美味+買得→秘密

2014-11-14 16:44:00 | 食べる
尾道で美味、と一般に言われているもの
ラーメン=朱華園、蒲鉾=桂馬、瀬戸内料理=青柳、など
他にもいくつもあると思います。

私はこれらが分からない。
「不味い」とまでは言いませんが
再び食す気にはなれないのです。

「名物に旨いものなし」なのかなあ。


赤い色を指してみんなが「赤い」と言います。

けれど同じ言葉を使っているだけで、
頭の中で見えている色は、はたして同じと言えるか?

脳を調べて「同じ波だ」といっても問題は解決しません。

同様に「美味い」と言っても何をどう感じているのか
他人さまには分かりませんね。

その上、味覚には文化が大きく関わります。

日本人でも戦後すぐチーズを食べられませんでした。
「あんな臭い、石鹸みたい味がする・・」

反対に外国人が味噌汁とか納豆が苦手らしいですね。

関西人は関東のウドンが食べられなかった、
私が若いころの話です。

さほどにばらばらですから、朱華園が美味い人も
おられるハズで、私とは好き嫌いが違うだけ、かも。


桂馬の蒲鉾、テンプラは好みません。

一度ブログに書いたと思いますが、私が幼いころ
瀬戸内の魚がどんどん獲れなくなり、桂馬の蒲鉾が
薄っぺらいものに変わりました。

追いかけるようにして、味が落ちた。

魚の味が減り、混ぜものが増え、甘味料で誤魔化し
繋ぎも増え、歯ごたえがなくなりました。
店の回りは、どこか安っぽい油の匂いで満ちています。

桂馬としても生き残りを掛けたのでしょう。
他人がとやこう言う権利はないのかもしれません。
しかしお蔭で瀬戸内の味が一つ消えました。

そして、その不味いものが尾道の伝統食品として
売られています。
これを美味いと思わされている人も増えているでしょう。

日本のあちこちでもこういうことが多いのではないか。

売れる商品の傾向が変わると、お店も迎合します。
不味い味が拡散する・・
昔ながらの本当に美味い味がなくなるのです。


小さな店を見つけました。

ヒラ天などを少しだけ売っておられます。
愛想のよいオバチャン(お婆ちゃん?)が店番。

大体の商品が一つ90円!!!
小ぶりとはいえ、安いじゃありませんか。

店の中は清潔、簡潔。
何より蒲鉾臭くない、近頃これは珍しい。

帰宅しさっそく戴きました。

「美味い!」
懐かしい本物の味です。

しっかりとした歯ごたえ、滲む鮮度の良さ、
油臭くなく、もちろん甘味料の甘さはありません。

まだ、こんな店が生き残っていたとは。

地元の人の秘密のお店でしょう。

私も、場所、名前、その他申し上げません。
教えてたまるか。