西村一朗の地域居住談義

住居・住環境の工夫や課題そして興味あることの談義

自分史ー個人史形成「枠組み」の理論的把握ーについて

2013-09-03 | 生活描写と読書・観劇等の文化

 人間は生まれて、時間的経過につれ一定の段階を通って成長・発展していく。
その段階は、人間的つながり関係の変化を伴っている。

 肉親や兄弟姉妹との関係は、各人それぞれに年齢等の変化を伴うが段階を通じて死ぬまで持続・発展する。

幼児が成長・発展して保育園や幼稚園に行けば、そこで新たな友人や先生やを得る。以下、更に成長して小、中、高、大学、大学院などと学校が変われば、そこで新たな人間的つながりを得る。これらの人生を通じての、卒業後のつながりは同窓会、同期会の発展として続いていく。

 社会へ出れば、同僚や上司など職場での新たな人間的つながりを得る。職場人間の始まりである。これを一般に「定年」まで変化・発展させていく。
結婚し子供が出来れば、新たな家族関係のつながりの発生と歩みが始まる。寿命が延びたのでこの関係は、一般に孫の世代まで続いていく。

退職して地域人間となれば、地域での人間関係が始まる。趣味的関係、共助的関係だ。

それらの重層的展開が、その中心(全員が中心になる)の人格的変化・発展の根本理由である。この展開は、当然、時間的展開であるが、同時にそれらの展開の舞台である生活空間の様相も変化・発展させうる。

生活空間は、人間の成長・発展につれて先ずは拡大に向かう。母親べったりからハイハイし立っちし、部屋から家中に、家から庭や外へ、幼稚園から小、中、高、大学、大学院と生活空間は拡大し、職場人間となると、多かれ少なかれ地球全体まで拡大していく。

ところが、高齢化過程に入ってくると、一般に地域人間となって生活空間は縮まってくる。一般に拡大する子供の生活空間と、縮まる傾向のある高齢者の生活空間はどこかで交差するのである。

これらの時間的、歴史的変化・発展、空間的、環境的変化・発展を、個人を通じてヴィヴィッドに描くのが「個人史」と言えよう。(2013年8月30日、9月1日)
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