神様がくれた休日 (ホッとしたい時間)


神様がくれた素晴らしい人生(yottin blog)

高齢社会 魚屋社会

2020年10月24日 18時46分28秒 | yottin日記
夜半から朝にかけて激しく雨が降っていた
朝からは陽も差して良い感じだったが、昼から雷雨の予報
そして予報通り、雷はなかったものの時折激しい雨になり
アラレ混じりの雨になった、今年初のアラレ

特に仕入れもないが魚市場へ行った
市場に通いだして、もう45年が過ぎた、当時は駆け出しの25歳
同じ年代も20名以上いて、父の年代も多かった
父の年代は大正一桁から、昭和一桁生まれが多くて、鮮魚商組合員も
当時は100名近くいたのだ
魚屋は地道な商売で、こつこつ働いて小さな稼ぎをためては借り入れをして
少しずつ大きな商売にしていくスタイルだった
魚屋というと一本気でまっすぐで短気で、ばくちが好きで、酒が好きで
正直でというようなイメージがあったが
当時の魚屋は案外保守的で、愛妻家で、地味で働き者が多い
だから年に一度の組合旅行は2泊で北海道へ行ったり、九州へ行ったり
今の寂しい組合では考えられないくらい派手に遊びまわった

平成からどんどん魚屋は減っていった、上がなくなっていくのに、下が
入ってこない、だから平均年齢は上がるばかり
我々年代がほぼ最後の魚屋である、だから一番若い魚屋でも50歳
我々昭和半ばが一番多い、とは言っても10数名で70歳平均だ
「おい! Kちゃん、いつまで魚屋をやる気だい?」聞いてみた
彼は私より1歳若い69歳だ、保冷車で長野県を売って回っている
「うん?なんで急に? そうだね75まではやるな...やめたらやること
ないし、すぐ死んでしまうだろうな」
「あの人見てみな、何しに来てるんだろう」
「ああ、あれは**地区のボスで鮮魚センターの社長だ、もう80は
過ぎている、若いのがやめたから毎日仕入れに来ているんだよ」
「へ~? 丈夫そうだな、負けそう」
「うん、体格もいいし若々しいし金持ちだし、負けるね」
ほんとうに理想形だ、体の動きも良い、がっしりしているし若い女店員を
二人つれて指示している」
考えてみたら、私も20代の社員と毎日働いているのだから、彼のように
80過ぎても現役でいられるかもしれない
「yottinとこの女の子はみんな感じいいね、挨拶もするし、笑顔がいい」
Kちゃんは、どちらかというと口が悪いほうだが、今日はやけにほめてくれる
「うん? 何の話だ?」73歳の組合長がやってきた
「重役出勤だね」と75歳のおばちゃん魚屋が冷やかす
「今時の社長や重役は社員より出勤が遅ければクビだ!」とKちゃん
組合長を皮肉る
「えへん! そんなことはない、かの豊臣秀吉がまだ草履とりの頃
織田信長が...」
「あああ、また組合長の講釈が始まったぞ、かえろ!」
「おや、もうお帰り? 私は今来たばかりなのに」入ってきたのは組合最年長
多分85歳は過ぎただろう、Fおばさん登場
間もなく80歳になる古い魚屋Mさんは待合室の端でカップラーメンをすすっている
みんな魚屋をやめることができない(経済的ではなく、性格的に)人たちばかりだ、仕入れをしなくても6時過ぎれば足は市場に向く
駐車場に向かったら、八百屋の最高齢おじいさんNさんが、しっかり歩いてくる、もう92歳にはなったはずだ
今も軽トラックで市内を売って歩いている根っからの商売人だ
わたしなど、まだまだひょっこだ、「若いくせに遊んでいる暇はないぞ、ばりばり働け」、たまに80代に発破をかけられる
72歳で引退なんて言ってた自分だが、だんだん信念が揺らいでいく、きっと働き続けるんだろうな