父の親友にAさんという方がおられました。
もう一人とで仲好三人組だったらしい。
もう一人の方は戦前から戦後にかけて地方では
比較的有名な会社の御曹司、ただし私が物心ついた
ころにはほぼ没落しておられました。
父は友の名前=カンジから「カンちゃん」と呼び仲がよかった。
母も一緒になって「○○のカンちゃん」
3人組のもう一人は「Aさん」
Kちゃんよりすこし距離がある、もしくはAさんは
立派な方で(ちゃん呼ばわり)しづらかったのかも
しれません。
父はシベリアに行き23年に帰国、他の日本人より
戦後のスタートで後れをとったと感じていたようです。
祖母からのプレッシャーも大きかったらしい。
何しろ祖父が戦争前後で家業をつぶしていましたから
長男の父を頼るしかなかったのですね。
Aさんは戦後しっかりと事業を成功させておられました。
3人組も1勝2敗だったようです。
○
母があるとき「Aさんは敗戦直後、軍の物資を横流しして
事業の資金を作った」という話をしていました。
良いとも悪いとも言わなかったですが、カンちゃんの話をする
明るい響きはありませんでした。
父が敗戦時日本にいたとしてAさんの真似を出来るはずもなく
倉庫へ取りに行ったらドジをしてつかまっていたに違いなく
Aさんをとやかく糾弾する話でもないのですけれど。
○
戦争はいつまで続くか分からないから軍はそれなりの物資を
備蓄していたのですが(国民生活が厳しくても)
もともとは国民が必死の思いで納めたものと言えます。
Aさんがクスネたのは(凶暴かつ負けちゃった、軍)から
というよりも、大元は国民からなのです。
戦争に負けちゃいけないから必死で納めた。
(軍の一部はそれを浪費していた)
横流しを私は(威張れる行為)とは思いません。
けれども不必要に浪費をしていた軍の実態を知っていて
横流しに及んだとしたらその気分も分かる気がします。
大阪のオバチャン的な感覚ならどうでしょう?
「どうせ置いといても他の誰かが持ってくヤン」
「もともと軍隊のもんとも言いづらいやろ」
「軍のエライさんが取り込むかもわからんし
敗戦時の国民がちょっと分けてもろうてもエエんちゃうの」
私「でも供出した人のことを思うと軍と同レベルに・・」
オバチャン「ほんなら元の人へ返せるか?」
「あんたが、ええかっこしたいならカマンけど、
人を悪うは言えんな」
どちらも正しいのでしょう。
○
ただ、人間は自分の心にはウソをつけません。
私のように「金は欲しいなあ、でも倫理的に許されるか」と
悩むタイプが実社会では最悪。
それは分かっていてもハートが渋る。
どこでこんな損な性分に育ったのか、
もしかして学校の道徳教育だったらちょっこし不平を言いたい
気ではあります。
戦後、膨大な物資が消えている筈です。
当時どんな倫理観が働いていたのでしょうね。
PS
親爺はアル中で経済能力もなく、子供から見てワガママな
戦前男子でしたが、妙にヤセガマンのところがありました。
物資横取りの話をもしも父にしたら怒るでしょう。
「リクツはない!イケンもんはイケン」
もちろんAさんとは仲たがいなどありえなかったハズです。
たぶん「あいつはあいつ」
もう一人とで仲好三人組だったらしい。
もう一人の方は戦前から戦後にかけて地方では
比較的有名な会社の御曹司、ただし私が物心ついた
ころにはほぼ没落しておられました。
父は友の名前=カンジから「カンちゃん」と呼び仲がよかった。
母も一緒になって「○○のカンちゃん」
3人組のもう一人は「Aさん」
Kちゃんよりすこし距離がある、もしくはAさんは
立派な方で(ちゃん呼ばわり)しづらかったのかも
しれません。
父はシベリアに行き23年に帰国、他の日本人より
戦後のスタートで後れをとったと感じていたようです。
祖母からのプレッシャーも大きかったらしい。
何しろ祖父が戦争前後で家業をつぶしていましたから
長男の父を頼るしかなかったのですね。
Aさんは戦後しっかりと事業を成功させておられました。
3人組も1勝2敗だったようです。
○
母があるとき「Aさんは敗戦直後、軍の物資を横流しして
事業の資金を作った」という話をしていました。
良いとも悪いとも言わなかったですが、カンちゃんの話をする
明るい響きはありませんでした。
父が敗戦時日本にいたとしてAさんの真似を出来るはずもなく
倉庫へ取りに行ったらドジをしてつかまっていたに違いなく
Aさんをとやかく糾弾する話でもないのですけれど。
○
戦争はいつまで続くか分からないから軍はそれなりの物資を
備蓄していたのですが(国民生活が厳しくても)
もともとは国民が必死の思いで納めたものと言えます。
Aさんがクスネたのは(凶暴かつ負けちゃった、軍)から
というよりも、大元は国民からなのです。
戦争に負けちゃいけないから必死で納めた。
(軍の一部はそれを浪費していた)
横流しを私は(威張れる行為)とは思いません。
けれども不必要に浪費をしていた軍の実態を知っていて
横流しに及んだとしたらその気分も分かる気がします。
大阪のオバチャン的な感覚ならどうでしょう?
「どうせ置いといても他の誰かが持ってくヤン」
「もともと軍隊のもんとも言いづらいやろ」
「軍のエライさんが取り込むかもわからんし
敗戦時の国民がちょっと分けてもろうてもエエんちゃうの」
私「でも供出した人のことを思うと軍と同レベルに・・」
オバチャン「ほんなら元の人へ返せるか?」
「あんたが、ええかっこしたいならカマンけど、
人を悪うは言えんな」
どちらも正しいのでしょう。
○
ただ、人間は自分の心にはウソをつけません。
私のように「金は欲しいなあ、でも倫理的に許されるか」と
悩むタイプが実社会では最悪。
それは分かっていてもハートが渋る。
どこでこんな損な性分に育ったのか、
もしかして学校の道徳教育だったらちょっこし不平を言いたい
気ではあります。
戦後、膨大な物資が消えている筈です。
当時どんな倫理観が働いていたのでしょうね。
PS
親爺はアル中で経済能力もなく、子供から見てワガママな
戦前男子でしたが、妙にヤセガマンのところがありました。
物資横取りの話をもしも父にしたら怒るでしょう。
「リクツはない!イケンもんはイケン」
もちろんAさんとは仲たがいなどありえなかったハズです。
たぶん「あいつはあいつ」
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