いぬぶし秀一の激辛活動日誌

おかしな議員[わんちゃん]の激辛日誌です。日々感じたこと、活動報告、行政への提言など、本音で書き込む人気ブログです。

議会は魚河岸たれ!by片山善博前鳥取県知事

2008-04-12 | Weblog
 昨日参加した、第4回全国自治体議会改革推進シンポジウムの基調講演は、かっては改革派知事であり、辛口で地方自治を説く片山善博慶応義塾大学教授(前鳥取県知事)だった。氏のお話は、何かのシンポジウムのパネリストとしてうかがったことはあるが、講演として聞くのは初めてで、おおいに期待していたが、期待以上のものだった。以下、感動したフレーズを羅列する。

なんでもかんでも知的なことは東京でやるという風潮のなか、このような価値のある会合が、失礼ながら三重県の桑名という地方都市で行われることは大変意義深いことである。

我が国の地方自治の教科書の特徴はどれもこれも同じである。それは、上から見た地方自治論である。全体(国)があって、部分部分をわけて、それがうまく機能する方法論である。つまり、国から見た地方自治のあり方がメインなのだ。その結果、首長から見た自治体論となり、住民は、遥か彼方になる。

自治体をコントロールするのは誰か?国ではない、市民であるべきだ。地方自治論は、国が自治体をどうやってコントロールするかではなく、住民がいかに自治体をコントロールするかを学ぶ学問であるべきだ。

日常業務の中で、国によって右往左往させられるのは尋常の姿ではない。本来は、住民の意思、すなわち代表として選ばれた議会によってコントロールされるべきである。国のコントロールによる姿は、決して地方分権ではなく、中央集権である。その意味から、地方分権の中心は議会である。

議会は自治体の重要事項に関する決定を行うのだが、ちょっと本来の姿とずれていないだろうか。議会はスムーズに決めなければいけない、と思っていないだろうか。スムーズに決めるためには、根回しをし、談合をして、議会をシャンシャンで終わらせなければならない。

「決めている」という事実はあるが、公の場で議論していないので、決めたことにはならない。議論をして合意するという誰でもわかる「合意」と「納得」という過程を示すのが議会だ。

議会は魚河岸のようにならなければいけない。魚河岸では、毎日セリが行われている。魚河岸では、魚の価格をセる。議会では政策をセるべきだ。魚河岸では、前日にセリの価格を決めることはない。公の場でやる。だから、悔しくても納得をするのだ。議会は、結果を求める議論を公の場でしないから、反対派はすっとくすぶり続けるのだ。

権力は絶対に腐敗する、が政治学の定義である。では権力をどうしてチェックするのか。①権力に長く居させない②権力を持つ者に対し、権力を持ったチェック機能を作る(議会)。

「わしら与党だから、ささえてやらねば~」というのは親切ではない。暴走しそうな人を止めるのが2元代制だ。例えば、飲酒運転をしようとしている人がいたとしよう。友人だからといって「どんどんやれ!」とすすめるだろうか。友人だからこそ止めるだろう。

暴走を止める箍をはめるのが親しい人の親切だ。「与党だから止めにゃいかんな~」が正しいのだ。議会と首長は、車輪の両輪という言葉があるが、両輪はくっつきすぎると一輪車になり倒れる。距離をおかなければ安定しない。

三輪車行政というのがある。これは、議会、首長、職員組合ががっちりスクラムを組んで、住民とっちのけで談合行政を行っているケースを言う。これは最悪である。

全国の自治体は実に呑気だ。そもそも暫定税率は3月31日に切れる法律だった。であるのに、全国の自治体は能天気に暫定税率が延長されることを前提に予算を組んでいる。それは、国のお役人の指導によっている。たかが、お役人の言葉を信じ国会の動向を無視して予算を組む自治体は、地方分権などとは程遠い。

その意味では、ガソリンスタンドのほうが余程真剣だ。4月1日はどうしよう、在庫はどうしよう、売価は、と必死に経営に真剣である。自治体は総務省の言うとおりに「ボ~」として国の行方を見ているだけで楽チンだ。しかし、最後は自ら考えて行動するのが地方分権であり、結果としてそのほうが楽である。

国に擦り寄る自治体の首長、職員に苦言を呈するのが議会だ。「頼んで、頼んで、いい答弁をもらって嬉しかった」という議員の質問を否定はしないが、切ないではないか。

お役人が、しのごの言ってやらなければ、議員提案で議会として条例を作って無理やりやらせればいいのだ。また、議会の議決事項が追加出来るのだから、お役人がなんでも勝手に決めて、議員の泣き寝入りにならないようにすべきである。

自治体は議会が中心ではない。住民が中心だ。ただ、住民は日々の暮らしで忙しいから、有料で議員を雇っているのだ。

 いや、これでも、感動したフレーズの極一部である。慶応で1年生の授業を持っていらっしゃるとのこと。さっそく「盗聴」に行ってみようと思う。

 素晴らしい機会をありがとう!三重県議会さん!




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