無題

特になし

091031 小室哲哉「罪と音楽」の感想―小室さんの内面は、ヒット曲の歌詞を読むとわかる?

2009-10-31 14:16:32 | Weblog






自分、学生時代、女の子ボーカルを立てて、歌謡曲バンドをやり、全てのオーディションをテープ審査で、落ちました。だから、90年代の小室さんのプロデュースと作詞・作曲の活躍を憧れの眼差しで、テレビで、見ていました。カッコよかったです。しかも、自分のやりたかった歌謡曲?(フォークでもロックでもない)の音楽をやっている。自分の思想と人生を散りばめた難解な歌詞を、よくわかっていない朋ちゃん(安室さんも?)に、無理に歌わせて、悦に入っている、羨ましい限りでした。

この著作ですが、「音楽」に関しても「罪」に関しても表面的なことしか書かれていなくて、本来のどろどろしているはずの小室さんの内面葛藤・プライベートライフの真実の告白がないのが残念でした。贅沢が止められず借金漬けになり没落、犯罪に至る過程の記述も不十分でした。特に、KEIKOさんばかりもちあげて、朋ちゃんのことが、1回しか、しかも客観的にしか、名前が出てこないのが不満です。遊ぶ女、創作に利用する女は使い捨てで、結婚する女は特別ということでしょうか?小室さんも朋ちゃんには掻き回されて疲れたから愛がすぐ消えたのでしょうか?

それでも、朋ちゃんがミューズ神だった頃の小室さんの曲が絶頂。KEIKOさんでは、小室さん、凡庸な曲しか書けないような気がします。きっと、今でも小室さんは、心の中で、永遠の朋ちゃん像を、本当は、追いかけているのではないかと思います。実生活では妥協しても。

これから、宇崎さんのように新しい演歌でも書くのでしょうか?それとも、アルバム「Far Eastern Wind」(姫神みたい)なシンセ環境音楽でやってゆくのでしょうか。大人向けの日本語によるジャズ歌でしょうか。本人もこの本で言っているように、音楽系アーチストの地位は落ち目でお笑い全盛の時代になってしまいました。これからの大衆音楽は、どのような道を辿ってゆくのでしょう。


この本、小室さんの音楽に対する基本的な考えは、よく書かれていました。
声質が歌手の第一条件。僕は、歌が歌えないので、つんくさんが羨ましい。僕は、フォーク系のニューミュージックと筒美京平さんのような歌謡曲、双方に、属する統合型だ。不良系?ロックの系譜には属していない。マイケルジャクソンには自分から会ったが、ポールマッカトーニーには、流石に恐れ多くて、同じ、列車に、乗り合わせていたのに、挨拶に、行けなかった。彼の声が、欲しいと、いつも羨ましく思っていた。僕に彼のような声があれば、シンガーソングライターをやっていた。云々。


コンピュータミュージック、テクノロジーに対する小室さんの入れ込みもよくわかりました。自分は打ち込み系の音楽が嫌いで、昔ながらのアナログ系かつライブ=生音が好きなのですが、小室さんは、不思議とPC作りの味がしないので例外的に好きです。転調の小室と自負されてますが、デジタルなら転調なんてワンクリックですもんね。本によると未公開の曲のストックが、PC?WS?に膨大に溜まっているようです。そこから、いつでも、いくつでも、ヒット曲を、紡ぎだすことが可能なのでしょうか。だけど、歌詞のある歌、インストでなくメッセージにこだわり続けたのは何ゆえなのでしょうか?単なる商売だけではないように思えるのです。彼にも大衆に音楽を通して伝えたかったことがあるに違いありません。


小室さんの内面は、ヒット曲の歌詞を読むとわかります。存外、不器用で、融通がきかなくて正直な方なのではないでしょうか。歌詞は、歌手をフュチャーしきれず、小室さん自身が、必ず、出てしまいます。


華原朋美I'M PROUDD
http://www.youtube.com/watch?v=t6hjF3mDY3s

『壊れそうで崩れそうな情熱をつなぎとめる何か、いつも探し続けていた。
どうしてあんなに、夢が素直に見れなくなっていた。
街じゅうでいる場所がどこにもない。体じゅうから愛がこぼれていた。
・・
愛することを誇れる誰かに
・・
最善を尽くしてもわかりあえない人もいた・・
滅茶苦茶を言ったって瞳の奥の優しさを持っている人
持っているあたしをあげたい・・あなたに会えた夜から』

⇒これ、小室さんのホンネです。それと、わがままな朋ちゃんに、
 小室さんが、多少、いかれてしまったということもだぶっている。
 朋ちゃんも天性のもの、オーラが、小室さん同様、あると思います。
 アーチストは、いつも、自分をわかってくれる人が、ほしいけれど、
 それは、かなわないのです。ひょっとして、KEIKOさんが、
 本当の小室さんをわかってくれた女なのかなあ・・
 でも緊張が解けて安定すると、くどいけど、名曲は、できないよな、絶対。



華原朋美(Tomomi Kahala) - I BELIEVE
http://www.youtube.com/watch?v=QHVw9_1LVoo

『Anytime I believe your love ずっと前からあなとをきっと見ていた
Give me a chance! Give me a Jump! これからの未来へ向かう戦い!
Give you a Speed! Give you a Power! 生意気な態度もときにはUSE!
冬の街を凍えてた。寒い夜を憎んでいた。
愛を語るより温もりだけ ほんの少し欲しい日もある。
どれほどの恋 どれだけの夢 抱えきれず空に叫んだ!』

⇒これも小室さんの人生そのものでしょう。最初から売れたわけでなかった。
 ハングリーからのし上がっていた。遅咲きだった。
 小室さんの不幸のひとつは、裏方に徹することができない性分にあるのかも。
 なぜ、名作曲家で、地道に、生きることにならなかったのか?
 やはり刺激がないと書けないものなのでしょうか。音楽・映像・歌手、素材の
 クオリティに凝ってしまう。いいものを創るために歯止めがきかなくなる。
 夢をかなえれば、また、次の夢が現れる。諫言が聞こえなくなる。
 ひょっとして、音楽は曲は、もがく過程の中から、副産物として降ってくるのか。



華原朋美 LOVE IS ALL MUSIC
http://www.youtube.com/watch?v=yiRDJUCjyes

『ほっとした瞬間、しゅんとした瞬間、どっちのときだって、結局、あなたを
考えちゃうから 信じちゃうから 永遠に届かない 正確な情熱は 空回り どのくらい
・・
Love is all music. Love is all people.大事なぬくもりが 大切な宝物
・・
夜明けごろ 自転車を東口まで ほろ酔いの少し気分 取りにいってくるから
・・公園で一休み あなたのイニシャル 砂場に書いて また消して 
・・時間のねじまわして 大切で 大丈夫 守りたい』

⇒あなたは、芸術の神=ミューズ神?、永遠・絶対の作品に至らないもどかしさ?
 だけど、小室作品には、小市民的な生活のフレーズが出てくることがあります。
 守りたかったものは何だったのだろう。
 この時点で、半分引退して引き返すことは、できなかったのか。
 それとも、小室さんにぶら下がって生計を立てる人が増えすぎて、
 周りが、それを、許してくれなかったのか。優柔不断で成り行きに任せたのか。


一度、覚えた贅沢を、止められないのは、小市民も含めて人間の悲しい性だと思います。自分も、昔は、ダイエーの50円寿司が、なによりのご馳走でした。今では、回転寿司でも100円以上のものを頼んだりするようになりました。成り上がる人には、庶民には、わからない事情があるのでしょう。お金はとても大事ですが、志も大切です。自分は小室さんのような才人ではありませんが、やはり、表現に、命をかけたいものです。例え、50円寿司どころか、家庭菜園の芋しか食べるものがなくても。



▼参考

朋ちゃんKEIKOについて語る
http://www.youtube.com/watch?v=znVtZsJTRQY&feature=related

華原朋美と小室哲哉のトーク
http://www.youtube.com/watch?v=xfFDrU_GZpg
http://www.youtube.com/watch?v=jM8YDVsR_ek


○小室さんの女性遍歴
http://allabout.co.jp/relationship/kekkonlife/closeup/CU20081119F/


小室容疑者の最初の結婚は1988年。
お相手はアイドルデュオ「キララとウララ」のキララこと大谷香奈子さん。美人です。
http://www.youtube.com/watch?v=v7UKF7rSWGU&feature=PlayList&p=B37A1264ECB4CCC8&index=1

次の妻、吉田麻美さん。やはり美人です。
テレビ東京の番組「ASAYAN」のコーナーであった「コムロギャルソン」のオーディションに合格し、1996年に3人組のユニットdos(dance of sound)としてデビュー。
http://sankei.jp.msn.com/photos/entertainments/entertainers/081105/tnr0811051105003-p4.htm
http://kissyou.lolipop.jp/others/asami-kyouhatuplus.html


吉田との離婚の原因になったとされる、3番目の妻KEIKOと小室容疑者。
KEIKOさんが、初めて、無償の愛、打算のない愛をくれた女性だと言うのですが。
http://allabout.co.jp/relationship/kekkonlife/closeup/CU20081119F/index4.htm


自らが設立した会社「ロジャム」は2002年に香港株式市場への上場を果たすものの、業績を上げられず、2004年には多額の負債を抱えて撤退。
アジアのPOPSを制する野望が崩れてしまったのが、転落、負債過多の直接の原因らしいです。
http://allabout.co.jp/career/jijiabc/closeup/CU20081109A/index2.htm



山川浩一のスタンダードジャズ入門
http://jazzstandard.radilog.net/



最新の画像もっと見る