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ゴーギャン展

2009年07月17日 | 今日の写真
PAUL GAUGUIN

僕がはじめてゴーギャンに会ったのは2002年
福州から北京に向かう寝台列車の3段ベット
最上部の狭い空間に横になりながら
サムセットモームの月と六ペンスを読んだ
どうしてその本がバックパックの中に
荷物として忍び込んでいたのかはわからないけど

カメラ3台に大量のフイルムでほぼ埋め尽くされた
大きなバックパックを枕にして
流れていく窓の外の大陸の風景
北京に着いたらこのまま
飛行場まで行って
そこからタヒチに飛んでいってもいいんだな と思った
それくらいオレは自由なんだ
旅に出会い旅に別れ途方に暮れて乗り込んだ列車
どこかに向かわなきゃとただ進んでいることだけに安堵し
旅路の果てでまた途方に暮れる繰り返し
ゴーギャンを想って旅がまたはじまろうとしていた

日々は巡り巡って
いま僕はここにいる

竹橋の古い小さな美術館
午後2時の北の丸公園は太陽が照りつけている
木々の木陰を歩いていく
武道館を抜けて田安門
門の向こう側から笛の音が聞こえる
お堀の水が干上がっている
靖国神社ではみたままつりの屋台が連なり
夕暮れを待っている

我々はどこから来たのか
我々は何者か
我々はどこへ行くのか

そういうことじゃない気もするけど

月と六ペンスを読んだあと
ゴーギャンがやっぱり気になって
一時期、図書館でたくさん本を借りて
画集なんかもたくさん見ていた
でも昨日はじめて見たゴーギャンの絵は
なんだか淡く優しい感じがして
妙に安心した印象だった
確かに不安を与えるようなテーマなのかもしれないけど
それよりも優しかった
いや言葉じゃぜんぜん言えないけど

言葉を絵では表現しません

美術という文字の上で
小鳥たちが遊んでいる

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