◆井上陽水と私◆2005年1月1日から2011年12月まで

マルチクリエイター。井上陽水と私。 独身氷河期世代。当時、ペンネームは夏風アザミルク。

11月の読書録2

2005-11-18 20:09:22 | Weblog
買って読みましたあああああ。
サブカルチャー読書録

●「毎日かあさん」①、②(西原理恵子)
サブカル漫画家の新境地。風俗誌の挿絵から始まったサイバラの漫画家人生。
さくらももこ、と同世代。向こうは八百屋の娘。いっぽうサイバラは漁師の家系。
私もきっと売れるはず!という自信をもっていた。
しかし最近は、グルメ記、旅行記、エッセイなどの挿絵として脇役の仕事が多かった。
ファンはいても代表作に恵まれていなかった。

そのサイバラの最高傑作誕生。
アジア旅行ライターでアルコール依存症の夫との間の子供二人がメインテーマ。
離婚した後も、たまに会いにくる父親との会話を描いた漫画が特にいい。
情けない男が、幼い娘にとっては優しい父親に映る。
父親をほろりとさせる演技をしている、計算された無邪気さという捉え方がいいのだ。
毒を表現する力強い画風と、母親の温かな視線とのブレンドが最高。

●「生協の白石さん」
東京農工大学生協の掲示板での店員と学生のやり取りをまとめた本。
ブログなどのネットで話題になり書籍化。
質問に答える形式は中島らもの「明るい悩み相談」などに近い。

しかし、特にこの本が評判になったのは、素人っぽさだ。
素朴ながらもユーモアのある回答に殺伐とした学生の心が癒されたのだろう。

お店のなかには、ネットの掲示板を持つ店もある。
そこでのやりとりも、書き手の腕とセンスしだいで、成功する可能性があるのだ。
自分が書いた投書が読まれる地元ラジオのような感覚がネットにあってもいい。

このブログもコメントには答えるようにしているが、
この白石さんのような粋な回答は、難しいんです。

●困ったときのベタ辞典
日常会話やドラマで、使われる決まり文句の辞典。
ネットで投稿されたネタをもとに企画された本。

私は、ベタな人生を送っているとは思っていない。
だからこそ、ベタな決まり文句が使われる日常に興味がわくし、面白かった。
新しい発想、会話、文体、歌詞などが、時代の先端には求められる。
が、一方でこんな基本どおりの受け答えで表現される場面も必要だろう。
マンネリは面白いもんだ。
いつもの時間にいつもの台詞は、時代劇だけじゃないのだ。

陽水の存在や特異な歌詞は、歌詞の基本を裏切るという新しさから、
おかしな歌詞を歌うというマンネリになり、
今では、モノマネ番組で消費されている。


画像は、自作のイラストです。