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【1009/204:救命救急】地域格差 重症搬送に1時間超、受け入れ病院が偏在/県調査

2010-09-25 23:37:48 | Weblog
 ◇大津5%、高島は46%

 県が救急車による重症患者の搬送時間を調べたところ、高島市消防本部管内では2台に1台が病院到着まで1時間以上かかっていることが分かった。医師不足を背景に重症患者を受け入れる病院が偏在している実情があり、救命救急医療に生じた格差が浮き彫りになった。【安部拓輝】

 県内八つの消防本部・局が08年にまとめた搬送集計表を基に、救命救急の専門医らに解析を依頼。1年間の救急出動(夜間除く)の中から、事故などによる重傷患者や脳こうそくなどの緊急で高度治療を要する症例を抽出した。

 報告書によると、県内の重症搬送は出動総数の約3%にあたる1428件。このうち、出動から病院到着まで1時間を超えたケースが152件あった。高島市では37件のうち45・9%にあたる17件に上り、湖南広域消防局は252件中6件(2・4%)、大津市消防局は178件中9件(5・1%)だった。

 総務省消防庁などによると、救命効果を高めるには症状の覚知から1時間以内に治療を始める必要があり、搬送時間は30分が目安。高島市消防本部の職員は「これでは救急車と呼べない」と訴える。

 県内で30分を超えたケースは591件。消防本部別では、愛知郡90%▽高島86%▽東近江85%▽甲賀83%--と続く。一方、総合病院(県内4カ所)内にある救命救急センターに近い大津、湖南、湖北では30分超の出動は40~60%台にとどまった。

 報告書をまとめた済生会滋賀県病院の塩見直人救急科部長は「救急搬送している間に症状が悪化したケースもあり、救える命に地域格差が生じている。偏在する医療資源を効果的に運用する態勢を早急に構築する必要がある」と指摘している。

【関連ニュース番号:1009/185、9月23日;1009/139、9月16日など】

(9月25日付け毎日新聞・電子版)

http://mainichi.jp/area/shiga/news/20100925ddlk25040452000c.html


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