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海が輝いていた

2009年12月22日 | 今日の写真
海が輝いていた

すげーって叫びながら
僕はとりあえず
海の近くまで階段を駆け下りる

揺れる光を眺めていた
自分の瞳孔径を最小にする
絞り切れないので
手を双眼鏡のようにして
指の隙間から覗いてみる

たぶんだけど
その光は眼から僕のどこか
内側ラ辺に突き刺さる
もしかしたら
脳ミソの何処ラ辺かもしれないけど
とにかく入ってきちゃう
たぶんだけど
僕に何か作用する
薬とは違うけど作用する
力を与える
力を奪い取る
なにかは知らないけど作用する
ような気がする

すべての物事は
さまざまなことの積み重ねなので
なにがどうとか一概に言えないようなのだけど
とにかくそんな光を見ていた
浴びていた
いや眼では見ていたはず

いや
階段を下りる途中であった
猫は座ったまま眼を閉じていた
光を浴びていたのだろうか
ただ寝ていたような気もするけど

帰りがけにあった三毛猫は不思議な動きで
ボクサーがジャブを打つような動きで
眼を閉じて踊っていた
頭を撫でてあげると
うろうろと歩いた

風が吹いていただろうか


向こうの大きな岩まで
海に道ができている
飛び石を渡っていく
途中で道が途絶えていて
大波が行く手を遮る
流木が流れ着いている
それを拾い集めて
小さい順に燃やしていく
煙が海に流れていく

自らの意思で決まることなんて
まったくもってなにもなくて
すべては風まかせなんだろうね
そんなことわかってるってのに
いまだにまだ信じてるのかい
大きな空を自由に飛べるって
夢みたいな話に
一喜一憂してしまうのかい
まったく馬鹿げてるって
笑いながらまた走っていく

緑の海草が生えた石の影に
斑羽根の鳥が頭を丸くして
死んでいた
顔を斑羽根の中に隠していた
動かなかった

鳶が上空を旋回している


いつのまにか満ちていて
振り返ると石の道がなかった

階段の上のほうで
猫が座ったまま寝ていた
近づいてみても寝ていた

サヨウナラと言って
歩いて
遠くから振り向いて見ると
こっちを見ていた

海が輝いていた

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