2月13日(金)18時から世田谷区民会館ホールで
「発達障害者の就労を考えるシンポジウム」が開催されました。
その報告で~す。
UNIのセンター長さんをはじめ、どのパネリストのコメントからも支援者への熱意が感じられました。
(以下はプログラムです)
(1)世田谷若者サポートステーション〔サポステ〕
〔サポステ〕は 世田谷区以外の若者(15歳~39歳)でも利用出来ます。
個別相談を中心に体験重視の各種プログラムを組んでくださいます。
例えば、ビジネスマナー、高齢者介護体験、農業体験、清掃体験等を経て、
自分の特性を知ることが出来ます。
少し前までひきこもり、不登校、中退、ニート、フリーター、直前まで正社員などなど、
自分が見えなくなってる人、誰かに悩みを聞いてほしい人・・・etc.
「迷える若者」は気軽な気持ちでドアを叩いてみよう!
(2)発達障害の専門支援機関との連携 → アセスメントや心理検査(WAIS受検)
〔サポステ〕で、就労や自立につながらず滞留している若者は、
専門機関を経た後、自己認知促進プログラム〔みつけば〕を紹介されます。
(3)自己認知促進プログラム〔みつけば〕
〔みつけば〕では、「障害に気づく」とか「障害を見つける」とかではなく、
ピアサポートによるワークショップ形式(10名程度)で、
同じ境遇の人や仲間との座談会から、自分探しをしていきます(自分の個性を知る)。
①<あるある話>で盛り上がり、人知れず抱えている不安を、皆でシェア!
*言語化が出来なくて、自分の意志を伝え難い
*時間経過の感覚がなく、時間管理が出来ない
*感覚が凄く過敏で他人には分からない辛さがある
・蛍光灯の「ジー」という音が苦手
・気圧や温度差が体調にすごく影響する
・満員電車がなぜか、苦しい・・・etc.
②「なんだ!自分だけじゃなかったのか~(笑)」と思えば、不安も解消。
「じゃあ、みんなはどんな工夫をしてるの?」とアイデアを出しあって解決しちゃう!
③〔みつけば〕では、負の体験をほぐして、何がネックだったのか明確化。
その上で、HAPPYな体験を積んで、自己肯定できるプログラムを設定してるそうです。
④そして、〔みつけば〕から「サポステ〕にフィードバックして、就労専門機関の〔ゆに〕に繋げる。
(4)就労支援センター〔UNI〕
注:世田谷区民で障害者手帳を持っている方のみのが対象です。
就労支援センターでは、ハローワークでは出来ない支援が期待できます。
・フレキシブルできめ細やかな対応と継続的な就労支援
①自立訓練(生活訓練)
②就労移行支援
③就労継続支援B型
(5)企業(進路決定)
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(ガラ携で撮った超ピンボケの写真ですが、会場の様子です)
●今回、発達障害のある当事者Aさんの参加もあり、そのコメントがとても印象的でした。
就労への第一歩は、Aさんのお姉様が、半ば強引にサポステに行かせたことがきっかけだそうです。
最初、Aさん、ご本人が〔みつけば〕に参加した時、
参加した理由を「〔サポステ〕の○○さんに猛プッシュされたから」と、他人任せ的な心理だったようです。
が、最終的には、ご本人は、企業での自分の役割に自信を持つようになり、
「仕事が楽しいと感じている」とおっしゃっていました。
Aさんの生の声を聞いて、より就労支援の大切さを実感しました。
●また、企業の障害者雇用への取り組みも大事な鍵となります。
企業では、障害者らの離職率が高いことが問題になります。
この企業でも、当初は定着率が18%と低かったのですが、
障害者が働き易い環境を整え、職域を開発し、
管理者と現場で協力して業務サポートしていく体制へと方針転換していきました。
結果として、現在は障害者の雇用率が2.14%、定着率75%へと向上したそうです。
これは、支援スタッフの粘り強いサポートと本人の努力、
そして、企業の障害者雇用への取り組みが、三位一体となっての賜物です!