「トゥレット友の会」ブログ         ~トゥレット症(チック症)に関する情報発信と活動報告~

「トゥレット友の会」は、トゥレット症(チック症)の啓発と、  患者やその家族への支援を目的としたボランティア団体です。

チックの治療法ーNo.1 薬物療法

2018年09月24日 | トゥレット(チック)症の治療法

No.1 投薬治療

薬物療法が主な理由
ヨーロッパではチックの治療法として、投薬や認知行動療法が主流ですが、
日本では、投薬治療が圧倒的に多いでしょう。

理由としては、以下が考えられます。
①投薬の効果が短期間で分かること
 早い患者さんですと、数日で効果が見られます。
 徐々に効くお薬でも、3週間~1か月で効果が出ます。

②患者が受診しやすいこと
 受診先は・・・
 💙大人:精神科、脳神経内科、心療内科。
 💙小児:小児科(発達相談の診察ができるところが好ましい)・
     小児神経科・児童精神科・子ども発達クリニック

従って、多くの患者さんが最初にトライする医療は投薬治療になることでしょう。


◆どこの医療機関で診てくれるの?
NPO法人日本トゥレット協会のオフィシャルwebサイトの【医療機関】で、
「トゥレット症」を診察できる医療機関(全国版)の一覧が見れます。

但し、これは、全国の病院にアンケート調査を行ったところ、
「トゥレット症候群の患者さんを診ますよ」と回答があった病院名です。
必ずしも、名医だとか必ず治るという確約はありません。

トゥレット症の患者を診た経験がない医師であっても、
患者さんの声を真剣に聴いて、トゥレット症のことをちゃんと調べ、
その患者さんにあった薬を真摯に探そうとしてくださる医師であれば大丈夫です。
チックの処方薬情報は、どの医師でも知り得ることが出来ます。

大事なことは、医師の治療に対する熱意💛や相互の信頼関係💙でしょうか・・・(^^)

◆投薬の効果は?
多くのお医者様は、ドパミン系に作用する薬を処方されますが、
近年ではドパミン系以外にもセロトニン系、グルタミン酸系、GABA系などが検討されており、
最近ではヒスタミン系も注目されているとの報告があります。
薬も、日々、進化していますので、期待したいところですね~!

投薬効果は、個々によって違います。
Aさんには効いたけども、
Bさんには、少しも効かないということもしばしばありますが、
最初の薬が効かないからといって、投薬治療を諦めるのは早急です。
投薬はいくつかタイプがありますので、焦らず、試されることをお薦めします。

もし、半年~1年以上経っても効果が全く見られないのに、
同じ薬しか出してもらえないようでしたら、転院することも1つの策です。
お医者様によっては処方する投薬内容に偏りがあることもあるからです。

また、薬の内容によっては、指定医師でないと処方出来ない薬もありますので、
お医者様にご相談なさってみてください。


◆副作用は?
投薬の場合、副作用が全くない方もいれば、
逆に副作用の方が重くて投薬治療を断念される方がいらっしゃいます。

主な副作用は
眠気と気力低下・だるさが多いです。
その他、
ドパミン受容体遮断薬など、薬の種類によっては
アカシジアや手の震え、眼球が回るといった副作用もあり、
その副作用を抑えるための投薬がプラスされるといったこともあります。

勿論、お医者様は副作用も理解した上での処方ですので、
違和感を感じたり、違う症状が出てきた時は、直ぐにお医者様にお伝えしましょう。
副作用が出た場合は、相談しながらの投薬になりますね~。

◆投薬効果の曖昧さ
投薬効果は個人差があり、その効果は、概ね5~6割とも言われています。
残念ながら、投薬効果が見られない患者さんもいるということです。

患者さんが成長期の場合、12歳前後は脳神経細胞の成長が最も活発化します。
それに伴い、チックが顕著化するため、投薬効果が追い付かないのかもしれないですね。

会員さんからも、
「最も悪化する時期は、何をしても効果が見られなかったけど、
試行錯誤しながら生活しているうちに
年齢的に落ち着いたのか?薬が効いたのか?何が効いたのか分からないけれども、
高校の頃には、落ち着きました」という話をたくさん聞きました。


◆チックのアップダウンは日常的!
また、神経疾患という特徴から
目に見えない要素が、症状を悪化させたり緩和させたりもします。

ストレスがチックを悪化させることはよく知られていますが、
・新学期移行時の緊張感。
・行事前の興奮、行事後の疲れ。
・仕事の疲れ。
・気圧の変化。気温の変化。
春などは前線の動きが活発なので、
自律神経のバランスが崩れ、
神経疾患でもあるチックの患者さんは大変で~す。
(勿論、個人差があります)

このように、
チックは目に見えない要因で悪化したり緩和したりすることが多いですので、
薬の効果に一喜一憂しないで、「そのうち治る」くらいにゆったりとした気持ちで
治療に当たっていくことも大切ではないかと思います。



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