ポエ活

村田活彦 a.k.a.MC長老のブログ。ポエトリー・スラム・ジャパン代表。ラップスクール2期生。

空と風と朗読と

2007年09月16日 23時25分33秒 | ポエトリーリーディング/詩/朗読
桑島法子さんの「朗読夜」
行って来ました。熊谷まで。
題して「桑島法子 一人語り SORA TO KAZE」。


湘南新宿ラインで池袋からおよそ70分。
籠原下車。10分も歩けば田んぼが広がる.

ステージは野外。法師蝉も鈴虫も鳴いている。
宮沢賢治作品を朗読するには
もってこいの舞台です。

遠くを見れば
田園風景の中に工場のシルエットが見えたりもする。
高圧線の鉄塔が、行進するように並んでいて

嗚呼あれはまるで、
ドッテテドッテテ、ドッテテド
「月夜のでんしんばしら」じゃないか!


桑島さんの朗読の魅力は
まずやはりプロの声優としての技量。

「いてふの実」で銀杏の子どもたちの声色を
ひとりですべて演じ分ける。
「なめとこ山の熊」の熊を撃つ場面では
緩急をつけて緊迫感を出す。

その映像喚起力のすごさ!
声を聞いてるだけで
そのシーンがまさにアニメのように目に浮かぶんです。


そういう意味じゃ
賢治作品がいかに朗読に向いてるか、ってのも実感したな。

あの独特の擬音語、擬態語も
桑島さんの声で語られると
「ああ、なるほどこの音だ、この感触だ」って納得できますよ。

恐ろしい場面は恐ろしげな声で
楽しい場面は楽しげな声で読む、
いわゆる「表現読み」の手法って、
中途半端にやっちゃうと気恥ずかしかったりするもんですけど
徹底してやればこんなにもパワフルなのか。


思えば
アニメーションはアニミズムと同じ語源。
そして賢治作品ではまさに
ヒトも獣も虫もキノコも、カエルも火山弾も星も風も
万物に命があって、互いに語り合う。

「朗読夜」で桑島さんは
アニメ声優からアニミズムの姫巫女になる、というわけです。


そしてもっと大事なことは
岩手出身の桑島さんの郷土愛とか、賢治愛が
体の真ん中にしっかりあって
ひしひし伝わってくるということ。

ちいさいころからお父さんが
「永訣の朝」や「原体剣舞連」を朗読してるのを聞いて
育ってきたっていうんだから。


岩手のイントネーションで聞く
「雨ニモマケズ」は
やわらかく、つぶやくようだった。

「雨ニモマケズ」ってあまりにも有名すぎて
教科書の詩っていうイメージがありすぎて
まじめで清廉潔白な作品だと思ってたけど、ちがうんだ。

「なかなか上手くはいかないけど
 まあぼちぼちやっていきますか」って

賢治が微笑みながら、独りごとみたいに言ってる気がした



「朗読夜」のライブレビューは
「東京リーディングプレス」12-1月号に掲載予定。







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