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2024年五輪開催都市 ロサンゼルス パリ 2024年オリンピック 招致レース 相次いだ撤退 リマIOC総会

2017年09月06日 17時21分17秒 | 東京オリンピック
相次いだ“撤退” 迷走 2024年夏季五輪開催都市




夏季五輪開催都市 2024年パリ・2028年ロスで合意

 2017年7月31日、米メディアは、夏季五輪招致を巡り、ロサンゼルスが2028年開催で国際オリンピック委員会(IOC)と合意したと伝えた。これにより、2024年大会の開催地はパリに決定する。
 IOC理事会は7月、2024年夏季五輪招致に立候補したパリとロサンゼルスを24年と28年の2大会の開催都市に振り分ける異例の同時決定案を承認した。
 ロサンゼルスの夏季五輪の開催は1932年と1984年に続き3回目。パリは1924年パリ五輪から100周年の節目に夏季五輪を開くことになる。
 開催都市は、9月13日に開催されるリマ総会でIOC委員の投票で正式に決定される。
 

2024年五輪開催都市 パリ・ロスの評価報告書 両都市共にIOC高評価
加速する2024年、2028年、2大会同時開催決定

 2017年7月5日、国際オリンピック委員会(IOC)は、2024年夏季五輪開催を目指すパリとロサンゼルスの評価報告書を公表した。既存施設を最大限に活用して財政負担を抑える両都市の開催計画をともに高く評価した。 開催都市の決定は9月13日に開催されるリマ総会でIOC委員の投票で決定される。IOCは、すでに6月の理事会で「2大会同時決定」の提案を承認しており、7月11日と12日に開かれる臨時総会に決められる。
 報告書は2017年5月の現地調査を踏まえたもので、IOC委員の判断材料となる。評価委員会のバウマン委員長は「2都市とも素晴らしい大会を開催できる十二分の能力がある。五輪は安泰だ」(共同通信 7月6日)と述べ、IOCの中長期改革「五輪アジェンダ2020」に沿った計画を歓迎した。
 報告書では、競技場施設に占める既存施設や仮設施設の割合は、ロサンゼルスは97%とし、パリも93%としている。また両都市とも国際大会の開催実績が豊富な点を評価した。課題としては、パリは市民の開催支持率が63%でロサンゼルスの78%に比べて低く、会場となるセーヌ川の水質改善指摘した。ロサンゼルスは四つの会場群を結ぶ観客の輸送態勢などに言及した。
 2024年五輪大会には、ブダペスト、ローマ、ロサンゼルス、パリの4都市が立候補したが、暴騰する開催経費の懸念や住民の反対運動などでブダペスト、ローマが相次いで撤退し、結局残ったのはロサンゼルス、パリの二都市となっている。
 両都市で、2024年と2028年の2大会を振り分けて開催するという異例の対応が現実化しそうである。
 2024年大会はパリ、2028年大会はロサンゼルスが有力との観測が広がっている。


2024 Los Angeles 97%の競技場施設は既存施設や仮設施設で対応


2024 Paris 93%の競技場施設は既存施設や仮設施設で対応

出典 Roport of IOC Evaluation Commission 2024





前代の未聞の展開 2024年夏季五輪開催都市招致
 2024年の夏季五輪開催都市選定は、前代の未聞の展開を見せている。
立候補に意欲を示したハンブルグやボストンなどの有力都市が相次いで招致活動の途中で撤退を表明、その理由はいずれも巨額に上る開催費用の負担である。
 国際オリンピック委員会(IOC)はこのままでは五輪大会に立候補する都市はなくなってしまうのではという危機感を抱き始めている。五輪大会の肥大化、巨額に膨れ上がる開催経費にどう歯止めをかけるか、五輪の持続性を確保するための至上命題になっているのである。
 2016年2月17日、国際オリンピック委員会(IOC)はブダペスト、ローマ、ロサンゼルス、パリの4都市が 2024年夏季五輪誘致のためのビジョン、コンセプト、戦略を記した第1段階の申請書類、「立候補ファイル」を提出したと発表した。
 ローマは1960年以来2回目の開催を狙う。パリは1924年の前回大会から“100年”記念の開催を狙う。ロサンゼルスは“競技場は一つも新設しない”と公言、徹底した開催費用削減に挑む。ブダペストは東ヨーロッパでの初開催をアピールしている。いずれも有力な都市が正式に手を挙げた。
 2024年の五輪大会招致レースはこうして幕を開けた。


各都市の五輪招致ロゴ 出典  graffica   http://graffica.info/logos-juegos-olimpicos-2024

住民投票に敗れたハンブルグ バッハかIOC会長の“お膝元”ドイツの反乱 2015年3月、ドイツオリンピック委員会(DOSB)は、ベルリンとハンブルグの2都市から国内選考を行い、立候補都市をハンブルグに決定した。
ドイツで最大、欧州第2位の規模を誇るハンブルク港、その港湾地区の再開発とセットで五輪開催を計画した。ハンブルグはサッカーなどスポーツが盛んで、受け入れ体制は十分、しかもドイツは1972年のミュンヘン大会から50年以上も夏季五輪から遠ざかっていた。条件はそろっていた。しかし………
 2015年11月、ハンブルク五輪招致委員会は、招致の是非を問う住民投票を行った。その結果、反対51.6%、賛成48.4%で反対が過半数を占めた。反対派は112億ユーロ(約1兆5000億円)の費用は無駄遣いだと批判していた。
 まさかの敗戦である。ショルツ市長は「望んだ決定ではないが、結果は明白だ」と述べ、招致を断念すると発表した。
ドイツでは、2022年冬季五輪招致で夏季冬季五輪開催を目論んだミュンヘンが、住民投票で反対派が多数を占め、立候補を断念した経緯がある。
バッハ国際オリンピック委員会(IOC)会長の“お膝元”であるドイツでは、住民の反対で五輪招致が相次いで頓挫している。ドイツでは五輪大会の開催はもう不可能なのでないかという懸念も生まれている。
こうした状況の中で、バッハ会長は五輪大会の継続に深刻な危機感を抱いているのに間違いない。

“赤字”負担を拒否 立候補を断念したボストン
 米国で立候補したのはロサンゼルスだが、その選定の経緯は極めて異例で、今の五輪をめぐる問題の“混迷”を象徴している。
 米国内での立候補都市は、米国オリンピック委員会(USOC)が国内選考を実施して一つの都市に絞る。
2015年1月、五輪立候補都市をボストンに決定した。競争相手はロサンゼルスやサンフランシスコ、ワシントンD.C.だった。
 しかし地元では、巨額の経費負担の懸念から、五輪開催反対の意見が根強く、地元のメディアが行った世論調査で支持率は36%にとどまっていたとされている。住民の納得が得られない五輪開催にボストン市は苦悶していた。
こうした状況を察して、米国オリンピック委員会(USOC)は大会運営で赤字が生じた場合、ボストン市が全額を補償するよう求めた。
 これに対して2015年7月、ウォルシュ・ボストン市長は、「市の将来を担保に入れることを拒否する」と述べ、現時点では市の予算で大会の赤字を補うことはできないとし、住民の理解の得られない五輪招致に難色を示した。
 米国オリンピック委員会(USOC)は立候補を取りやめることでボストン側と合意したと発表した。
2015年9月、米国オリンピック委員会(USOC)は、辞退したボストンに代わり、ロサンゼルスが立候補すると発表した。ロサンゼルスは1932年と84年に五輪を実施しており、ロンドンに並ぶ3度目の開催を目指す。
 ロサンゼルスのガーセッティ市長は「この街は世界最高のステージだ」と意欲を示した。

「さらに借金を背負うことを良しとしない」 招致から撤退したローマ
 ブダペスト、ロサンゼルス、パリと共に立候補ファイルを提出して五輪大会招致に意欲を燃やしたローマの撤退は、欧州諸国の五輪開催巡る政治状況や世論の厳しさを象徴するできごとだった。
ローマのマリーノ前市長は五輪開催に意欲的で、2014年12月、開催都市として立候補することを発表した。 招致委員会の責任者に元フェラーリ会長のルカ・ディ・モンテゼーモロ氏が就任し、招致活動を開始した。レンツィ前首相もこれを支持した。
 2016年6月、民主党の前市長が公費流用疑惑で辞任したのを受けて、ローマ市長選挙が行われ、ローマで史上初の女性市長、ビルジニア・ラッジ氏(37)が当選した。ラッジ氏は、新興政党「五つ星運動」の女性候補で、レンツィ前首相率いる中道左派の与党の民主党候補を破って当選したのである。
 2016年9月、ラッジ新市長は財政難を理由に2024年夏季五輪の招致を断念する考えを表明した。ラッジ氏は会見で、「立候補に賛成するのはいかにも無責任だ。さらに借金を背負うことを、我々は良しとしない」とし、「我々は未だに1960年ローマ五輪に対して借金を返済している。五輪とスポーツに対しては何の反感もないが、町に新たなセメントを注ぎ込むための口実としてスポーツが使われることは望まない」と述べた。ローマの撤退で、2024年夏季五輪の開催都市候補として残ったのは、パリとロサンゼルス、ブタペストの3都市になってしまったのである。

「競技場は一つもつくらない」 ロサンゼルスのしたたかな挑戦
 五輪招致を辞退したボストンに代わって、米国の五輪大会招致都市として名乗りを上げたロサンゼルスは、次の時代の五輪のコンセプトを先取りした“コンパクト”五輪を掲げて、招致をアピールしている。
 2016年11月29日(日本時間)に東京で開かれた4者協議で、コーツIOC副会長が、東京大会の開催費用、「2兆円」は受け入れられないと発言したわずか数時間後に、ロサンゼルス招致委員会は、大会開催経費は「53億ドル」(約6000億円)と発表した。しかもこの中に、4億9100万ドル(約540億円)の予備費も計上済だ。破格の低予算である。「約53億ドル」は、リオデジャネイロ大会の約半分、東京大会の約3分の1である。
 開催費用削減をターゲットにするIOCの意向を巧みに取り入れ、世界各国にアピールする作戦だ。
開催費用の削減は、ロサンゼルスにとって、最有力の強敵、パリとの競争に勝ち抜く“切り札”になってきた。
 「53億ドル」は、大会運営費と競技場(恒久施設)などのインフラ投資経費(レガシー経費)の合算、ロサンゼルス周辺に30以上の既存施設があり、競技場は新設する必要がなく、低予算に抑えられたとしている。選手村はカリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)の学生寮を利用する計画だ。
 1984年に開催されたロサンゼルス五輪では、徹底した経費の削減と収入確保戦略で2億1500万ドル(約400億円)の黒字を出し、世界を驚かせた。
 ロサンゼルス五輪招致委員会のケーシー・ワッサーマン会長は「もしロサンゼルスが五輪開催地に選ばれたら、IOCは開催予算や競技会場変更問題から解放されるだろう」と胸を張る。

 2024年夏季五輪開催に立候補をしている都市は、ローマも脱落して最終的にパリ、ロサンゼルス、ハンブルグの3都市だけになった。パリは、1924年の前回大会から“100年”の開催を狙う。ロサンゼルスは“競技場は一つも新設しない”と公言、徹底した開催費用削減に挑む。ブダペストは東ヨーロッパでの初開催をアピールしている。

2024夏季五輪 パリ、ロサンゼルス、ブダペストの周到なメディア施設整備戦略
 パリは1924年の前回大会から“100年”記念の開催を狙う。ロサンゼルスは“競技場は一つも新設しない”と公言、徹底した開催費用削減に挑む。ブダペストは東ヨーロッパでの初開催をアピールしている。 
 立候補ファイルの提出で、各都市による国際プロモーション活動が解禁となり招致レースが本格化した。7月にはIOC委員や国際競技連盟に向けた3都市のプレゼンテーションが行われる。そして9月13日にリマで開かれるIOC総会で2024年夏季五輪開催地が決められる。
 提出された立候補ファイルで各都市のメディア施設の整備戦略が明らかになった。

ターゲットは航空産業 パリ五輪
 パリは、2012年大会招致では“大本命”といわれながら、ロンドンに敗退をしてしまった。今度こそという国民の期待は強い。パリの抱える懸念材料は、テロ対策だ。 イスラム過激派のテロ標的にされた事件は記憶に新しい。セキュリティの確保が最大の課題になっている。
 オランド仏大統領と会談を行ったIOCのバッハ会長は、「テロは世界中の共通した課題」とパリだけが直面する問題ではないとし、パリを「非常に強力な候補」で「スポーツ界と政府の結束が強く、絶大な支援を受けている」と高く評価した。
 IBC/MPCは、パリで、3番目に広い国際展示場、ブルジェ・エキシビション・センター(Paris Le Bourget exhibition centre)に設置される。
 ブルジェ展示場は、パリ郊外のシャルル・ドゴール国際空港の近くにある施設で、延べ床面積10万平方メートル、ほぼ東京ビックサイトと同規模の施設である。ちなみにパリには、24万2千平方メートルの展示場を備えるParis Nord Villepinte や22万8千平方メートルのParis expo Porte de Versaillesを始め数多くの国際展示場がある国際エキシビション都市だ。
 このブルジェ展示場は、世界で最も有名な航空産業見本市、“Paris Air Show”が開催されることで知られている。2年ごとに開催され、出展数は2300、展示される航空機150機、参加者は世界各国から15万人に及ぶ。
展示場に隣接して、欧州でNO1のビジネス空港Paris- Le Bourgetや、Air and Space museumが整備されている。ブルジェ(Bourget)地区は、まさに世界の航空産業エキシビションの象徴的な存在を誇っている。
IBCの延べ床面積は、7万2千平方メートル、MPCは3万平方メートル、共通エリアとして1万8千平方メートルの施設が整備される。
 オリンピック・スタジアムからは10分以内の距離としている。
五輪開催後のレガシーとしては、IBC/MPCとして強化されたインフラをフルに活用して航空産業などの見本市会場として世界中に更にアピールしていくとしている。
パリのIBC/MPC戦略のターゲットは航空産業、したたかなフランスの開催計画である。


ブルジェ・エギシビション・センター 2024パリ五輪立候補ファイル


Paris Air show-Le Bourget  Paris Air show ホームページ


ハリウッドの戦略と連動 ロサンゼルス五輪
 ロサンゼルス組織委員会は、「五輪の歴史の中で、最も革新的なレガシーとして輝く理想的な場所を選んだ」と胸を張った。
 IBCをロサンゼルス郊外にある世界の映像メディアのシンボル、NBC Universalの中に設置するのである。五輪開催をハリウッドの映像戦略に見事に結び付けた。さすがロサンゼルスである。
IBC/MPCは合わせて延べ床面積8万5千平方メートルの施設を整備する。
 そのうちIBCは5万5千平方メートルの2階建の建物で、6つのメインスタジオが設置される。IBCオフイスの専用スペースはメインスタジオの建物の隣に独立した建物として建設される。IBCの南側には、広さ6000平方メートルの衛星中継スペースが準備される。メインスタジオに隣接したスペースにケータリングやサポートサービスのエリアが整備される。IBC/MPCは交通機関や駐車場と直結している。
 一方、MPCは南カリフォルニア大学(USC)のキャンパスに設置される。MPCはIBCに近接しているが、離れた所に立地する施設である。
 メイン・プレス・ワーキング・ルームや記者会見室は仮設施設として整備され、サポート・サービスやケータリングは大学のキャンパスに設置される。MPCの延べ床面積は3万平方メートル。
 IBC/MPCから各競技場へのアクセスは、オリンピック専用道路を設置し30分以内で移動可能だ。
 IBC/MPCは、Universal Studiosの開発計画と連動したスキームで整備が行われ、スタジオ建設などの新規投資も実施される。五輪大会後は、NBCUniversalの音響スタジオや制作フロア、オフイスとしてIBC/MPCを再生し、ハリウッドの映像・音響インフラの強化を図る戦略だ。「レガシーと密接にリンクさせた野心的な開催計画は未だかつてない」としている。
 しかし、ロサンゼルスの突然襲っている悩みのタネは、難民受け入れ停止やイスラム圏7カ国からの一時入国禁止令を出したトランプ大統領である。
 ロサンゼルスは立候補ファイルで「世界は前例のない変化と不確実な時代に突入している」とし、「ロサンゼルス、そして米国は並外れた文化の多様性を持つ。ロサンゼルスでの開催は、歴史上、最も必要とされるときに人々、国家をまとめられる。五輪とパラリンピックほど、世界、そして国家を一つにするものはない」と訴えている。
しかし、イスラム圏諸国からの反発は必至で、果たしてこの逆風を乗り越えることができるのだろうか。


IBCが設置されるユニバーサル・スタジオ 2024ロス五輪立候補ファイル

“荒れ地”の再開発の拠点に ブタペスト五輪
 世界の大都市以外からの立候補したブタペスト、その課題は、競技施設やインフラ整備の整備に費やされる巨額の開催経費に耐えられるかであろう。リオデジャネイロ五輪の開催を巡って起きた問題が思い起こされる。
 ブタペストの招致委員会は「ブダペストでの大会こそが、これまで五輪が開催されていない国や都市に門戸を開き、オリンピックのムーブメントを広げることにつながる」とし、「豊かな大都市しか開催できない」と批判される五輪を改革すべきだとアピールしている。
IBC/MPCは、オリンピック・パークに近接した20haの敷地に整備される。
 IBC/MPCの整備経費は政府が全額負担する。施設の設計や建設は、オリンピック施設庁(Budapest Olympic Dilivery Authority)が担当し、五輪開催後のレガシー利用のための改装工事も担当する。
 IBC/MPCが建設される用地は、個人所有の土地を政府が取得して再開発する。
 この用地はいわゆるブラウン・フィールド、土壌汚染などが原因で売却や再開発ができずに放置されている土地で、貴重な歴史的建造物も存在する。
 IBCは、延べ床面積5万5千平方メートル、4階建ての建物で、ホスト・ブロードキャスターとライツホルダーが使用する。MPCは、延べ床面積3万平方メートル、プレス・ワーキング・ルームや各社の専用ブースが設けられる。
 共通スペースにはケータリングやショッピング・エリアが設けられる。 五輪後のレガシーとしては、ブタペストの中心部における複合オフイスと商業施設に再生さする計画である。

ブダペスト 2024年五輪招致から撤退

 2017年2月22日、 2024の夏季五輪に候補していた、オルバン首相は、ハンガリー・ブダペストのタルローシュ市長と会談し、会談後、招致活動からの撤退を表明した。ブダペスト撤退の引き金になったのは、招致反対派の運動で、招致の是非を問う住民投票を求めて活動を展開していた。2月18日、招致反対派は、住民投票求める署名が市の人口の約15%に当たる26万を超えたと発表した。これを受けて、ハンガリー政府は、会談後声明を出し、「五輪開催に必要な一体性が失われた」とし、招致撤退を表明した。
 五輪招致を巡っては、巨額の開催経費がかかることから立候補する都市が極めて少なくなってきた。2022年緒冬季五輪では、最終的には、招致に成功した北京と落選したアルマトイ(カザフスタン)の2都市しか残らなかった。
 夏季で2都市しか候補が残らないのは、名古屋がソウルに敗れた1988年大会以来である
 これで2024年五輪招致に残ったのは、ロサンゼルス(米)とパリの二都市になってしまった。
 五輪大会を持続可能な大会に改革を目指す国際オリンピック委員会(IOC)の危機感は、更に増した。



2024年五輪、2028年五輪の同時“決定”を目論む国際オリンピック委員会(IOC)
 こうした危機感を乗り越えるために国際オリンピック委員会(IOC)は、“秘策”を明らかにしている。五輪大会の安定的な開催を目論む“苦肉の策”である。
 2016年6月、国際オリンピック委員会(IOC)の理事会は、2024五輪大会都市と2028の五輪大会都市を今年同時に決着することを総会に提案することを決めた。事実上ロサンゼルスとパリとで分け合って開催しようとするものである。バッハIOC会長はどちらの国が先に開催するのかは、9月13日にリマで行わるIOC総会で決められるとした。
 ロサンゼルスとパリの招致関係者は、IOCの理事会を歓迎し、今後両者との間で話し合いを進めるとした。
 パリは、前回大会開催からの「100年記念」の2024年の開催にこだわっているのに対し、ロサンゼルスは、より柔軟な姿勢を示し、2028年開催が可能かどうか協議を開始しているとしている。ロサンゼルスは代わりに2024年ユース五輪開催を国際オリンピック委員会(IOC)に要請することを視野に入れているようである。
 しかし、バッハIOC会長は、2024年と2028年の開催地設定はまったく対等であると述べている。
 2024五輪大会都市と2028の五輪大会都市を同時に選ぶことで、五輪招致にかかる招致費用や開催準備費用を削減することが可能になり、五輪開催の安定性を確保できるとしている。
また、理事会では2026年冬季五輪の招致プロセスとコスト削減を改善する方策も議論された。 2026年冬季五輪にはスイスのシオン、カナダのカルガリー、オーストリアのインスブルック、札幌などが意欲を示しているとされている。

2024年、2028年五輪大会は9月に決定
 最終的に立候補都市として残ったロサンゼルスとパリについては、IOC評価委員会が今年の春からそれぞれの都市を訪問して報告書を作成して公表し、両都市に高い評価を与えている。
 7月11と12日にはIOC委員や国際競技連盟に向けた二都市のプレゼンテーションが行われると共に、2024年と2028年五輪大会開催都市を同時に決める方式についても採決が行わる。
そして9月13日にリマで開かれるIOC総会で2024年、2028年五輪大会の開催都市が同時に決まる可能性が強い。
 2大会同時決着を行うIOC総会は、これまでの総会とはまったく違う雰囲気の中で行われると思われる。
 肥大化、開催経費膨張、商業主義批判、「曲がり角」に立ったオリンピックは、まさに正念場を迎えた。



2024 Los Angeles オリンピックスタジアム


2024 Paris オリンピックスタジアム


2024 Los Angeles 組織委員会(OCOG)予算


2024 Paris 組織委員会(OCOG)予算


2024 Los Angeles 競技場整備費


2024 Paris 競技場整備費

出典 Roport of IOC Evaluation Commission 2024







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国際メディアサービスシステム研究所 International Media Service System Research Institute(IMSSR)



2017年7月3日

Copyright (C) 2017 IMSSR


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廣谷  徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute
(IMSSR)
President
E-mail thiroya@r03.itscom.net  /  imssr@a09.itscom.net
URL http://blog.goo.ne.jp/imssr_media_2015
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