因幡屋ぶろぐ

劇評かわら版「因幡屋通信」主宰
宮本起代子による幸せの観劇記録。
舞台の印象をより的確により豊かに記せますよう・・・

反対側から『インテレクチュアル・マスターベーション』

2009-03-31 | 舞台
*このあいだは劇場入って左側のゆったりめ椅子席で、今回は反対側のパイプ椅子席、それも前から2列めに座ってみた。心身覚醒して最後まで堪能。1回めはこんなありさまだったがとにかく1度みたことと、そのあとで読んだ上演台本で、舞台空間の作りや物語の構成、人物のキャラクターなどがどうにか掴めていたことが一助になったのは確かだが、「知った話」をもう一度見に行って、ここまで惹きつけられる体験は滅多にない。なぜだろうか。
 特に幸徳秋水(今里真)に惚れ惚れ。もっと鋭利な人物を想像していたが、おっとりと物静かな風情と穏やかな口調が始終声を張り通しの他の人物とは対照的で劇場の空気を和らげるが、終幕500人の軍人を前にする演説の場面は圧巻であった。舞台を挟んで対峙する客席は、あるときは日比谷公園に結集した労働者になり、騎馬警官隊にも見立てられる作りである。少々緊張を強いられる観劇ではあるが、しっかりした手応えの感じられる幸福な夜となった。公演は明日4月1日まで。
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