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東京オリンピック 交通対策 交通渋滞マップ 交通量削減 15%削減はできるか?

2018年11月29日 09時23分33秒 | 政治

最大の難問 交通渋滞は克服できるのか 東京2020大会開催




五輪渋滞マップ公開 重点取組地区指定 都内16地区
 2018年10月31日、大会組織委員会と東京都は、交通輸送技術検討会(第3回)を開き、東京2020大会期間中の交通渋滞や鉄道の混雑状況について、「大会輸送影響度マップ」をまとめて公表した。
 期間中で最も渋滞・混雑が激しいとされている7月31日のシミュレーションでは、何も対策を講じないと、高速道路、一般道では広範囲に渋滞や混雑が発生し、鉄道では、朝夕の都心のターミナル駅や日中の競技会場を中心に、激しい混雑が出ることが明らかになった。
 交通輸送技術検討会では、「大会輸送影響度マップ」は、今後、競技日程がより具体的になっていくのに合わせて更新していくとしている。


東京2020大会における交通マネジメントの検討状況について 交通輸送技術検討会(第3回)

 また交通渋滞解消に向けての交通量抑制に重点的に取り組む必要がある16地区を指定し、物流の抑制や配送ルート、配送時間の調整、時差出勤、夏季休暇などを企業や個人に協力を要請し、物流業界や企業には、交通量抑制の「アクションプラン」を作成してもらうとしている。
 16地区は、競技会場が多い臨海部や新国立競技場周辺の新宿、渋谷や、道路・鉄道の混雑箇所を通過する交通が多いエリアである。都心の繁華街のほぼ全域が指定された。

■重点的に対策に取り組む16地区
▼ ヘリテッジゾーン
 (1)新宿(2)渋谷(3)品川(4)浜松町・田町(5)新橋・汐留(6)大手町・丸の内・有楽町(7)八重洲・日本橋(8)神田・秋葉原・お茶の水(9)九段下・飯田橋(10)番町・麹町(11)青山・表参道(12)赤坂・六本木(13)霞が関・虎ノ門
▼ 東京ベイゾーン
(14)晴海・有明・台場・豊洲・大井ふ頭
▼ その他
(15)池袋(16)大崎


東京2020大会における交通マネジメントの検討状況について 交通輸送技術検討会(第3回)

“陸の孤島” 東京五輪施設 “頓挫”する交通インフラ整備 臨海副都心





首都高速道路の渋滞 「1.8倍」に
 2018年1月19日、2020年東京五輪・パラリンピックの交通・輸送を検討している「輸送連絡調整会議」で、大会組織委員会と東京都は、大会開催時の交通の見通しについて、「交通対策を行わない場合、 一般交通に大会関係車両が加わること で交通状況は厳しくなる見通しであり、 首都高の渋滞は現況の約2倍近くまで 悪化する」とし、「首都高の渋滞で無駄になる時間が約1.8倍に悪化する」との想定を明らかにした。そして「都市活動、 大会輸送ともに影響が大きいことから、 交通マネジメントの導入が不可欠」とした。
 首都高速道路は大会関係者の円滑な輸送を担う基幹道路として位置づけられている。都心環状線、11号台場線、3号渋谷線、4号新宿線、9号深川線、10号晴海線、湾岸線がオリンピック・ルート・ネットワーク(ORN)に指定されている。首都高速道路の広範囲に渡る渋滞対策が最重要となっている。 

 交通マネジメントの導入にあたっては、大会輸送と都市活動の両立を最重要課題として掲げて、輸送を安全・円滑に行うために3つの柱を明らかにした。

① 交通需要抑制・分散・平準化を行う 「交通需要マネジメント」(TDM)
② 道路状況に応じて交通の需給関係を高度に運用管理する 「交通システムマジメント」(TSM)
③ 鉄道等の安全で円滑な輸送を実現する「公共交通輸送マネジメント」



「15%程度交通量減」
 大会期間中は、大会関係者や夏休みの旅行客が加わり、通行量は大きく増える見込みだ。
 市民の日常生活や都市活動を妨げることなく、円滑かつ安全で確実な大会輸送を確保するためには、全体の交通量を削減する必要があるとし、道路交通では交通量を「15%減」(休日並み)にするという目標に掲げた。
 大会輸送の主要ルートとなる首都高速道路の場合、通行台数(2017.7)は 平日 で一日、109万台、 休日で89万台、 休日並みの通行台数に削減するためには、平日の通行量の「約18%減」削減する必要があるとしている。

 交通量を削減する「交通システムマネジメント」(TSM)」計画では、まず道路交通を全体の平均で「10%減」とすると、一般道路では「12%減」となるが、高速道路では「6減」、さらに最も重要な首都高速道路ではわずか「1%減」にとどまることが明らかになった。混雑・渋滞はかなりの程度、解消するが、首都高速道路など部分的には混雑・渋滞が残る。そこでさらに「15%減」として、部分的な混雑・渋滞の解消を図る。しかし、「15%減」を達成しても、首都高速道路では、局所的に時速20キロメートル以下の渋滞や時速20~40キロメートルの混雑が解消できない。
 そこで、さらに「交通システムマネジメント」(TSM)」を導入し、一部の地域や区間で規制を実施して交通量の更なる分散・抑制を図り、局所的な渋滞や混雑を解消させ、大会開催時にも円滑な交通環境を実現させる。
 公共交通(鉄道)では、 大勢の観客が集まる競技会場周辺駅や関連路線を中心に、大混雑が発生する可能性を指摘している。
 こうした混雑エリアではさまざまな対策を実施して現状と同程度の混雑状況を維持して、安全で円滑な運行状況を目指すとした。



交通需要マネジメント(TDM)
 交通需要マネジメント(TDM)については、高速道路と一般道の両方について交通量の抑制・分散を図る必要があるとしている。
 首都高の渋滞・混雑は、都心部と隣接県との接点で発生する。一般道の渋滞・混雑エリアは、都心部に集中している。
 渋滞・混雑発生の大きな原因となっている物流については、臨海部の港湾物流や競技会場周辺の都心部の物流の焦点が当てられている。とりわけ、都心部と埼玉県、千葉県との往来が多い。
 大会 期間中は、物流(大会関連物流や観 光客増に伴う物流等)は増加するのが必至とされる中で、物流の業種や品目などを具体的に分析して、物流業界や企業、市民に具体的に協力を求め、効果的な交通量削減を実現していく。


東京2020大会の交通マネージメントに関する提言の概要 交通輸送技術検討会 2018年2月19日

 その際に、利用者の特性に応じた働きかけを行うのが重要で、利用者分析(発着地、移動目的等)を行い、特性に応じた呼びかけを行う。
 集荷・ 配送を担う運送企業だけでなく、荷主や配送先の企業や商店などに、集荷・配送の変更の協力を得ることが重要になる。
 具体的には集荷・配達は、混雑時間を避ける時間帯に変更したり、回数も減らしたり、在庫として置くことが可能な物資は、大会前に配送するといった協力を呼びかけることが柱に据えられている。





 交通需要マネジメント(TDM)は2017年度末までにTDM全体行動プランを策定し、試行・展開の準備を進める。
 初期は、協力企業を限定して(リーディングカンパ ニー)試行を実施し、順次対象を拡大し、勤務時間や配達方法、個人の消費行動(eコマース) の変更など、働きかけを都内から全国に向けて展開するとしている。

難題 「15%」削減
 交通需要マネジメント(TDM)の手法は、物流業界や企業、個人に対して、あくまで「お願い」ベースで、交通量削減の協力を要請する。従って交通規制のように「強制力」を伴うものではない。
 しかも、協力を要請する内容は、物流業界に対しては、輸送ルートの変更や時間変更、共同配達はまとめ調達、路上荷捌きの抑制、集荷配送の回数減などで、一般企業に対しては夏季休暇の促進やテレワークの推進、勤務時間変更、まとめ発注、出張の前倒しや延期、電話・テレビ会議の奨励、個人に対しては、休暇取得、時差出勤、買い物・レジャーの行先・時期の変更、宅配便の利用や再配達の抑制など、実に多岐多様に渡る細かな項目を積み上げている。
 ひとつひとつの項目では有効な交通量削減が期待できないが、「ちりも積もれば山となる」という作戦である。まさに「小さな努力」の積み重ねだ。
 大会組織委員会では「ちりつも作戦」(大会組織委員会輸送部長 大澤雅章氏)としている。
 問題は、「ちりつも作戦」では、一体どのくらいの交通量が削減できるのか定量的に算定することが不可能なことだ。「15%」が果たして達成できるかどうか事前にはほとんど分からない。
 大会組織委員会では、2020TDM推進プロジェクトを発足させ、30の業界団体参加に呼びかけて、約200社超の企業がこのプロジェクトに参加している。目標は1000社以上としているが、後2年果たして達成できるのだろうか。
 交通量削減の最大の課題は、物流の抑制で、そのためにはサプライチェーン全体の協力体制を得なければならない。配送・集荷を抑制するためには、発送側と受け取り側の双方の荷主が一体で取り組みを進めなければ実効性は確保できない。
 配送時間変更、まとめ配送、ルート変更など簡単には実現できない難問だ。
 そもそも、選手や五輪関係者、大量の観客であふれる都心には、飲料や食料、日常品など大量の物資を配送しなければならいのは明らかである。配送量は削減どころか大幅増は必至だろう。
 また物流の網は全国、世界とつながっており、東京圏の枠を超えて個人・企業の協力を取り付けなければならないという難問が残る。
 「15%減」は果たして達成できるのだろうか? 結局、十分な交通量削減が達成できず、渋滞・混雑が深刻化して、都市活動や市民生活を妨げる強制力を伴う交通規制に頼ることになるという懸念が極めて大きい。

交通システムマネジメント(TSM)
 TSMを効果的に実施するためには、その前提として、なにより TDMによる交通量抑制が不可欠であり、その上で渋滞・混雑の発生状況に応じ て段階的なTSMをする必要がある。 十分な交通量抑制ができないままで、TSMを実施すると、交通渋滞が深刻化してむしろ輸送環境は悪化してしまう。
 大会組織委員会では、オリンピック・ルート・ネットワーク(ORN)を設定し、選手村と空港を結ぶ「大会ルート」や練習会場への「練習会場ルート」、事故・渋滞時の「代替ルート」に区分している。
 そして、オリンピックレーン(専用レーン)やプライオリティレーン(優先レーン)の設置などが検討されている。
 オリンピック・ルート・ネットワーク(ORN)主軸となる高速道路は、入口 や本線料金所において交通量の抑制が可能だ。
 しかし、一般道 は道路環境が多様であることから、交通量を抑制するためには個別にきめ細やかな対策が必要になる。













頼みの綱、オリンピック専用レーンの設置は期待できない
 オリンピック・ルート・ネットワーク(ORN)で、大会関係車両のスムーズな通行を確保するためには、オリンピック専用レーンの設置に実効性がある。ロンドン五輪やリオデジャネイロ五輪でもオリンピック専用レーンが設定された。
 しかし、首都高速道路などの都心部の高速道路でオリンピック専用レーンを全面的に導入しても、JCT では1車線のために専用レーンが設置できず、一般車両と混ざって通行せざるを得ないので大渋滞が発生する。
 その影響が全線に渡って拡大し深刻な混乱が発生し、結果、大会関係車両は渋滞に巻き込まれて、専用レーンを設置してもむしろ遅滞をもたらすことが明らかになった。
 大会関係者の輸送ルートの中核となる首都高速道路に広範囲にオリンピック専用レーンを設置することはほとんど不可能になった。
 オリンピック専用レーンの設置は、基本的に片側三車線の道路でないと極めて難しいとされている。専用レーンの設置で渋滞が悪化する可能性があり、大会関係者の輸送にむしろ遅延を招くことになるからだ。
 オリンピックレーン(専用レーン)やプライオリティレーン(優先レーン)の設置は、日本の道路事情では、極めて限定的にならざるを得ない。
 成田から都心に向かう湾岸道路や臨海部の一部の道路は片側三車線のため専用レーンの設置は部分的には可能だろう。
 また競技会場周辺部の一般道路については、局所的に専用レーンの設置が検討されている。

 全体の交通量の削減が達成できない状態で、首都高速道路や主要高速道路で流入規制などの交通規制を行うと、一般道路に迂回する大量の車両で、大渋滞が発生するのは避けられない。都市活動や市民生活に大きな影響を及ぼす流入規制は安易に行うべきではない。何のための五輪大会開催なのか、厳しい批判を浴びるだろう。 







都心部への流入車両を「強制的」に規制 都市活動や市民生活に影響
 平日の朝は、大量の車両が東名高速や中央高速、関越自動車道、東北自動車道、常磐自動車道などの路線から首都高速道路に殺到し都心へ向かう。 夕方は、逆に都心部から抜け出す大量の車両で渋滞する。
 平日の朝など料金所の閉鎖や入口で流入規制を行えば、 都心部における車両の時間的集中を緩和できるだろう。
 TDMによる交通量の総量抑制を実施しても、なおかつ交通量が交通容量を超えている場合には、朝晩のピーク 時など中心に、TSMで「強制的」な交通規制を行わざるを得ない。
 しかし、流入規制を行えば、一般道路は大渋滞になり通行に支障が出て、都市活動や市民生活に大きな影響を与えることは明らかだろう。
 TSMによる交通規制は「諸刃の刃」であることを忘れてはならない。








公共交通輸送マネジメント
 公共交通輸送マネジメントでは、3本柱を掲げる。
①  輸送力の確保
 特に混雑の激しいと予想される路線では、可能な限り輸送力 を増強させる。 また、競技会場や各駅の状況などを考慮し、各駅の対応を検討することが重要である。
②  観客の需要分散・平準化
 観客が一度に入退場に殺到するのを避けるため、入退場時間の分散を検討していくことが必要である。 観客に早め入場を呼び掛けたり、ブロック別退場を誘導したりする。周辺でのイベントへの誘導 も有効としている。
③  一般利用者の需要分散・抑制(TDM)
観客に対して「混雑が予想されるエリア・時間帯」などについて、情報提供を行い、混雑回避の協力を得ることが必要となる。

 以上の3つの施策の組合せにより安全で円滑な観客輸送の実現を目指す。



オリンピック・パークがない東京2020大会 交通対策は難しい
 ロンドン2012大会やリオ2016大会では、オリンピック・パークが整備されて、オリンピック・パークの中やその周辺に集中的に五輪施設を建設した。
 ロンドン2012大会では、オリンピック・パークの中に、オリンピック・スタジアム、アクアティック・センター、ウオーターポロ・アリーナ、ハンドボール・アリーナ、ベロドローム、ホッケーセンター、バスケットボール・アリーナ、選手村、IBC/MPCを建設した。
 リオ2016大会では、オリンピックの中に、アクアティック・スタジアム、マリレアン・アクアティック・センター、カリオカ・アリーナ、フューチャー・アリーナ、ベロドローム、テニス・センター、IBC/MPCを建設し、近接エリアの選手村を整備した。
 選手や大会関係者は、宿舎から競技場まで移動するのにほとんど時間がかからないのである。


リオ2016 ロンドン2012における競技場配置 輸送連絡調整会議

 これに対して、東京2020大会では、招致段階から、オリンピック・パークを建設せず、都心部の“ヘリテッジゾーン”と臨海部の“東京ベイゾーン”のテーマ・ゾーンを設け、五輪施設を立地させる計画で準備が進められてきた。
 そして、晴海の選手村から半径8キロメートル圏内に85%の競技場を配置し、ほとんどの競技場に20分以内で移動できる「世界一コンパクトな大会」を目指すとしていた。
 2013年1月、2020東京大会招致員会はIOCに立候補ファイルを提出したが、この輸送計画によると、2020年東京大会では、競技会場の約85%を選手村から半径8kmのエリア内に配置することで、選手にとって最高の移動環境を提供すると宣言した。

 輸送計画の決め手となるのは、オリンピック・専用レーンや優先レーンの設置である。
 2000年のシドニー大会以降、 競技会場、練習会場、選手村、メディアセンター、 空港などオリンピック関連施設を結ぶ道路には、大会関係車両が専用に利用できる車線などを設置し、輸送の円滑化を図ってきた。2016年リオデジャネイロ五輪、2012ロンドン五輪でも交通対策の決め手となった。
 東京2020大会の立候補ファイルの輸送対策では、首都高速道路を中心にオリンピック・レーン及び オリンピック・プライオリティ・ルートを設置し、全ての競技会場や練習会場、関連施設を、約6000台の大会関係車両を往来させて快適な輸送サービスを確保する計画だった。指定するオリンピック・レーンは合計約317km、オリンピック・プライオリティ・ルートは約290kmにも及ぶ。
 そして最も重要とされている選手村-オリンピックスタジアムパーク間の移動には、主に環状2号線を使用し、移動距離は7kmで、所要時間は10分を達成すると公約した。
 また選手村-皇居地区の競技場への移動には、 主に首都高速道路を使用し、移動距離は19kmで、その所要時間 は25分とした。
 その結果、選手の72%が10分以内に選手村から競技場にアクセス可能で、選手の87%が20分以内にアクセス可能、すべての競技場に30分以内で移動が可能とした。
 立候補都市 がオリンピック関係者の円滑な移動を保障できるインフラと輸送計画を持つかどうかは、IOC(国際オリンピック委員会)が開催都市を決定する際の重要な判断材料とされている。立候補ファイルで宣言した輸送計画は、「国際公約」であることを忘れていはならない。
 競技会場の約85%を選手村から半径8kmのエリアに設置する計画は破綻、首都高速道路などにオリンピック・レーンを設置してすべての競技場を結ぶという計画は頓挫寸前、肝心の環状二号線は暫定開通で完全開開通は先延ばし、立候補ファイルで「公約」をした「選手にとって最高の移動環境」を実現できるかどうか、瀬戸際に追い込まれている。
「国際公約違反」という批判を浴びる懸念も生まれてきた。

 
オリンピック・レーンなどを都心に広範囲に設置を計画 立候補ファイル 2013年1月 招致委

挫折した「世界一コンパクトな大会」 各県に拡散した競技場
 「世界一コンパクトな大会」を目指して開催準備を進める中で、膨れ上がった競技場建設経費が世論の厳しい批判を浴びて、見直しをする必要に迫られ、競技場の新設を中止し、極力既存の競技場を利用する計画に変更した。そして競技場は次々に首都圏近県に拡散していった。
 セーリング会場として建設を計画した若洲オリンピックマリーナは、招致計画では建設費を92億円としたが、見直しの結果、417億円に膨れ上がり建設は取りやめられ、江の島ヨットバーバーに競技会場を変更した。
 夢の島ユースプラザ・アリーナA(バトミントン)」、夢の島ユースプラザ・アリーナB(バスケット)」は、招致計画では建設費を364億円としたが、見直しの結果、683億に膨張し建設中止に追い込まれ、バトミントンは、武蔵野森総合スポーツ施設(東京都調布市)、バスケットはさいたまスーパーアリーナ(さいたま市)に変更された。
 自転車(トラック)会場の有明ベロドロームも中止、伊豆ベロドローム(伊豆サイクルスポーツセンター 静岡県伊豆市)に変更、自転車(MTB)は海の森マウンテンバイクコースを中止して、伊豆MTBコース(伊豆サイクルスポーツセンター 静岡県伊豆市)に変更した。
 また、当初は東京ビックサイトで開催予定のレスリングやフェンシング、テコンドーの競技場は幕張メッセ(千葉市)に変更となった。

 これに加えて、ゴルフ会場は、霞ケ浦カンツリークラブ(埼玉県川越市)、射撃会場は陸上自衛隊朝霞訓練場(埼玉県朝霞市)、サーフィン会場は釣ケ崎海岸(千葉県一宮町)、野球・ソフトボール会場は横浜スタジアム(横浜市)や福島あづま球場(福島市)、バドミントン、近代五種(フェンシング)は武蔵の森総合スポーツプラザ(東京都調布市)、サッカー、ラグビー、近代五種(水泳、スイミングなど)会場は東京スタジアム(東京都調布市)、自転車(ロードレース ゴール)は富士スピードウイとなる。

 またサッカー会場として、首都圏では、埼玉スタジアム(さいたま市)、茨城カシマスタジアム(茨城県鹿嶋市)、横浜国際競技場(横浜市)が使用される。首都圏以外では、札幌ドーム(札幌市)、宮城スタジアム(宮城県利府町)、茨城カシマスタジアム(茨城県鹿嶋市)も会場となる。

東京2020競技会場マップ

 この結果、競技場は都心部や臨海部だけでなく、千葉県、埼玉県、神奈川県、静岡県、福島県に拡散し、東京2020大会のキャッチフレーズ、晴海の選手村から半径8キロメートル圏内に85%の競技場を配置し、ほとんどの競技場に20分以内で移動できる「世界一コンパクトな大会」という「公約」は挫折した。
 こうした競技場の立地条件では、きわめて広範囲に渡る高速道路や一般道路の交通対策が必須となる。選手や大会関係者、メディア関係者の円滑な輸送を確保するために、これまでの大会では前例のない大規模でかつ困難な取り組みが迫られることになった。
 羽田空港や成田空港への円滑なアクセス確保も肝要である。
 都心部をターゲットにした「交通量15%」削減だけでは、拡散した競技場への円滑な輸送が確保できないのは明らかだ。
 東京2020大会で、大会輸送と都市活動の両立をはかる交通対策は果たして実現可能なのだろうか。大会開催によって、市民生活や都市活動が大きく妨がれるようになるなら、市民から厳しい批判を浴びるのは間違いない。
 残された時間は、2年足らず、2020東京大会の最大の難題、輸送対策は正念場を迎えた。





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国際メディアサービスシステム研究所 International Media Service System Research Institute(IMSSR)



2018年11月20日
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廣谷  徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute
(IMSSR)
President
E-mail thiroya@r03.itscom.net  /  imssr@a09.itscom.net
URL http://blog.goo.ne.jp/imssr_media_2015
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