「教えない」に気づくまで(その2) 入試の決め手も

2006-08-08 10:54:22 | 教えない
まず塾と入試勉強について申し上げます。塾と入試とは強い関係が
ありますので。
途中で前回の内容と結びつきますから、どうぞ読み進めて下さい。

受験勉強には従来から様々な問題が指摘されています。
中高6年一貫教育の根拠の一つに受験勉強の弊害がありますね。

多くの塾は、受験を避けて通れませんから、落ち着かぬ思いをする
こともあります。けれども問題は正面から受け止めなければなりま
せん。「受験」の現実を踏まえながら、本来の学習をどのように
進めるのか、難しい課題ですが、答えを探しましょう。

当然すぎることですが、目先の受験だけに焦点をあて、本来の勉強
に差しさわりがでるようなことではいけません。

本来の勉強をしっかりしていれば、特殊な受験勉強を数多くしなけ
ればならないことはありません。塾などに行かなくても入試で結果
を出す子はいますよね。

一番の問題は、本来の勉強がなかなか身についていない段階にある
生徒が受験をしなければならない場合です。
通常の勉強に時間をかけて受験に間に合うのか、受験テクニックの
習得とどういうバランスをとればよいのか。

(以下、少しだけ話がずれますが)
少なくとも、ここ広島では学校の成績の絶対評価導入で、期末試験
などのたびごとに上記の受験勉強によく似たことが起きています。

生徒の要求が、本来の勉強はさておいて「とりあえず試験対策」
となってきました。そこをサポートすることで生徒集めをする塾も
多いようですね。業界が厳しい状況にあるので、それも分からない
ではありませんが、出題傾向を分析し直前対策をたくさんする塾に
通う生徒が、学校の試験で初めから優位に立つのは、果たしてよい
ことなのでしょうか?

学校の立場からすれば「よい迷惑」かもしれません。授業の成果を
測定しようとしたら生徒に予めハンディがついているとしたら。

いやそうではなく、とにもかくにも勉強させてくれるのだから好い
事だという意見もあるでしょう。「試験対策」が全く勉強の役に立
たないわけではありませんから。
でもねえ・・功罪それぞれの割合を考えると今一つなんですよね。

勉強というものは長いスパンで成長させてゆくものなのに、定期的
に行われる試験のたびに一夜漬けばかりで一定の成績をあげて次へ
と進む生徒がいたら、その人の将来には不安が残ります。
学校の定期試験に塾が対策をする場合、それが一夜漬けの手伝いに
なっていないか、疑念があります。

目先の損得に引っ張られて本来のあるべき姿がゆがみかけている
とも言えそうですね。

受験とは、テストとは学力を測る「手段」であったハズです。

それが絶対評価の採用以来「目標」になっている。もちろん、以前
からもあったことですが、それが目立つようになってきました。
例えば、中学生の場合、中1の一学期から評価を上げ、それを維持
しないと、中3くらいから力が伸びても、行きたい学校の入試に
ハンディがつくのです。

本当は内申書で全てがきまるのではなく、力がついていれば合格し
ている生徒もいます。ただ、中学の受験指導もあって多くは内申点
による、受験校決定の輪切り状態に従っています。

そこで、まるで何かに駆り立てられるように目先の絶対評価の数字
を気にしはじめている、そんな生徒・保護者が増加しています。
自分で勉強に取り組めない生徒、とか子供への指導力が弱い家庭に
多いのではないでしょうか。
「本当の勉強」「自分の勉強」に目が向いていないのですね。

 ◎
入試対策勉強も同じ事です。

次の段階へむけて、あるべき学力をつけてゆくことが第一なのに
合否に目がゆきすぎています。

たとえば中学生、高校に入学してそれで終わりですか?
高校で勉強がついてゆけず苦労している生徒も多いのです。
その責任の全部が「受験勉強」にあるわけではないけれど、受験
勉強のなかで作り上げてきた「姿勢」「学力」に大きな問題が
あったであろうことは間違いありません。

・・なんて言っても受験が気になるのは当然です。

では、現実に目の前にある「受験」を踏まえて、どう勉強するか
次回に話が続きます。
そして早く本題の「教えない」にたどり着かないと。

途中ですが今日はここまででスミマセン。








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