甘味をつけるな

2013-09-27 18:33:35 | 食べる
甘味という感覚は味覚の中でも強く
物を食べると、先ず、甘味が口を支配します。

人間は舌の先端で甘味を感じますからね。

砂糖などが自由に手に入らない時代は
甘さが御馳走でした。
人工甘味料だって大威張で通用していましたね。

サッカリン、子供のころによく出会ったものです。
独特の嫌な後味があってね。

天然の甘味料だって甘さがすぎると嫌味になります。

悪口でいうところの「田舎料理」
ドバっと砂糖が入った煮もの・・

砂糖の強さで、料理の腕も、素材の状況も、味付けも
みな吹っ飛んでしまいます。

甘くしておけば味が誤魔化せるのですね。
昔の魚缶詰の多くは味付け品で、甘っま~い、
食えませんでした。

今は良くなりましたねえ。


うちのカミサンは魚の煮付を作ってくれません。

結婚当初、作ってくれた煮付を一口食べた私が
「あまいなあ」

常識的な味にしてあるのに文句を言った・・

「だったら、ツクンネっからな、ええべ・・」

・・とほほ、女性は強い。。。。


戦前、羽振りがよく、戦後没落した祖父母の下に
預けられていたことがあります。

尾道で今でも有名な蒲鉾屋まで、使いに出された事は
以前も書きましたね。

祖母の脚には少し遠い場所であったのと
没落した買い物の様子を恥じたのと
二つの理由で私に行かせたのでしょう。

オセチ用の、上の蒲鉾、
「薄くなってしまったねえ」
厚焼
「なんで甘くなっちゃったんだろう」

・・・この店も落ちた、との嘆きです。

瀬戸内の良い材料が獲れなくなっていたのでしょう。
昭和30年代。

あと、この店で甘くていけないもの。

てんぷら(揚蒲鉾)の「柿天」

今でも尾道名物ですね。

これが甘くていけません。
味を誤魔化す代表例ですね。

天然の良い素材、人工物無添加、と宣伝してありますが
「甘くして、油で揚げ、味を胡麻化している」ことは
HPのどこにも書いてありません。
当たり前ですが。

好き嫌いですから、文句を言うわけではありません。
絶対評価としての悪口でもありません。

問題は、こんなものばかり世の中に広まると
この「妙に甘く誤魔化した味」が人々の標準に
なりはしないか、ということです。

「嗜好だから良いだろう」・・ですか?

活きのよい物の味が分からなくなって良いのですか?

本来の味を知らずに、健康になれますか?

味を知らない子供達は、大人の犠牲じゃありませんか?


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