最新の都道府県別の平均寿命で、滋賀県の男性が全国1位、女性が4位となり、一躍「長寿県」として注目を集めている。長生きなのは喜ばしいが、滋賀は他府県と何が違うのか。滋賀の取り組みから平均寿命を延ばすヒントを探った。

 「フナずしは関係ないですよ」。そう苦笑しながら教えてくれたのは滋賀医科大の三浦克之教授(公衆衛生学)。平均寿命の都道府県差には、死因の上位を占めるがんや心臓病、脳卒中で亡くなる人がどれだけ少ないかが大きく影響するという。

 滋賀の場合、脳卒中の脳血管疾患で亡くなる人の少なさは男性で全国1位(京都4位)、女性で2位(同8位)がんも男性で2位(同14位)、女性で14位(同21位)と突出。直接的には主要な病気の死亡率の低さが平均寿命を押し上げていると指摘する。

 では、なぜ脳卒中やがんでの死亡率が低いのか。三浦教授が強調するのは「塩とたばこ」だ。塩分を多く摂ると血圧が上がり、脳卒中が増える。滋賀の食塩摂取量の少なさは全国で男性5位(京都27位)、女性7位(同15位)。多くのがんの原因となるたばこの喫煙率も男性が全国最低の20・6%(同28位、30・6%)だ。県民の肥満度や飲酒量の低さなども特徴的で、「全体的に健康的な生活をする傾向があるようだ」と三浦教授は読み解く。

 とはいえ、ある日突然「健康県」になったわけではない。「他府県に先駆けて健康に取り組んだ分、早く成果が現れているのかもしれない」と話すのは滋賀県衛生科学センターの井下英二所長だ。

 県は1986年から「健康・栄養マップ調査」を行い、地域ごとの食生活や健康状況などデータに基づいた対策を展開。94年には県民や企業も加わる「健康づくり県民会議」を設置、健康推進員を中心とした減塩運動なども合わせた底上げが効果を上げているとみる。

 たばこ対策でも、2001年に男性喫煙率で「半減させることが望ましい」と踏み込んだ目標を設定。反発も大きかったが、学校や飲食店も巻き込んだ対策を進めた結果、当時小学生だった30代を中心に喫煙率の低下がみられるなど「世代を超えた喫煙対策が進んでいる」(井下所長)という。

 ほかにも、滋賀で市町村合併が進み、市町の規模が拡大して保健師の連携体制が充実した点や、県民の所得格差が低いことなど、間接的な影響が推測される要因も多い。国調査の行動者率で、滋賀がボランティア(全国1位)やスポーツ(4位)、旅行・行楽(5位)、趣味・娯楽(6位)と上位に入る活発さも特徴的で、健康さが質の高い暮らしにつながり、さらに健康になるという好循環にも期待が寄せられている。

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1965年には、平均寿命が男女とも全国30位程度であった滋賀県が、いまでは男性1位で、女性4位です。たいしたものだと驚嘆してしまいます。

特に驚かされるのが、男性の喫煙率が2割しかないことです。すばらしいとしかいいようがありません。

喫煙と塩分の摂りすぎで血圧を上げて、脳卒中になるのでは、悲しすぎます。タバコは吸わず、塩分もほどほどにして、元気で長生きが最高です。

実際、滋賀県民は行動力も全国トップクラスです。楽しい人生を送っておられるようで、うらやましくなります。

禁煙条例設定でもめている東京都など、滋賀県を見習う必要がありそうです。