因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

ブラジル『行方不明』

2012-11-20 | 舞台

*ブラジリィー・アン・山田脚本・演出(1,2,3,4,5,6) 公式サイトはこちら 赤坂RED/THEATER 25日で終了
 ほとんど裸舞台で繰り広げられるホラー風サスペンスドラマである。ずっと音信のなかった旧友から連絡が入る。「たまには会いたいな」。気のない返事をした。やがて男性は会社を首になり、妊娠中の妻が浮気していることを知った。おなかの子どもは恋人の子だという。最悪の状況に追いつめられて、今度は自分から彼に電話をしてみる。彼の携帯は通じなかった。気になって会いに行ったら、彼は行方不明になっていた・・・。

 ただでさえ強力な劇団員に、客演陣はおなじみも初顔も含めてブラジルワールドにぴったりとはまっており、まさに小劇場界の精鋭ぞろいである。
 しかし何だろう、このどこかしっくりしない不完全燃焼感は。

 たぶんブラジルが目指しているものの方向が、自分がブラジルに求めるものに対して変容しているためであろう。出会いは2006年12月の『恋人たち』、それから夢中になり一時は欠かさず通った。どこまでも現実にからめとられ、そこで悪あがきする人々のおかしくて悲しくて恐ろしい様相に前のめりになっていたのだ。あり得ない方向、一種のSF風に話が運ぶと、ものたりなくなるのである。

 前述のように配役は絶妙なまでに適材適所、二役のうまみもあって俳優陣は実に魅力的だ。小ネタの笑いをまぶしながら次第に深みにはまっていく様子も目が離せない。だがどこへ持ってゆこうとしているのか、何が肝になるのかがいまひとつつかめなかった。

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