EURO2008は現地時間19日(以下現地時間)に準々決勝の1試合が行なわれ、ドイツがポルトガルに3対2で勝利を収め、96年大会以来の4強入りを果たした。ロイター通信が報じている。
毎回優勝候補に挙げられながら、このところ2大会連続でグループリーグ敗退の憂き目に遭っていたドイツが、同じく優勝候補筆頭と目されていたポルトガルを破った。22分、左サイドを駆け上がったポドルスキがゴール前にラストパスを供給すると、そこにシュヴァインシュタイガーが走り込んでゴール。さらにその4分後、シュヴァインシュタイガーのFKにクローゼが頭で合わせて2点目を奪取する。グループリーグ第2節のクロアチア戦で一発退場となり、1試合の出場停止を強いられたシュヴァインシュタイガーが汚名返上とばかりに活躍し、不振にあえいでいたクローゼにも得点が生まれ、詰め掛けた4万人のドイツサポーターがさらに盛り上がる。
しかしグループリーグを好成績で勝ち上がったポルトガルも負けてはいない。2点ビハインドの状況にスコラーリ監督は即座に反応。負傷したモウティーニョに代えてメイレレスを投入し、前半のうちに動いてくる。デコのゲームメイクから何度もチャンスをつかんでいたポルトガルは40分、クリスティアーノ・ロナウドが放ったシュートのこぼれ球をヌーノ・ゴメスが逃さず決めて1点差に迫る。
その後、試合は互いに譲らない緊迫した状況となったが、61分、シュヴァインシュタイガーのFKに今度はバラックがヘッドで決めて、ドイツが再びリードを広げてみせる。ポルトガルは87分にポスチガがネットを揺らすも、あと一歩及ばず。粘るポルトガルを抑えてドイツが準決勝進出を果たした。
グループリーグ最終節のオーストリア戦で退席を命じられ、この日はベンチに入れなかったドイツのレーブ監督は「神経がすり減るなんてものじゃなかったよ。あれだけピッチから離れていては。いくつかのシーンはよく見えたが、ピッチから距離があると……、ほんとイライラするね」と、直接指揮できないもどかしさを語っていた。
一方、敗れたポルトガルのスコラーリ監督は「ポルトガルは4強入りを果たせるだけの力があった」とコメント。「我々が負けたのは、分かってはいたことだが、ドイツがある局面で勝っていたからだ。主にボールが止まっている状況で質の高さが見られた。我々はそのチャンスで失敗したが」と、セットプレーから2失点を喫した一方で、こちらは同様のチャンスで決められなかったと試合を振り返っていた。
なお、ドイツは25日の準決勝で、クロアチア対トルコ戦(20日)の勝者と対戦する。
[ISM]