サッカーW杯1次リーグ突破を目指す日本は、19日に優勝候補のオランダと激突する。カメルーン戦に続く「番狂わせ」を狙う岡田武史監督(53)が、オランダ戦必勝プランを公開した。“W杯全勝男”MF稲本潤一(30)の先発起用とブブゼラ対策のブロックサインで強豪撃破を狙う。
これもカメルーンに勝った自信と余裕の表れか。全部見せます。岡田監督は、19日のオランダ戦前の練習をすべて公開すると明言した。
これまでは戦術、フリーキックのパターンなど機密事項を確認するため、試合前には報道陣をシャットアウトしてきた岡田式を一変。スタンドには“偵察部隊”ともいえるオランダの取材陣も詰めかけたが、「どうぞ見ていってください」というわけだ。
「1対0・5とか、そんなもんかな。オランダはディフェンスが強いからね」。カメルーン戦では「1-0で勝つ」と予言を見事的中させた岡田監督。「うちは引き分けを狙えるチームではない。まずは勝ちに行く」と、再び必勝宣言だ。
指揮官が練習でオープンにしたのが、MF本田(CSKAモスクワ)を再びFWで、そしてカメルーン戦では途中出場だった稲本を先発起用する新システムだった。アンカーとして攻守の切り替え役を務めたMF阿部(浦和)の代わりに稲本を投入。MF遠藤(G大阪)とでダブルボランチ(守備的MF)を組むというものだ。
すでにイエローカード1枚受けている阿部が、もう1枚受ければ、25日のデンマーク戦に出場停止となる。その予防措置でもあるのだが、それ以上に稲本はコンタクトの強さという持ち味に加え、「W杯全勝」という絶対的な勝ち運を持っているのだ。
日本代表は2002年大会のロシア戦、チュニジア戦、今大会のカメルーン戦とW杯では3勝している。実は、この勝利した試合すべてに出場しているのが、稲本ただひとりなのだ。
「へへへ。確かそうですね。オレって、旬ってことですかね…。日本はすごい盛り上がりだそうですね。ありがたいです。(オランダ戦は)土曜の夜だし、たくさんの人にみてもらえる。Jリーグの今後を考えても勝ちたい」。稲本は力強く話した。
稲本の投入とともに、岡田ジャパンがオランダ撃破のために練るのが、何とブブゼラ対策だ。アフリカの民族楽器で、アフリカ勢の試合に限らず、すべての試合でスタジアムを大音量で包み込んでいるブブゼラ。至近距離だと難聴になるというシロモノだけに、ピッチの上でもやっかいだ。
カメルーン戦を振り返ってMF遠藤は「3メートル距離が離れていたら、相手が何を言っているのが全くわからなかったです」と証言する。オランダ戦での生命線はMF陣のパスの連携にある。そこで遠藤らMF陣は、野球の“ブロックサイン”ばりに試合中、ピッチ上でサインの交換をすることを決めた。「首の動かし方や目の動きでパスの出し方を決めるんです」と遠藤はプランを明かした。
一方のオランダはブブゼラの音に監督、選手のイライラはピークに達している。ヨハネスブルクで行った15日の練習では、見物に来た地元民らが吹き鳴らしたことで、ファンマルウェイク監督が、ついにキレた。
「自分の声も聞こえないぐらい、うるさかった。選手に指示が伝わらない」と怒りを爆発させたという。為す術なく、イライラだけを募らせるオランダ。すでに対策を練る日本にとっては、ブブゼラの大音量を味方につけることになる。
現行システムとなった1998年フランスW杯以降、1次リーグで初戦から2連勝したチームの同リーグ突破率は100%、一方2戦目に負ければ50%というデータもある。天国と地獄を分ける一戦。全勝男・稲本の投入とブブゼラの大音量で、欧州の巨人オランダを打ち破る。
◇
初戦白星で滑り出した日本は第2戦となる19日のオランダ戦に勝てば、1次リーグ突破が決まる可能性がある。
日本が、初戦でデンマークに快勝したオランダを下せば、日本の勝ち点は6でオランダの勝ち点は3となる。後から行われるカメルーン-デンマークが引き分けかカメルーンの勝ちならば、この時点で日本がベスト16に進む。
[夕刊フジ]
これもカメルーンに勝った自信と余裕の表れか。全部見せます。岡田監督は、19日のオランダ戦前の練習をすべて公開すると明言した。
これまでは戦術、フリーキックのパターンなど機密事項を確認するため、試合前には報道陣をシャットアウトしてきた岡田式を一変。スタンドには“偵察部隊”ともいえるオランダの取材陣も詰めかけたが、「どうぞ見ていってください」というわけだ。
「1対0・5とか、そんなもんかな。オランダはディフェンスが強いからね」。カメルーン戦では「1-0で勝つ」と予言を見事的中させた岡田監督。「うちは引き分けを狙えるチームではない。まずは勝ちに行く」と、再び必勝宣言だ。
指揮官が練習でオープンにしたのが、MF本田(CSKAモスクワ)を再びFWで、そしてカメルーン戦では途中出場だった稲本を先発起用する新システムだった。アンカーとして攻守の切り替え役を務めたMF阿部(浦和)の代わりに稲本を投入。MF遠藤(G大阪)とでダブルボランチ(守備的MF)を組むというものだ。
すでにイエローカード1枚受けている阿部が、もう1枚受ければ、25日のデンマーク戦に出場停止となる。その予防措置でもあるのだが、それ以上に稲本はコンタクトの強さという持ち味に加え、「W杯全勝」という絶対的な勝ち運を持っているのだ。
日本代表は2002年大会のロシア戦、チュニジア戦、今大会のカメルーン戦とW杯では3勝している。実は、この勝利した試合すべてに出場しているのが、稲本ただひとりなのだ。
「へへへ。確かそうですね。オレって、旬ってことですかね…。日本はすごい盛り上がりだそうですね。ありがたいです。(オランダ戦は)土曜の夜だし、たくさんの人にみてもらえる。Jリーグの今後を考えても勝ちたい」。稲本は力強く話した。
稲本の投入とともに、岡田ジャパンがオランダ撃破のために練るのが、何とブブゼラ対策だ。アフリカの民族楽器で、アフリカ勢の試合に限らず、すべての試合でスタジアムを大音量で包み込んでいるブブゼラ。至近距離だと難聴になるというシロモノだけに、ピッチの上でもやっかいだ。
カメルーン戦を振り返ってMF遠藤は「3メートル距離が離れていたら、相手が何を言っているのが全くわからなかったです」と証言する。オランダ戦での生命線はMF陣のパスの連携にある。そこで遠藤らMF陣は、野球の“ブロックサイン”ばりに試合中、ピッチ上でサインの交換をすることを決めた。「首の動かし方や目の動きでパスの出し方を決めるんです」と遠藤はプランを明かした。
一方のオランダはブブゼラの音に監督、選手のイライラはピークに達している。ヨハネスブルクで行った15日の練習では、見物に来た地元民らが吹き鳴らしたことで、ファンマルウェイク監督が、ついにキレた。
「自分の声も聞こえないぐらい、うるさかった。選手に指示が伝わらない」と怒りを爆発させたという。為す術なく、イライラだけを募らせるオランダ。すでに対策を練る日本にとっては、ブブゼラの大音量を味方につけることになる。
現行システムとなった1998年フランスW杯以降、1次リーグで初戦から2連勝したチームの同リーグ突破率は100%、一方2戦目に負ければ50%というデータもある。天国と地獄を分ける一戦。全勝男・稲本の投入とブブゼラの大音量で、欧州の巨人オランダを打ち破る。
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初戦白星で滑り出した日本は第2戦となる19日のオランダ戦に勝てば、1次リーグ突破が決まる可能性がある。
日本が、初戦でデンマークに快勝したオランダを下せば、日本の勝ち点は6でオランダの勝ち点は3となる。後から行われるカメルーン-デンマークが引き分けかカメルーンの勝ちならば、この時点で日本がベスト16に進む。
[夕刊フジ]