Tears

彼に別れを告げられた夜私はほとんど一睡も出来なかった。
暗くなってはいけないと、とにかく涙を見せずに明るくいようと思い、
泣きたいのを必死に堪えて翌日会社で何事もなかったかのように
振舞った。
でも帰り道会社を出て1人になった途端、勝手に涙が溢れてきた。
電車に乗ってもそれは止める事が出来なくて、ハンカチを握りしめ
ながらずっと下を向いて流れる涙を押さえながら帰った。

最寄り駅に着いていつも行っているスーパーまで行く気力がなかった
ので、駅前のコンビニへ寄り子供のおやつと牛乳等を買った。
お金を払いぼーっとした頭でしばらく歩いていて、ふと明らかに買った
商品とお金の額が違う事に気付く。慌ててレシートを見ると5品買ったのに
3品しか打たれていないではないか。
私があんまりヨレヨレで同情してくれたのか、その顔に驚いて打ち損なった
のか（笑）
実際には新人のレジのお姉ちゃんがミスをしただけなのだろうけれど、
何となくその時「これで元気出せよ～。」と励まされた気がして、1人
泣き笑いしつつ家路へ向かった。

今思えば悲しい時は思いっきり泣けば良かったのかもしれない。
でも涙を流してはいけない気がして、ただひたすら自分を抑えた。
悲しみに浸っていてはダメ！と。
今もまだ胸は苦しい。
胸が痛くて息が出来ないなんて事が本当にあるんだって初めて知った。
でも仕方がないよなぁ。フラれたばっかりなんだから。
辛くて当たり前。
だけど、昨日より今日、今日より明日は涙を減らしたいと思うから。
涙は心の汗だ～！（古っ）とか叫びつつ、少しずつでも笑顔に変えて
行きたいと思っている。