無題

特になし

090722 菊月香織CD《ザ・ギフト・フロム・オリッカ》

2009-07-21 22:35:48 | Weblog
菊月香織さんの最新CD《ザ・ギフト・フロム・オリッカ》の感想です。
http://www.jazzpage.net/kikuduki_kaori/cd_gift_from_orikka.html

以下、独断と偏見の感想を述べておりますが、実際は、聴いているうちに、だんだん、好きになってきます、よくなってきます。なんやかんや言って、バラエティに富んだ面白いアルバムです。

好みにもよると思いますが、泥臭いジャズ歌のオンパレより、POPS、ロック、歌謡曲、シャンソン、映画音楽とジャズの融合を好むのであれば、ご機嫌なアルバムに仕上がっております。


こういうのが最近の傾向なのかもしれませんが、自分的には、ジャズ歌、一本で、やって欲しいような気もしました。ピアノソロやベースソロ?の時間を長くしてスキャットもアドリブの要素をもっと入れる。できればライブ録音で。


なぜなら、唯一のブルース曲の「Night Train」の完成度が高く、驚いたからです。まるで、キーを上げてダイナ・ショアが歌っているようでした。
http://www.youtube.com/watch?v=3dqoJxjQn-Y
ダイナ・ショアの澄み切っているけれどブールスな路線を継承できる稀有な才能が菊月さんにあるのが意外でした。


菊月さんというとやはり劇団上がりの女優が歌っているイメージが強いのですが、そのせいか、彼女のオリジナルというのが、わからないのです。テクニック、アレンジを凝れば凝るほど、菊月さんの本体・本質が何なのか、全く、薄れて見えない状況です。演じるのではなく、本来の菊月さんの自然体=オリジナルを出したほうが自分的には、納得できそうな気がします。声ももっと低中音域を利用したほうが、色が、つくと思うのです。曲毎に、誰ぞか昔の歌手のスタイルを演じているのかなあ・・・


5拍子で演奏している「Cry Me A Rive」、速さや伴奏の厚みが大胆に変化する「Sweet Georgia Brown」など、ジャズ的な遊び心に満ちた佳品があるかと思うと、「Love Is Here To Stay」「Love For Sale」は、凡庸なアレンジに終始しておりました。その中間が、「Autumn Leaves」、これ、バランスとれていていいかも。フランス語、日本語、英語で、歌われています。


でも、なぜか気に入ったのが「Smooth Operator」。
仕事も遊びもLOVEもパーフェクトなやり手ちゅう歌詞でしょか?
http://www.dcns.ne.jp/~hitoshib/Bar-Chandler/sade.htm
http://meridian.blog.so-net.ne.jp/2008-01-29

それから、How Do You Keep the Music Playing もよかった。
http://www.youtube.com/watch?v=f8FxHoKI-s4
http://listen.jp/store/artword_16485_70932.htm
http://blogs.yahoo.co.jp/keisin3802/54408834.html

作詞ALAN BERGMAN, MARILYN BERGMAN.
作曲, MICHEL LEGRANDミシェル・ルグラン
映画やミュージカルを知る人には著名だろうけれど、わしのような勉強不足のおやじにとっては、すげえよな、ベルバラ?から、 I Will Wait for You や Watch What Happens まで、ジャスラックのDBで、600曲以上、作曲しているのわかりました。

良き友人、恋人、つれに、恵まれていれば、
音楽の泉は尽きることはないという大意だろうか?
いいや、もっと深い意味がある。菊月さん、存外、
大人物かもしれないな。それとも、ブレーンがいいのかな?


ひょっとして、菊月さん、ロックやシャンソンや演歌が向いているのかな?「舟唄」できれば、コード進行やビートはジャズでやってほしかったす。待てよ、この菊月スタイルはファンの方のニーズに沿ったものなのかもしれないす。だとすればこの妥協の産物より手がないか?つまり、ジャズファンにもそうでない人にも万人蛮人でないっす、にうけかつ、自分の主張を入れるぎりぎりの選択だったのかもしれないっす。



《ザ・ギフト・フロム・オリッカ》の収録曲
01. Sunflower
02. The Gift
03. Love Is Here To Stay
04. Sweet Georgia Brown
05. Nice Work If You Can Get It
06. My Funny Valentine
07. Smooth Operator
08. Autumn Leaves
09. Love For Sale
10. 舟唄
11. Cry Me A Rive
12. Night Train
13. How Do You Keep The Music Playing
14. A Song For You



菊月香織
http://kikuzuki.com/

山川浩一のスタンダードジャズ入門
http://jazzstandard.radilog.net/



0906718「熾」高砂(浦和)7月定例 歌会

2009-07-20 14:40:08 | Weblog
浦和市民会館での7月定例の「熾」高砂(浦和)歌会に行ってきました。我拙作は、今回、あまりの不出来にて割愛。


当日、一番、感動したのは
「まなこの奥を昔のおとこ?があまた横切り、夜、眠れないという」
という大意の歌。若い頃、社交ダンスに夢中になったときの経験に基づいているそうです。歌自体は、平安朝の女流歌人のおおらかな?恋の歌を、思い起こさせるような優雅なしらべでした。


同様に
「若い頃の恋文を子供たちに読まれないように庭の隅で焼く」
という趣旨の奥ゆかしい秘めた恋の歌もありました。現代の恋人たちは、携帯メールを利用するでしょうから、もう、恋文を焼く必要はないのかな?ちなみに、若い独身のI君に、尋ねると、借金の督促状を焼いたことはあるが、恋文は、紙も電子メールももらったことがないとはぐらかされてしまいました。


自然詠もいいのですが、やはり、短歌と言えば、古来より、男と女の恋につながる抒情あふるるものが、いいなと思うのでがんす。たかが、20名前後の歌会のメンバーですが、人生経験が、バラエテイに富んでいるのには驚かされます。言い方はよくないかもしれませんが、普通人の人生の中にも、数知れぬドラマが秘められているのだと毎回、思い知らされます。


以前、盧溝橋事件後に、夫が、現地の視察に出かけるため、無事を祈りながら見送ったという歌を作られた方がいました。今でも、戦前、戦中が、昨日のごとく、意識の中で生き続けていることを知り、とても、驚いたのでした。


なお、沖ななも先生に、歌壇にて、昔の与謝野晶子と鉄幹&有島武郎のようなラブロマンスは、現代でもありなのか何気なく問うてみたのですが、見事に、リップサービスで、かわされてしまいました。

与謝野晶子 写真
http://www.libnet.pref.okayama.jp/mmhp/kyodo/person/yosano/YOSANO.HTM

映画 華の乱のあらすじ
http://home.f05.itscom.net/kota2/jmov/1999_01/990113.html



あと、いいなと思ったのは

「雨の中に疾走するサラブレッドのたてがみの美しさ」を詠んだ歌。

「子供はとうの昔に巣立っているのに、年一回は箱からだして飾ってやらないとかわいそうだ。と奥様が五月人形を飾る」という概要の歌。

「毎日が母の日だと口の上手い息子におだてられるが、母の日のプレゼント自体は届いたことがない」という内容のユーモラスな歌。

など。



▼語句や知識
シクラメン 冬から春に咲くが、最後のつぼみと思っても、また、次々と咲くことがある。
重馬場(おもばば) 雨に濡れて土が重い馬場
綺羅(きら) きれいな 美しい



「熾」歌誌
http://www.o-k-i.org/


沖ななも先生(短歌)
http://members3.jcom.home.ne.jp/3247782501/
http://www.city.ibaraki-koga.lg.jp/bungaku/tushin/oki.htm


古河文学館
http://www.city.ibaraki-koga.lg.jp/bungaku/index.html




090714 菊月香織/千行星 at 上野アリエス

2009-07-15 23:20:01 | Weblog
菊月香織(Vo)/千行星(Vo)/砂田知宏(P)/新岡誠(B)

上野アリエスに、菊月香織さんを聴きに行きました。

4,5年ぶりに見たのですが、歌のテクが、格段に向上しておりました。ただ、やはり、以前も感じたのですが見てくれに比してやや歌唱法や声質に強烈な個性がないのです。やや色がないのです。なんとなく音だけでは、誰が歌っているのが識別ができないような、巧いけど。故山川先生がおっしゃっていました。菊月君は、見てなんぼだからなと。もちろん、菊月さん、類まれなエンターテイナーですが。

共演者を含め菊月ねえさんと呼ばれ貫禄がついた感じでした。以前のお客さんを、盛んに煽る軽いノリは影を潜め、とても落ち着いた感じでした。確か、カオリンのパワーだかオーラだか、バブル期を彷彿させるノリでそれはそれでスグレモノだったのですがなりを潜めました。トークは、もちろん、ポジティヴで明るく面白いままでした。女優としての演技力ちゅうのでしょうか?フィンガーアクションや声色をいろいろ操り間奏中に、セリフを挿入したり、細かい芸も健在でした。おやじ世代の癒し路線になったのか。休憩中もお客様、全員に話しかける積極性も菊月さんならではのものかと驚きました。

自分のいた時間、以下のような選曲でした。


Love Letters
Love Is Here To Stay
Cry Me A River (5拍子のUpBeatの演奏で感動しました)
ひまわり
My Favorite Things
Nice Work If You Can Get It
 (広瀬麻美の得意とした自然体と異なり菊月スタイルは流石造りがあり感心しました)
Love For Sale
見上げてごらん夜の星を


共演の千行星さんは、若さとフェロモンと元気が、セクシーな四肢からはちきれんばかり、溢れ出ておりました。おやじ、千行さんの眩しさにたじたじ。歌の修行はまだまだの感じですが、ノリ・勢いで、押すタイプ?芝居やコント?いろんな表現に挑戦中とのことです。なおブログの写真が控えめ清楚に撮影されたものなので落差が大きく、笑ってしまいました。とにかくパワフルでした。

自分のいた時間、曲名のわかったのは以下だけ。ジャズ歌はあまり歌わないそうです。

You'd be so Nice To Come Home to
Mas que nada (大音量で自分の世界に浸られておりました。若いっていいなあ)


砂田さんと新岡さんは、ドラムがないことを感じさせない抜群のコンビでした。新岡さんのベースソロは、開放弦やオクターブ奏法?を利用した遊び感覚抜群、音負けしないしろもので、なぜか、クラプトンのSunshine Of Your Loveのフレーズを弾いたりしてお客さんの喝采を浴びておりました。


上野アリエス
http://www.jazz-cygnus-aries.co.jp/aries/ari-top.html


菊月香織
http://kikuzuki.com/

千行星
http://ameblo.jp/sengyo-hoshi/

砂田知宏
http://sunada-bb.air-nifty.com/
http://sunadabb.com/

新岡誠さんの写真
http://pianin.blog3.fc2.com/blog-entry-1076.html

山川浩一のスタンダードジャズ入門
http://jazzstandard.radilog.net/