写真日記

桜の花を観ていて
気がつくことは

花をみるということ

言葉とか話とか
内容とか意味とか
そういういろいろのことは
とにかく花の前では
邪魔で無力でちっぽけで遠回りで

ただ黙って
花をみている
ということ

それなのだ

そうか
花を揺らす風や
散り始める花びらや
などと
また言葉や文章にしようとすることすら
滑稽なのだ

旅をすることも
そういうことなのかもしれない

桜をみるということ


写真を撮るときに
もう考え終わって
無心で撮れれば
桜も写真に写る
ような気がするけど
まあそんなこともどうでもいい話

まして言葉や文章で
説明しようなんてことが
無謀な冒険なのだろうか

伝えたいってことはあるのだけど

桜の時期は
あまりに不安定で
空ろ
ヨノナカとなるべく剥離したい
誰かが言ってたけど

雨が降って
桜は散り始める

カレーライスでも食べて
笑っていたいのに