止めさせることが出来ないのだ。また、国政野党の民主党は、ほとんどの地方自治体では「与党」であり、なんら発言力を持たないし、自民党や公明党と変わらない。そのことも問題でもある。
 これらの、根治的療法は、我われ有権者が、最も身近な「基礎的自治体」の政治に関心を持ち、選挙で、正しい選択をとる以外にはない。


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