ただの偶然なのですか

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映画「クレイジー・ハート」の感想

2010年09月08日 | 映画
歌手にとって、酒と女は歌を作るためには必要不可欠なものなのでしょうか。
でも、どちらにも溺れ過ぎちゃいけないよ…ってことで、4度も結婚に失敗してアルコール依存症になっている主人公の姿に、あるミュージシャンの姿が重なって見えてしまいました…。
体型の崩れたオジサンがゲロ吐きまくる姿を見せられるのは気分のいいものではありませんが、それでも身につまされたのは、私も歳をとったオバサンだからでしょう。
若い歌手に説教くさい歌を歌われると、あんたに人生の何がわかるんだ!と思ってしまうのも、私がオバサンになってしまったからでしょう…。

アメリカのカントリーミュージックには馴染みがないので音楽にはいまいち乗れませんでしたが、自堕落な主人公の姿には似合わない、ゆっくりとしたテンポの懐かしい感じのする曲が多かったです。でも、一曲以外は歌詞の日本語訳が表示されなかったので何を歌っているのかわかりませんでした。
主人公がドサ周りをする街も田舎ばっかりで、いつの時代なの?と思うほど素朴な街並みと、広々とした自然と空が映し出されて、のんびりとした風景は見ていて癒されました。
ストーリーもオーソドックスで、そんなに上手く立ち直れるもの?と思いましたが、題名のわりには落ち着いた雰囲気の作品だと思います。


それにしても、歌手って意外と精神的に辛い仕事なんじゃないかなと思います。メンタル面のバランスを保つのが大変なんじゃないかって…。歌いたくない気分のときもあるでしょうし、そのときの自分の気持ちがいつも歌詞と合っているとも限らないでしょうし、歌うことで他人にエネルギーを送り何かを伝えていくのは、魂をすり減らすような作業なんじゃないかなと感じるときがあります。
歌を作って伝えていくためには、やはりそれなりの人生経験と苦悩が必要ってことなのでしょうか…。