浪花千栄子

2014-03-14 16:27:43 | 映画
先日NHKで『伊豆の踊子』を流してくれました。
1963年の吉永小百合、高橋英樹主演のものです。

伊豆の踊子はウィキによると6回映画化されているとか、
これは第4作目です。

何と言っても吉永小百合18才がまぶしい。
ヒットした筈ですね。

私は小むづかしげな映画が好きなので青春スターの作品
なんて、ほぼ見たことがありません。
わざわざ、金使って、出かけて、ルーティンを見る事はない、と。

今回、この手の作品を見、反省しています。
結構、見られるじゃありませんか。

監督が上手いのか、吉永さんがすごいのか、ラスト前の
お座敷での踊り、は万感がこもっていましたね。
なかなかの役者さんです。

子供から大人に変わる微妙な一回きりの時代を
演じ切っています。


この映画の旅芸人の座長を浪花千栄子が演じました。

普段は愛想がよく、腰が低い立場です。
旅芸人ですから図太さもある。
如才なく生き、世間智にも長けている人間。

生き抜くためにはいくつもの顔を持ちます。

吉永さんを可愛がりつつ、必要によっては
敢えてイケズも辞さない。
嫌な婆さんだけど彼女の気持ちも確かに分かる・・


若いころは浪花さんをワンパタンと思ってました。
アクが強いばかりでね。

ラジオの『お父さんはお人好し』のイメージが
強かったかもしれません。

大人になって著名な監督が浪花千栄子を使う
わけが分かる気がしてきました。

いくつか挙げてみます。

溝口健二・・・・祇園囃子、山椒大夫、近松物語
木下恵介・・・・二十四の瞳
豊田四郎・・・・夫婦善哉、猫と庄造と二人のをんな
小津安二郎・・彼岸花、小早川家の秋
黒澤明・・・・・・蜘蛛巣城
吉村公三郎・・大阪物語
川島雄三・・・・暖簾
内田吐夢・・・・宮本武蔵
田中徳三・・・・悪名

などなど。
(成瀬巳喜男とは縁がないようですね)

伊豆の踊子も上記に負けない好演でした。
(西河克己監督)

三味線を弾きながら歌っている声が浪花さん!!
もうそれだけでも貴重ですね。
たっぷり。満足です。


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