秋は何色?

2007-10-18 10:21:25 | 塾あれこれ
銀杏の黄色ですか?
柿の葉色
名月の銀色
透明
コスモスの七色

気障に豊穣の色、とかフランス色とか。

初秋と晩秋とでは大きく違いますし
時でも場所でも違うでしょう。


誰かに聞かれた時のための答えでキザな方は
能衣装の色。

演じて最後、再び橋掛かりから揚幕へ向かう
鮮やかで静かな色、色。
充足、そして、はかなさ。

春は色が前に出てきます。
秋は向こうへ去っていきますね。
色が落ち着いていて沈んでゆく。

現代の色使いは春夏
江戸時代までの日本は秋。

襲で好きなもの、秋は
「菊がさね」白と紫。
あるいは「落栗」蘇芳色と香色。

いったいどんなデザイナーがいたのかしらん。


子供に色を聞かれると説明ができません。
聞かれなくても国語で出てくると困ります。

檜皮色(ひわだいろ)
木の皮の色で済ませますか?
赤っぽい茶色、黄みがかった上でくすんでいる、
これで分かりますかねえ。

実際を見てもらうしかない。
普通の茶色はこう、檜皮色はこれ、とね。

音もそうですね。
ホトトギスの声、よく出てきます。
鳴き真似してもすごい声を出さねばなりません。

きょっきょ、きょきょきょ。

生徒の笑いはとれますけれども。

学校に任せず「音」を持つべきと思います。


五感を通して知ることは大切ですね。
それがないと文化が伝わりません。

今の子の感覚は多く米国のふぁーすとふーど的。
あるいは安物の日本土産。

そのうち「草の匂い」がわからなくなるかも
しれません。

とはいえ私も田んぼの稲穂の匂いや麦畠の風を
もう忘れかけています。