シャツのほころび涙のかけら

昔よく聞いたNSPのタイトルを拝借。…趣味や日常を綴っています。基本はガンバレ自分!時々覗いてみてください。

ラムサール瓢湖

2008-10-17 | 自然・環境とか

今月28日から韓国で開かれる湿地の保護に関するラムサール条約第10回締約国会議で、沖縄県久米島の渓流など日本の4カ所の湿地が新たに登録される見通しになったというニュースを見て・・・。

登録湿地は、日本ではこれまでに33カ所が登録されているようだ。今回、久米島の他に宮城県の化女沼(けじょぬま)、山形県の大山上池(おおやまかみいけ)・下池(しもいけ)、新潟県の瓢湖(ひょうこ)の4ヶ所の登録と、すでに登録されている滋賀県の琵琶湖の対象地域も拡張する方針だという。
瓢湖はハクチョウ約5000羽が越冬することで有名。当然、同県出身の私も知っている(でも、行ったことはない。遠いしね)。出身県でのこのようなニュースはなんとなく嬉しいもの。

んで、そもそも「ラムサール条約」って何でしたっけ?とカチャカチャしてみる。
1971年にイランのラムサールで開催された「湿地及び水鳥の保全のための国際会議」において「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」が採択された。この条約は開催地にちなみ、一般に「ラムサール条約」と呼ばれている、とのこと。

既存の登録湿地には、釧路湿原・尾瀬のような湿地や、琵琶湖・宍道湖などの湖沼の他に「慶良間諸島海域」があった。何で、「湿地」なのに海が?と思ったら、そこは当然、次のような「湿地」の定義が条約にうたってあって、それに含まれるわけだ。なるほどね~と。 (詳しくはコチラのラムサール条約のサイトを参照してください。)

【定義】 湿地とは、天然のものであるか人工のものであるか、永続的なものであるか一時的なものであるかを問わず、更には水が滞っているか流れているか、淡水であるか汽水であるか鹹水(海水)であるかを問わず、沼沢地、湿原、泥炭地又は水域をいい、低潮時における水深が6メートルを超えない海域を含む。

ちなみに、「水鳥の生息地として…」とのことだが、鳥だけでなく絶滅のおそれのある動植物が生育・生息していたり、その地域を代表とする湿地なども登録される。先ほどの「慶良間諸島海域」の湿地のタイプは『珊瑚礁』、「秋吉台地下水系」は『地下水系、カルスト』、「屋久島永田浜」は『砂浜海岸』である。

ところで、3年前の第9回ラムサール条約締約国会議では、20ヶ所の追加登録を実現したようだ。それなのに今回はなんで4ヶ所なのだろう?

市民グループ「ラムサール条約湿地を増やす市民の会」は、~未だ各地の多くの重要湿地が条約登録されず開発の危機に曝されているという問題は厳然として存在しており、これらの未登録の重要湿地を一日も早く条約登録して保全していくことが必要とされます。前回に比べ、重要湿地の条約登録が大幅にスローダウンし、国内で盛り上がったラムサール条約への関心や重要湿地の条約登録推進の機運が急速に萎んでしまうことが懸念されます~

ということから、昨年1月に17ヶ所の重要湿地の登録を実現して頂くよう、『早急にラムサール条約に登録し保全すべき重要湿地の登録実現を求める要請書』を関係省庁に提出した。良瀬遊水池、霞ヶ浦、豊田市周辺、汐川干潟、吉野川河口、新舞子海岸、球磨川流域などがリストにあがっていた。

もちろん何事も一市民グループの要望がそのまま通るとは、私も思っていない。思っていないけど、重要な湿地は確かに存在し、前回の20ヶ所から大幅に減らすことも無いでしょ!とは思う。実際に、今回は4ヶ所だし。それに、ラムサール条約締約国会議は3年に1度の開催なので、向こう3年間は進展が無いことになるわけだからね。
今回の申請が何故4ヶ所なのか?答えをさがしだせなかった。どういうふうに決めているのだろう???


さて、新潟の瓢湖の話・・・瓢湖のハクチョウは吉川さんという方が、50年以上前に初めて餌付けに成功し、その後も親子に渡って保護活動に取り組んできた。そのおかげで多くのハクチョウや20種類ほどのカモもやってくるようになった。
人の手でエサを与えるのはいかがなものか!という異論もあるが、「野鳥は自力で食べ物を見つけるのが本来の姿であり、人工の給餌は自然が回復するまでのつなぎだ」と吉川さん。エサは自身で管理していた。ただ、吉川さん親子引退後、市が給餌することになったのだが…。

また、瓢湖は住宅街と水田の境にあり、地元の方にとっては「素晴らしい自然の中にいる野鳥」ではなく、「共に暮らし続けている仲間」のような感覚だという。そして、住民自ら自然観察会や植生調査などの活動を地道に進めている。周囲の水田も含めた広い環境で、生物との共生を図ることが目標だ。

いずれにせよ、瓢湖や周辺の自然が回復する取り組みを急がなければならないようだ。鳥のふんなどが湖底に堆積して、水質悪化が懸念されている。水底も上がっている。
瓢湖は国の天然記念物であり、国指定瓢湖鳥獣保護区に指定されたが、ラムサール条約の登録が、瓢湖を見つめ直す契機になるよう願い&応援しています。 (参考:新潟日報08/10/10社説) 
※瓢湖の情報はコチラに、また映像はコチラの「ライブ映像」をリンクしてお楽しみ頂けます。

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