写真日記

旅は既視感の繰り返しで
明け暮れていく

窓の外を千切れたような雲が
次々に南風に吹かれて流れていく
TVニュースの天気予報があいかわらず
確率が悪いのだけど
ぜんぜん誰も責任を取ったりしない
だとすると
この天気予報はフィクションだと
ニュースの最後にテロップでも出して欲しいくらい
でも天気図を見ていると
日本中が雲に覆われている
でも東京の空は晴れている
明日は大陸のほうから高気圧がやってきて
夏みたいに晴れるって言う
晴れるなら全然問題ないけど
意外と人生は天気に左右されるということ

窓の外を流れていく雲を眺めていると
旅に出たくなる
でも玄関を出たとたんに
家に帰りたくなる

最近、A君に影響されて
新しく自転車を買ったので
東京を走り回っている
ものすごく快適で
都内では一番素早い移動手段は
たぶん自転車だと思う
新宿まで10分
箱崎まで25分
早稲田まで8分
飯田橋まで3分
水道橋まで10分
体感的に自転車時間を計測している日々

ザッセンハウスの
コーヒーミルが欲しくて探していたのだけど
この前合羽橋で見つけたら
なんと15000円もするので
見なかったフリをして立ち去った
その後に、交差点で
この写真を撮ったのだ

シャンボール城
行ってみたい遠い場所を知る
庭で摘んだブラックラズベリー
池に映って揺れているはず

偶然が空を飛んでいく

硝子壜に手紙を入れて
僕らは海に漂うのだ

夜眠れない鳥は朝眠る

御徒町を歩いていたら
ある建物の入り口に
猫が座っていました

近づいても逃げないので
写真を一枚撮らせてもらって
しばらく一緒に遊んでみました

猫癒し

道端に咲いた花が枯れているのが
美しく見えるのが東京

ネムレズニオキレズニ

いつか消えてなくなってしまうと
知りつつも解からずに
漂っているクラゲ

今、自分のしたいことを
今、自分で知っているかい？

路地から路地へ彷徨い歩く

路上で昼間から
人が倒れたように眠っている
ダンボールの布団
コンクリートに座り込んで
お酒を飲んでいる集団
薄気味悪い微笑

空を低く垂れ込めた雲

雨が降ればいいのに
洗い流してくれればいいのに

Cellophane flowers of yellow and green
Towering over your head
Look for the girl with the sun in her eyes
And she's gone 　　　　　　　――Lucy In The Sky With Diamonds

セロファンの花が
黄色やら緑色やらして
君の頭上高くそびえている
女の子を探してごらん
太陽の目をした女の子を
あれ　いなくなっちゃった

自転車が向こうの路地からやってきて
道を渡って
また向こうの路地に消えていく

Tokyoは過去から未来までが
ものすごい近い距離で
同時に今に存在している
と
どこかの外国人が言っていたのを
どこかで聞いたことがあるような気がする

でもその通りかもしれない

以前から撮影してみたかった地域を
ようやくはじめて散歩した
一瞬にして旅のように迷い込んだ
久しぶりの感覚で妙によかった

上海の裏路地を歩いたときのような感覚

なぜかポストが乱立していた