「センセイ、○○を教えてください」
「何ですか?」
「学校で習ったんですけど」
「ハイどんなこと?」
「それが、ちょっとどう聞けばよいか」
「何てところ?え、分らない?それじゃ私も分からない・・
何か持ってきてますか」
「・・家にあります。聞いてから持ってこようと思って」
カシコイですね。
無駄をしたくないのでしょう。
現代の大人の反映もしくは教育のオカゲです。
私はそのテの「賢さ」が嫌いです。
無駄になるかもしれないけれど、自分だけの手間だから
取りあえず準備しておこうという人間が少ないのです。
分っていること、無駄にならないこと、結果が見通せる
こと、そんなことしかやろうとしません。
それでは新しいことはできません。
未知の領域に踏み込めないのですから。
人に先んずることがなく、先例やマニュアルがないと
行動できません。
自分で判断したり責任を負ったりしないのは
小さい頃から「自分が損するのは構わない」という
行動ができていないからではないでしょうか。
本来の日本文化とは、ムダになるかもしれなくても
自分のことですむのであれば最大限の準備をします。
それが長い目で見るとスムーズにことを運ぶのです。
携帯であらかじめ確かめて行動を起こす、そういう
感覚を私は好きではありません。
そこから自分勝手な大人に結びつくからです。
○
「ボク的にはア、○日の×時なら空いてるんですが
そちらにお伺いしてよろしかったでしょうか?
空いてらっしゃいますかー?」とEメイル。
それはあなたの都合です。無駄をしたくないという
自分勝手な予約問合わせでして、アポイントメントを
とるというのはそういうことじゃないのです。
都合を言って断ると気を悪くするかなと思いつつ、
申し訳ないがその日時はコレコレでと返事を入れます
と、確認の返事が来ません!
昔の人間なら、突然の問い合わせをし申し訳なかった
またの機会に、などと書いて連絡を受けた旨相手に
返事をするでしょうが、それはありません。
自己中心的に「分った、じゃ、いい」と思うのでしょう。
○
アポが必要な訪問はもちろん存在します。
逆にちょっとそこまで来たという挨拶もあってよいの
ですが近年は少なくなりました。
大人の挨拶。
今は用があるときだけ付き合うでしょ。
ビジネスライクですから深い情報に辿り着かない
のです。
皆、同じような行動をとるのは情報の得方に
問題があるのでしょう。
無駄足を踏んでもよい、効率の悪いことをする
その意味を生徒に伝えたいと考えています。
かなり難しいこととは思いますが。