因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

プロジェクト<あまうめ>「よせあつめフェスタ」

2010-06-13 | 舞台

 穴埋め企画公演 プロジェクト<あまうめ> 「よせあつめフェスタ」 公式サイトはこちら 新宿ミラクル 6月13日3回公演
  公演にはそれぞれ目玉となるもの、「これがこの舞台のウリだ」というものがある。本公演の場合は、突然のキャンセルがでてしまった新宿ミラクルの支配人の「つぶやき」が、若い演劇人たちに火をつけ、あれよあれよという間に企画&実現したという過程にある。ツイッターによって怒涛の勢いで1日だけの公演が行われることになった。脚本はあひるなんちゃらの関村俊介を中心に、三谷麻里子、櫻井智也が提供し、演出は関村が行った。出演俳優、スタッフの顔ぶれがすごい。出演と制作を兼ねた人も多く、芝居をしたい、みてほしいという熱意が結集し、皆が知恵をしぼりからだを動かし、心を尽くして実現にこぎつけたことが素晴らしい。チケットもあっというまに(ほんとうに!)売り切れて、当初は16時の1回だけの予定が19時、13時と追加公演も決定したとのこと。作る方はもちろんのこと、見る側の熱意も相当なものだ。自分は何とか16時の公演に行くことができた。

 上演の「前説」はおもしろかったけれども芝居の内容とは直接関係ないと思われ、申しわけないのだが、自分は本編前後のさまざまな趣向を鷹揚に楽しめない質(たち)なのだろう。本編は10分弱の短い6本の芝居によって構成されている。台詞もみなきっちりはいっており、台詞を忘れて棒立ちになる俳優さんなどひとりもない。会話のタイミング、客席の反応の受け方なども安定感があって、すでにできている作品(戯曲)があったとはいえ、相当に自主稽古をされたことと想像するし、何より日頃の鍛錬のたまものであろう。6本のうちでは、NO.3『ゴーテンノーベ』で女の子3人の噛み合わない会話とお相撲の様子、NO.4『隅に置く』で風琴工房の松木美路子がみせた意外な一面、NO.6『赤い石』の不条理性が印象に残った。

 演劇の公演というベースにイベント性が加わって、小さな劇場は熱気で溢れた。スタッフワークもてきぱきと気持ちよく、楽しい時間が過ごせた。

 もっと欲を出してよいでしょうか?6本の短編戯曲の上演から、1本でも2本でもいい、長編作品に書き膨らませたものができないだろうか。また本数を少し減らしてもひとつながりの物語として連続性のある作品を上演することも可能では?また別役実や三島由紀夫、岸田國士や久保田万太郎の作品(ああ、やはり自分はこちらの路線を行ってしまうのだ)をじっくりとリーディング公演することなども。「試演会」的要素が前面に出ても構わないと思う。今回の試みの成功が、いろいろな形で次のステップに活かされますように。そして自分も常にアンテナを高く鋭くもって、素早く対応できる決断力と行動力、さまざまなものをしなやかに受け止める柔軟性を持てるよう努力します。
 

コメント   この記事についてブログを書く
« shelf『紙風船/葉櫻』 | トップ | 龍馬伝第24回『愛の蛍』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

舞台」カテゴリの最新記事