シャツのほころび涙のかけら

昔よく聞いたNSPのタイトルを拝借。…趣味や日常を綴っています。基本はガンバレ自分!時々覗いてみてください。

近三ビルを眺めながら…

2009-03-04 | 日常のできごと

最近、東京の神田から日本橋方面に行くことがあった。
日本橋室町4丁目の交差点の手前に、黒褐色のタイルを貼った、スッキリした建物がある。知人の会社がココに入っているのだが、昨年末に会った時、近いうちに事務所を引っ越すと言っていた。業績が悪くなり、何かと縮小するためだ。それには人員も含まれる。・・・どうしているのだろう?

ところで、このビルは「近三(きんさん)ビル」という。写真は3月2日にケータイで撮った。ビル敷地の角には↓のような案内がある。

これによると、このビルは東京都選定歴史的建物に選ばれている由緒ある建築物だ。一見すると他の建物と何がどうなの?と思われるかもしれないが、昭和6年の竣工!立派なおじいちゃんビルだ。

設計は日本を代表する建築家、故「村野藤吾」。文化勲章受章や日本建築学会賞など受賞多数。建築批評界では丹下健三とよく比較されたようだ。村野が独立して間もない頃に設計したのがこの森五商店東京支店(現 近三ビルヂング)だ。

建築当時の洋風建物は、窓の縁を立体的にし、陰影が強く出るようなものが当たり前だったのに、それに比べるとこのビルは…「モダニズム時代の影響を受けた作品」と言われる。「今も通用する先を見通した設計(オーナー談)」だったわけだ。
もちろん、竣工後何度か改修工事がなされているが、村野のデザインを残すよう行われている。着工から改修まで、一貫して竹中工務店が担当しているのも、このビルの長寿を支えている要因の一つか。

ビルは人の手によって長持ちする。そこに入る会社も人によって存在するものだが、同じようにはいかないものだ。ちょっと哀しい…。

コメント
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