因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

2017年因幡屋演劇賞

2017-12-25 | 舞台

 感謝と喜びを以て次の舞台に。リンクは観劇時のブログ記事です。
*九十九ジャンクション 土屋理敬作 後藤彩乃演出『赤い金魚と鈴木さん~そして飯島くんはいなくなった~』伝説の名作の続編が描く人々の終わらない苦悩と、その先の希望。
*劇団東京芸術座アトリエ公演 内藤裕子作・演出『おんやりょう』町の消防署の人々の仕事と暮らしを生き生きと描いた内藤裕子初の外部書下ろしと演出。硬質な芸風の劇団ならではの緻密で誠実な姿勢を基本に、軽やかな面も見せて良質な舞台になった。
*新劇交流プロジェクト公演 三好十郎作 鵜山仁演出『その人を知らず』 文学座、民藝、青年座、文化座、東演の新劇5劇団が力を結集し、俳優諸氏は役の大きさに関わらず自分の持ち場を大切に演じた。客席にも長丁場を作り手とともに走り抜いた充実感があった。
*板橋ビューネ2017(1,2,3,4古今東西の戯曲を丁寧に、あるいは大胆に構築する作り手の心意気と、フェスティバル実現に力を尽くした制作の方々へ。

 ほかにはひとつの物語、ひとつのテーマを数年にわたって連作とし、演劇を見続けること、振り返ることの楽しみを味わったgreen flowers公演 内藤裕子作・演出『かっぽれ!締』、劇団フライングステージ公演 関根信一作・演出『LIFE,LIVE ライフ、ライブの2本も心に残りました。

 夥しい資料を丹念に読み込み、丁寧な取材を重ねて登場人物に新しい命を吹き込む戯曲で多くの人を魅了している劇作家が、「どの戯曲を書くのにも100冊くらい読む」と語っておられました。今年上演されたある作品においては殊更に大変で、「最後吐いていました」と。作り手の方々はここまで心身擦り減らし、舞台に精魂込めておられるのかと頭が下がる思いでした。というより、ほとんど青ざめました。

 こちらは指一本動かすことなく、その舞台を見る。それもご招待いただいた場合は「身銭を切る」痛みもないわけです。だからこそいっそう簡単におもしろかった、つまらなかった、自分の好みではなかったと括ることはできない。頭を働かせ、ぎりぎりまで言葉を探し、何より心を尽くして舞台に向き合いたいと思うのです。

 今年一年素敵な舞台に出会えて幸せでした。自分だけの情報網ではたどり着けないことも多々あり、さまざまな出会いや思いもよらぬきっかけが与えられたことに感謝しております。また因幡屋ぶろぐ、因幡屋通信をお読みくださった方々にも御礼申し上げます。ありがとうございました。どうか皆さま、よいお年を。来年もよろしくお願いいたします。

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