因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

山本さくらパントマイム第48回公演『ハーモニー』

2018-07-04 | 舞台

*山本さくら作・演出・出演 公式サイトはこちら ザムザ阿佐ヶ谷 7月4日昼夜公演
 昨年、阿佐ヶ谷児童館で行われた「さくらさろんvol.33 クリスマススペシャルライブ」がとても楽しかったので、30年めになるという定期公演に思い切って足を運ぶことにした。ザムザ阿佐ヶ谷での観劇も久しぶりである。

 パントマイミスト・山本さくらのプロフィールはこちら。自身のパフォーマンスはもちろんのこと、パントマイムの指導に留まらず、さまざまなワークショップや、「呼吸を大切にするストレッチ」によって、からだの柔軟性だけでなく、心の解放に結びつくことを実践し、子どもから高齢者まで、幅広く伝える活動を展開しておられる。

 今回はお弟子の村上瞳をパートナーに、ハッピージョー&ノスケの音楽でオープニング含め7本が次々に披露された。山本、村上それぞれソロ、ふたりの共演、後半にはブレイクタイムとして、村上によるパントマイムのクイズもあり、老若男女幅広い観客に向けて工夫の凝らされたプログラムである。人に使われているように見せて、実は人を翻弄する「ロボット」のブラックな味わい、ことばの芸である落語を、ことばのないパントマイムで演じる山本の「頭山」には驚かされた。

 タイトルロールでもある最後の「ハーモニー」は、まったく別の場所にいると思われる二人の女性の日常生活の点描に始まる。村上は都会で働く若い女性。オフィスだろうか、店舗の勤務のような場面もある。まじめで一生懸命。ぐったりと疲れて帰宅する様子が痛々しく見えるほどである。一方、山本はどこかの地方であろう。自分のペースでゆったりと農作業に精を出す。畑から朝採りしてきた大根(たぶん)を、一本ずつ丁寧に洗って干し、大きな樽に漬物にする仕草は地に足をつけて生きる人のそれである。

 場面が進むにつれ、もしかしたら…と予感が湧いてきて、やがてこのふたりが母娘だとはっきりわかる場面からはしみじみとした優しさと温かさが溢れ、劇場ぜんたいを優しく包み込む。ハッピージョー&ノスケのギターと歌による音楽がこのささやかな物語にぴったりで、気持ちの良い一夜となった。

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