BSE&食と感染症 つぶやきブログ

食品安全委員会などの傍聴&企業・学者・メディア他、の観察と危機管理を考えるブログ by Mariko

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危険部位の完全除去が無理な理由「スタンニング」&米国牛:シカのプリオン病評価は?

2005年08月02日 12時12分01秒 | アメリカ牛は安全か?
■危険部位の完全除去が無理な理由→スタニングによる内部からの肉の汚染

農水省からの回答:新聞の小澤義博氏のコメントは事実ではない
http://blog.goo.ne.jp/infectionkei2/e/1e5d80abffdda8a01939e2ab7e9e8d02
でも紹介しました、危険部位の「完全除去」ができるわけがない、という常識的見解ですが、他にもスタンニングという問題があるとのことなのでご紹介いたします。

山内一也先生の講義から(論文はURL参照)

「SRM 除去以前の屠畜段階でのスタンニング(気絶法)、ピッシング(脊髄破壊法)、背割りの際にSRM が食肉に混入することによるリスクも考慮しなければならない。スタンニングによるリスクは、スタンガンなどで神経組織が破壊されて血液中に塞栓を形成し、放血が始まる前の数十秒の間に血液を介して心臓、肺さらに食肉部分に運ばれる可能性である。スタンニングは主に空気注入法またはスタンガンで行われるが、神経組織固有のマーカー蛋白を用いた実験により、空気注入法がもっともリスクが高く、ついでスタンガンとピッシングの併用、スタンガンの順にリスクが低くなるとされている(2, 3)。最近では、マーカー細菌としてPseudomonas fluorescens を用いた実験で、スタンガンのみでも食肉の多くの部分に広くマーカー細菌が広がることが報告されている(4)。この成績は、とくにBSE 検査で陽性になるレベルにまでBSE プリオンが蓄積している場合には、スタンニングによりヒトへの感染を起こしうる量のBSEプリオンが食肉に混入する可能性を示唆したものである。このリスクはSRM除去のみでは除くことはできない。BSE 検査により陽性のウシをすべて食用から排除することは、この面でも重要である。」
http://www.anex.med.tokushima-u.ac.jp/topics/zoonoses/zoonoses04-161.html

ここで注意せねばならないのは、スタンニングによって、当然、肉だけでなく「血液も汚染される」という可能性です。牛の血液を牛の飼料として許可している米国は、すぐに改善いただきたいということです。

また、飼料管理が悪ければ「20ヶ月の発症牛」も存在するということを忘れてはなりませんね。

ところで、28日(邦訳29日)のProMEDで、日本のBSEの感染源として、油脂汚染の問題が世界中の科学者に配信されていました。日本ではあんまり報道されませんね。どうしてでしょう?米国牛の汚染評価に必要な内容ですが。
http://www.forth.go.jp/hpro/bin/hb2141.cgi?key=20050729%2D0030
http://www.promedmail.org/pls/promed/f?p=2400:1001:4688316381019864935::NO::F2400_P1001_BACK_PAGE,F2400_P1001_PUB_MAIL_ID:1010,29865

■米国牛の評価項目に、シカの狂牛病(CWD)や油脂、血漿蛋白飼料が入っていないのは何故?

本日のプリオン専門調査会ですが、シカのプリオン病(狂鹿病=CWD)の話は一切でませんでした。

国会での参考人質疑や代用乳の中の油脂や血漿蛋白の汚染の報告などは、事務局さんは知っておられますが、公開審議では無視されてました。なんで?(^^; 
米国の侵入リスクにも、肉骨粉や生体牛は入ってましたが、動物油脂はなぜか「オランダ産」のみだけがUPされていて、しかも米国カナダの欄にゼロ、と書いてありました。血漿蛋白については侵入リスクの表にさえ入っていませんでした。他国からの油脂と血液の侵入リスクについても、評価対象に入っていません。

ともかく、米国の汚染度を評価するのに、シカの狂鹿病の蔓延やミンク脳症の問題が評価項目に入っていないのは、おかしいようですね。以下の議事録をご参照。

山内委員:それで先ほどの議論でも出ていたのですが、結局それぞれの国が自分の国のステータスを決めるのは、その国が決めるだけではなくて、輸入国の方がちゃんと要求できるのだという説明がありましたが、それはこのコードの中にちゃんと書いてあるのでしょうか。
川島衛生管理課総括:一般的にS P S 協定、こういったものの枠組みの中での基本的な共通認識というふうに理解しております。
吉川委員:このカテゴリーの基本になる侵入リスクと暴露リスクに今度分けてパワーポイントの6 の方に示してありますけれども、その侵入リスクの最初の原文もそうだろうと思う。T S E ( 伝達性海綿状脳症)因子の存在の有無というのは、これはB S E に限らず、スクレーピーも、シカのやつもみんな入るという考えでいいのですか。
釘田衛生管理課長:そうです。
吉川委員:そうですね。
北本委員:もう1 回確認したいのですが、C W D ( 慢性消耗性疾患)は本当に入るのですか。
釘田衛生管理課長:ええ、ここの侵入リスクの評価の項目として、C W Dも考慮すべきものとしてここでは含まれていると理解しております。
http://www.maff.go.jp/soshiki/seisan/eisei/bse/h170408gijiroku.pdf

農水省さんの回答だと、食安委から依頼があればCWD情報を出すとか言われてたけど、農水省さん自身が「侵入リスクの評価項目としてCWDも考慮すべきもの」と発言されてます。ぜひ資料を提出いただきたいです。

(笹山登生さんの情報)
「侵入リスクの評価」として、「TSE因子の存在の有無。存在する場合、サーベイランスの結果に基づいた有病率」となっており、そのTSEとしては、スクレイピー、BSE、ミンク脳病(TME)、猫脳病(FSE)、CWD、人間のKuru、クロイツフェルトヤコブ病、ゲルストマン‐シュトロイスラー‐シャインカー病vCJDがあるということですね。
http://www.aphis.usda.gov/lpa/pubs/fsheet_faq_notice/fs_ahtse.html

食安委:資料と議事録は下記にUP予定
http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/index.html
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3 コメント

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Unknown (シニョーラ)
2005-08-04 12:58:25
marikoさん当ブログへのコメントありがとうございました。



早速marikoさんのブログ拝見させてもらってます。ずばっと切り口が核心をつき専門的(当方詳しくはないのですが)意見だなあと感心。



その道の方じゃないとなかなかこういう抜粋もできませんよね。



以前から不安に思ってたことが指摘されており改めてもっと多くの人にBSEをはじめ食に関する危機管理について関心を持ってもらいたいと切に思いました。



以前オランダ本社の飼料会社とご縁がありパーチェイサーの方より日本の飼料のトレーサービリティの未熟さを嘆きを聞き驚きましたが、今思えば業界全体ひいては政府においてもその風潮の中にあると感じます。

さらには専門家も癒着してんのかなあとかいろいろ勘ぐってしまいます(そうでない方見てたらごめんなさい)。



旦那は早く吉野家の牛丼が食べたいと嘆いておりましたが去年の副産物協会の方は今年の秋頃には輸入再開されるでしょうと楽観的に発言されてたのも気になりましたしね。



国民一人一人にポータブルリスクスケールなるものが普及したら変わるんでしょうねーと夢みたいなことを思いながら、またちょくちょく拝見させてもらいますね。



ではでは☆
スタンニングしないことを要求 (HOOP)
2005-08-18 17:40:45
米国は16日に公表した日本産牛肉の輸入を再開する条件として、スタンニングを行わないことなどを挙げていますね。
牛肉の環境面での影響 (肉食再考委員会)
2005-08-19 15:04:15
食肉の安全面の心配がされている昨今ですが、

畜産が環境に及ぼすネガティブな影響にも注目していただきたいと思っております。

http://japanesefood.blog14.fc2.com/

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