橋下・文楽=戦争

2012-07-14 08:51:06 | 塾あれこれ
住大夫が倒れたそうです。
高齢で、橋下とのバトルに心労が重なったのでしょうか。

その語りは世界的な寶ですから気遣われますね。

橋下・文楽=戦争で決定的に大切なことは
文楽が世界的に評価の高い、日本文化の基礎を担う
大変な宝で、その性質上、途切れることの許されない
ものであるということを押さえておかねばなりません。

だから橋下が悪い、なんて話じゃないのでね、ヨロシク。


60年代、浄瑠璃の名人が活躍されていたころは
文楽も活気があったハズですね。
(広島の少年には分からなかった)

そんな私でもNHKのラジオやTVで八世綱大夫とかを
聞いていますから、人々の支持が大きかったハズです。

綱大夫の前には山城少ジョウなんて超名人もいましたね。

たしか綱大夫が早めに亡くなり残念だった(少年の私でも)

あとは越路大夫ですが子供には少し柔らかすぎた印象です。
その彼も21世紀早々に引退、上記の住大夫時代になるの
ですが、機械を通してしか知らない彼は、私、ジツはいまいち。

でも色々好きでなくても、彼に何かあると大変ですよね。


文楽は歌舞伎と違い実力主義の徹底した世界と聞きます。
名人の家系でも実力がなければダメ。

逆にそのことが「営業」を下に見(芸至上主義)
新しい人的資源の投入に欠ける方に向かわせたようです。

何しろ、死んでしまいそうな厳しい修行、
演ずるのに必要な体力も尋常ではありません。
「今の若い子」がそんな世界に飛び込みますか?

あれよあれよと衰弱する文楽を途絶えさせてはいけないと
さまざまな支援がなされたと聞きます。
公的な資金援助もその一つです。

これを途絶えさせるわけにはいかないのです。
日本文化として、また世界に誇れるものとして。

そうやって援助もあり少しずつ文楽も生き延びています。
その経緯を無視して、いきなり「切ります」は酷だよね。
お爺さん倒れちゃうよ。

第一、全体のために使う税金であって、市長の好き嫌いで
何でもできちゃうものじゃないでしょう。


確かに橋下さんの言われる事実もあるのでしょう。

改革をしなければならない。
営業努力も必要。
現に盛りあがっていないのだから、ただ税金投入とは
いかないという話も理解できます。

ただし、そのことと、補助を出さないのとは次元が違う話。

橋下はいつも無理やりセンセーショナルな花火を打ち上げ
ますが、場合によっては危険ですね。

封建的だからつぶせ、とはいかないし
急に改革といってもカジをきりづらい世界もあります。

(放っておいてよい、ではありませんので念のため)

高級な文化は不要、ともいえないでしょう。
文化って、高級なもの・高価なものもたくさん含むのだから。


文楽程度を楽しめない現代人にも問題があります。

面白いのに。

多くの人が、ハートを解放することが下手で、固定観念が強く
さまざまな文化への勉強不足、があります。

外国語学習の際、自分のアイデンンティティを大切に、
自分たちの文化を知ろうって言われてますよね。

日本文化に親しむのは子供たちだけでいいのかなあ?


市長ってのは、(政治家に置き換えても良いけれど)
どこの市でもときおりヘンなことを口走ります。

人間国宝中の人間国宝がそれで倒れたのじゃなきゃいいけど。

先日、NHKのTVで今年四月の公演を流してくれました。
住大夫さんお元気で迫力ある舞台を勤めておられましたが。。