はいくでハイク

個人的な俳句日記です。

山眠る

2016-01-27 15:27:07 | Weblog

 

  寄り添ひて故郷の山眠りけり    稲葉朱灯

 四方を山に囲まれた住民3000人ほどの田舎の町に住んでいるのだが,何か不自由があるかといえばなにもない。生まれてこのかた80年暮らしているが、おおむね満足している。

 というのも距離的には県庁所在地の市街地へ車で10分というところなので、何もこれといって困ったことがないからである。

 降雪の意外に多い地域でもあるのだが、除雪対策がととのっていて 早朝7時ころにはメインの県道は除雪されていて、めったに日常生活に困ることがない。むしろ市街地のほうが混乱していることが多い。

 今年は記録的な暖冬で、1月の20日ころまで全く雪の気配がなかった。むしろスキー場の困惑を思って同情的な気持ちでいたものだ。

 ところが、20日すぎになって全国的に大寒波がきて、九州や沖縄まで雪の被害がでてしまった。

 いま周りの山々はすっかり寄り添って深い眠りにはいっている。

 

  1016/1/27  vol、250

 


走り萩

2014-09-07 17:15:05 | Weblog


  久々に訪ひし菩提寺走り萩   稲葉朱灯

 福井市民憩いの場、足羽山公園の麓に福井藩主
松平公の菩提寺である瑞源寺がある。長い間荒れ寺
に近い状態であったが、市の史跡として数年前から
整備がすすみ、面目を一新した。

 もともと萩の名どころとして市民に愛されて来たが、
住職や界隈の門徒の肝いりで手入れが行き届き、見事
な萩の名所として復活してきた。

 カメラ好きもあって訪れてみたが、山門をくぐると
新涼の風に吹かれて、すでに走りの花をつけていた。

 毎年盛りのころに盛大な萩祭りがおこなわれるが、
福井市民の憩いの場としても人気スポットとなって
いる。
  



  2014/9/5   Vol.  204







落ち蝉

2014-08-18 20:32:53 | Weblog

 落蝉や蟻の弔ひ続きをり  稲葉朱灯

 夏の象徴 蝉時雨がいま盛んである。今年の夏は異常に
天候が不順で、各地でとんでもないゲリラ雨の被害が発生
しているが山間地に住むものにとっては人事ではない。

 話しはかわるが、短い一生を鳴き果せた油蝉が木の根の
近くに落ちていた。よく見るとその骸の廻りにたくさんの
蟻が群れている。

 もちろん蟻にとっては天から授かった貴重な食物なので
ある。細かい土で土塁を積むように盛り上げている。

 それがさながらお弔いをしているように感じられた。
勝手な人間の想像ではあるが、自然界の掟もそのように時
をきざんでいるのであろう。

 
  2014/08/15  Vol, 203
 

朝顔

2014-07-04 16:39:26 | Weblog


   アンテナのごとく朝顔花ふやす  稲葉朱灯

 今年はどうも天候が不順で局地的なゲリラ雨が降ったり、先週には東京方面で観測史上に例をみない、超大型のヒョウが降るさわぎがあった。気温も異常に高温になったり冷え込んだり、とても過ごしにくい陽気になやまされている。

 それでも我が家の朝顔はうまく育ってくれて、このところ花を付けだした。窓際にネットを張って這わせてあるのだが、日ごと花の数がふえだした。
 それがまるでパラポラアンテナのように向きを違えているのがとてもおかしい。当分は朝が楽しい。


  2014/06/04  VOL.202  

おあそび

2014-02-05 15:10:18 | Weblog
今日はブログの練習です

はいくでハイク

2013-11-15 16:59:46 | Weblog
テスト

テスト

お水送り

2013-03-03 15:23:25 | Weblog


  神の火の天つくばかり送水会    稲葉 朱灯

 3月2日若狭地方に春を呼ぶ伝統行事「お水送り」が行
われた。小浜市の若狭神宮寺で弓打ち神事が行われ、
松明を振り回す達陀(だったん)の儀式のあと、境内で
大護摩を焚きその火を大小のたいまつに移して山伏を
先頭に 2キロほど離れた「鵜の背」まで3千人ほどの
信者で火の行列をつくった。
 送水が行われる遠敷川の鵜の瀬でも大護摩が焚かれ
参拝客が見守る中、住職が「香水」を川に流すと 奈良
東大寺の「若狭井」に届き「修二会」といわれる「お水取り」
の儀式に使われるという。
 北陸に春を呼ぶ、春一番の伝統神事である。

2013/3/3  vol, 175





 

左儀長

2013-02-11 11:11:15 | Weblog


   神の木の語りを聞きて飾焚く    稲葉 朱灯

 小さな村であるが、こじんまりした氏神さまには少なく
とも4~5百年の伝統が受け継がれており、幾つかの
年中行事が連綿と続いている。
今年も正月行事としての左儀長が行われた。ささや
かな櫓を組んで松のとれた飾りを焚くという質素な
ものであるが、境内には年代不詳のご神木が生い茂り、
神々しい雰囲気がうれしい。
大木の老杉からはどことなく氏子たちの平安を見守っ
ていてくれている雰囲気がつたわってくる。
そして会話をしてくれているように風の音が聞こえる
のは不思議なことである。

2013/2/1  vol. 174

新年

2013-01-04 14:50:33 | Weblog
 

孫ら来てくれし御慶をのべくれし   稲葉 朱灯

正月の積雪はここ2~3年続いているが、雪国ではしかたのないことと諦めて、むしろ大昔のことを懐かしんでいる。

身の回りの孫たちも成人してしまい、楽なようでもあるが寂しい環境になってきた。

年末にちょっと病気をしたこともあって、雪のなかを娘と一番上の外孫が年賀にきてくれた。

本当にうれしい思いをした。いろいろと忙しいだろうに顔を見せてくれるだけで、家族の絆を感じて涙が出る思いだ。

こうして自分は老い、世代は次に移っていくのだろうが、そのためにも健康でいなければとつくづく思う正月であった。


2013/1/4  vol. 173






枯蟷螂   

2012-11-24 16:32:45 | Weblog


  失ひしものの多くて枯蟷螂     稲葉 朱灯


北陸は駆け足で冬がやってくる。

ついこの間まで青かった草むらに、あのいかつい
顔をみせていた カマキリも周りの草が秋の表情
に変わってくるのにあわせて、枯れ色に変わって
きた。

そして枯れ草の中に動きをとめて、一生を終え
ようとしている。

元気であったころの面影はすっかり無くなって、
自分の来し方を思い返しているようにも見える。

もうすでに子孫を残して安心の表情にも見えるが
その短かかった一生の間に、楽しい思い出はあっ
たのだろうか。思い残すこともきっとある筈だ。


 2012/11/24  vol. 172