いぬぶし秀一の激辛活動日誌

おかしな議員[わんちゃん]の激辛日誌です。日々感じたこと、活動報告、行政への提言など、本音で書き込む人気ブログです。

ゴミの最終処分場見学記

2007-10-23 | Weblog
 今日は、放送大学の先生と学生(私)というご縁で、東京都環境局の職員である先生の案内で、東京湾中央防波堤にある廃棄物最終処分場を見学した。この先生の「ゴミ問題は、最終処分場を見てから語れ!」という熱い授業の影響で出向くことになったのだ。

 ゴミ処分場と言えば「夢の島(14号地)」のイメージしかなく、生ゴミにカラスやカモメが集まっている場所に行くのだろうと「長靴は、必要ですか?」と前日に変な質問をしてしまったところ、先生は「当然タキシード着用です」と‥。

 実は、生ゴミはとうの昔に焼却処分を始めているので、現在最終処分場に持ち込まれているのは、廃プラスチックや破砕された粗大ゴミ、建設廃材、生ゴミ焼却の灰等なのだ。従って、長靴は不要。


 とにかく広い!広い!この広大な土地をいったいどう使うのか。実は決まっていないそうだ。また、この処分場の延命という理由で廃プラスチックの焼却処分を決めた23区清掃一部事務組合の論拠は「ウソ臭い」ことが、実感できた。当初は15年でこの処分場が満杯になるとの予想が30年に伸び、現在では100年以上とも言われているのだ。

 そして、ここでもとんでもない税金の無駄使いが行われていた。それは、ゴミから出る浸出水の処理過程だ。廃棄物から出る水、または廃棄物に降った雨水は、集導管から集水池に集め、環境局が設置した排水処理施設で処理される。この処理施設の建設には、250億円以上が支出されている。

 ここまではいい。ところがだ、この処理済の水は、なんと東京都下水道局の下水処理施設に再度送られるのだ。そこでは、実は何も処理できない。環境局の排水処理施設で処理しきれなかった有機物は、分子構造が大きすぎて、下水道局の処理施設で、活躍している微生物さん達では処理出来ないのだそうだ。

 結局、下水道局の処理施設で出来ることは、他の生活廃水などの下水と共にに混ぜて放流することだけ。つまり「希釈(うすめる)する」ことだけ。この希釈だけのために、年間15億円もの税金が下水道局に下水道料金として支払われている。

 では、なぜこんな無駄なことをするのか?それは、江東区や漁業関係者への「リップサービス」。つまり、環境局で処理した水を直接海に放流することは可能だが、それでは「素人の抵抗」が強い。そこで、意味はないが「二重に処理しています」という姿勢を示すため、こんなバカなことをしている。

(↑恐ろしい色をした浸出水)

 この広大なゴミ処分場に立つと、我々議員では太刀打ちできない大きな問題だと痛感する。議員は、ついつい「費用対効果」や「結果」を求めてしまうクセがある。ところが、今埋められているゴミが分解されて土に戻るのは、100年以上先の話だ。

 孫どころか、曾孫やもっと先の子孫のために、廃棄物の問題、そして、この広大な土地をどう活用するのか。そのビジョンや仕組みを考えなければならない。それが、1000年後の都民に笑われない、現代に生きる我々の使命でもある。 

 いや~現場が語る威力に圧倒された見学だった。先生ありがとう!



(↑新海面処分場)



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