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セリーナ 暴言 警告 醜態 性差別 コーチング 大坂なおみ セリーナは謝罪せよ 全米オープン

2018年10月01日 16時27分15秒 | 全米オープン

大坂なおみの初優勝を台無しにしたセリーナ 全米オープンテニス決勝戦


出典 ITF




ラケットを踏みつけて激怒するするセリーナの風刺画掲載 議論沸騰
 9月10日、全米オープンの決勝戦で、ラケットを踏みつけて激怒するするセリーナの風刺画がオーストラリアの大衆紙「ヘラルド・サン(Herald Sun)」に掲載されて世界各国で議論が白熱している。
 コート上で激高する様子を描いた表現に「黒人や女性への差別だ」という批判が寄せられが、風刺画の作者は「彼女の行為を批判した」と反論している。
 風刺画は、豪メルボルンの大衆紙「ヘラルドサン」風刺画作家マーク・ナイト氏(Mark Knight)の作品で、たくましい体格と分厚い唇を誇張して描かれたセレーナが、コートに叩きつけて壊したラケットをセリーナ選手が「地団太を踏み」悔しがっている様子を描いている。ラケットの横には赤ちゃんのおしゃぶりが転がっている。
 その後方では審判が大坂なおみに「彼女に勝たせてやってくれないか」と囁いている様子が描かれている。大坂なおみはなぜか金髪だ。
 この風刺画に対して、人気児童小説「ハリー・ポッター(Harry Potter)」シリーズの原作者J・K・ローリング(JK Rowling)氏は、「人種差別と性差別で冷やかすもの」と不快感をあらわにし、「よくもスポーツ界で最も偉大な女子選手を人種差別と性差別で冷やかして笑い者にし、もう一人の偉大な女性選手を顔なしのでくの坊にしてくれたものだ」とツイッターで厳しく非難した。 
 これに対して作者のナイト氏は、風刺画は人種差別や性差別ではないと否定し、「スポーツのスーパースターのみっともない悪態」を表現しようとしただけだとコメントした。(出典 AFPBB 9月11日)
 問題の風刺画が投稿されたマーク氏のツイッター(Twitter)には、世界各国から罵倒するコメントが殺到し、見の危険を感じたマーク氏は、ツイッターの閉鎖に追い込まれた。
 その一方でセリーナ選手の行為への批判から、差別とは思わないとの書き込みも見られる。また、大坂なおみ選手とみられる対戦相手が金髪の女性として描かれていることに違和感を示す声も出ている。
 ヘラルド・サン紙(電子版)は9月11日、社説で「スポーツ選手らしくない行為を正しくあざけった。その行為で大坂なおみ選手が勝利を祝う機会を奪いもした」と反論、ナイト氏の「描いたのは、セリーナ選手の哀れな振る舞いについてで、人種(差別)についてではない」と主張した。(出典 AP 朝日新聞)
 またヘラルド・サン紙のデーモン・ジョンストン編集長はナイト氏を擁護し、ホームページで「ナイト氏は差別主義者だとのレッテルを貼られたが、まったくの嘘だ」と反論し、「セリーナの風刺画は、彼女のあの日の悪態についての描いたのもで、人種は関係ない」とのコメントを掲載し、さらに、漫画は性差別でも人種差別でもなく、「テニス界の伝説のみっともない真似を、正しくあざ笑った……全員がマークを全面的にサポートする」とツイートした。



 翌日、ヘラルド・サン紙はさらに反論に出て、一面トップで問題の風刺画を含む色々な風刺画を並べて再掲載した。
 「PCワールドへようこそ」という見出しの下には、「マーク・ナイトのセリーナ・ウィリアムズ風刺画について、勝手に検閲担当を自認する連中の言うとおりにしたら、ポリティカリー・コレクト(PC)な新しい社会はとても退屈なものになる」と同紙は書いた。(出典 BBC NEWS 9月12日)
 ポリティカル・コレクト(ネス)とは、日本語で政治的に正しい言葉遣いとも呼ばれる、政治的・社会的に公正・公平・中立的で、なおかつ差別・偏見が含まれていない言葉や用語のことで、容姿・身分・職業・性別・文化・人種・民族・信仰・思想・性癖・健康・年齢・婚姻状況などに基づく差別・偏見を防ぐ目的の表現を指す。(出典 Wikipedia)

 アスリートの容姿を、とりわけ女子選手のついては、揶揄するのは極めて不適切である。しかし、暴言と悪態を行ったアスリートは非難されてもしかるべきだろう。
 「スポーツ選手らしくない行為を正しくあざけった」のか、「人種差別・性差別」なのか、この風刺画を巡っては、世界各国でさらに激しい論争が続くと思われる。



ヘラルド・サン紙(9月12日)


「平等ではない」アダムス会長の主張は崩壊 ラモス氏に謝罪
 9月14日、決勝戦の主審を務めたラモス氏は、デビスカップの準決勝で、クロアチアとアメリカ戦の主審を務めた。アダムス会長は、全米オープンの決勝戦後、初めてラモス氏と顔を合わせた。
 その場で取材していた記者によると、アダムス会長はラモス氏に謝罪したという。
(The Telegraph 9月14日)
 全米テニス協会のアダムス会長は、決勝戦の翌日に、ESPNのインタビューに答えて、セリーナの「性差別」という主張を擁護し、「私たちは男子選手がこのような暴言を浴びせているのを見ている。彼らはコートチェンジの間に主審に食い下がっている。しかし主審は何もしない。これは不公平だ」と語っていた。 
 しかし、アダムス会長の主張は、全米オープンで言い渡されたコード違反は、男子選手に対して86件、女性に対して22件だったことが明らかになり、アダムス会長の「平等ではない」という主張はあっさり崩れ去った。過去20年間のグランド・スラム・イベントの統計でも、男子1534件、女子526になることも判明している。
 コード違反は、全体で男子選手が約3倍から4倍の件数を受けているのである。
 またラケットの破壊行為違反(Racket Abuse)は、男子選手が86%以上を占めているいるだけでなく、言葉の濫用違反(Verval Abuse)も80%弱を占めている。
 しかしコーチング違反は、女子選手が男子選手の約2倍が言い渡されているという。
 女子選手とコーチの人間関係が、男子選手と場合と比較して、濃淡に差があることが影響しているかもしれない。
 そしてコーチング違反の発生率は、女子選手の間では過去10年間で増加しているとされている。
 コーチングは昨年のウインブルドンでも横行していたという。何人かの女子選手のコーチは、カロリーナ・ガルシアの父親のように、選手にシグナルを送っているのが目撃されいる。
 女子テニス協会主催のトーナメントのルールは、グランドスラムのルールと異なり、「オンサイト・コーチング」という制度があり、選手が希望すれば、コーチはコートチェンジの休憩時間にコートに入って選手にアドバイスをすることが認められている。しかしスタンドのコーチ席からのコーチングは禁じられている。
 こうしたことが女子選手やコーチの間では、コーチング違反に対して「甘い」認識が生まれる遠因なのかもしれない。



出典 BBC SPORT




東京オリンピック ボランティア タダ働き やりがい搾取 動員 ボランティアは「タダ働き」の労働力ではない!





大坂なおみ 全米オープン初優勝 セリーナ・ウィリアムズをストレートで破る

 テニスの4大大会最終戦、全米オープン第13日は9月8日(日本時間9日)、ニューヨークのビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンターで、女子シングルスの決勝が行われ、初優勝に挑む第20シードの大坂なおみ(日清食品、日本)が、元世界ランク1位で第17シードのセリーナ・ウィリアムズ(Serena Williams)(米)を6―2、6―4のストレートで破り、初優勝。男女を通じて日本勢初の快挙を達成した。
 とにかく異例の決勝戦だった。



【マッチハイライト】大坂なおみ vs セレナ・ウイリアムズ/全米オープンテニス2018 決勝【WOWOW】/Youtube
 
パワーの強烈さを印象づけた大坂なおみ 第1セット(6-2)で先行
 第一セットの最初のポイントで大坂はパワーの強烈さを印象付けた。12回続いたラリーにセリーナは根負けしたのか大坂の鋭いストロークに撃ち抜かれた。セリーナは、いつもは、序盤は慎重に滑り出すのに、このゲームでは早めに仕掛けてきた。大坂の思っていた以上のパワーに受けて分が悪いと感じとったのに違いない。
 結果は明白、ラリーが「9回以上」続いた攻防戦は大坂の7勝1敗だった。
 それでも第1ゲームはセリーナがキープした。
 そして第2ゲームは大坂がキープした。
 波乱は第3ゲームで起きた。
 サーブ、ストロークで優勢に立った大坂はゲームの主導権をセリーナに渡さなかった。
 ゲームポイントを握った大坂に対し、セリーナはプレッシャーからか、トスを乱し、ダブルフォールトでゲームを失った。
 このブレークの先行で大坂は大いに自信を深めただろう。
 大坂は第4ゲームをキープすると、続く第5ゲームでも大坂は鋭いリターンを連発し、セリーナを圧倒して再びブレーク、このゲームで圧倒的に優位に立った。
 第6ゲームは大坂はブレークポイントを握られたが、時速200km近い高速サーブで巻き返し、キープした。
 第7ゲームはウィリアムズが0―30から踏ん張り、キープ。しかし、第8ゲームは大坂はサーブの鋭いサーブでセリーナを圧倒し、第1セットを6-2で奪った。
 結果は2ブレーク・アップの大坂の圧勝だった。事前の予想を覆した大坂の1セット先取だった。
 セリーナは、大坂のパワー溢れたサーブとストロークに圧倒されゲームの主導権を握れないことに苛立っただろう。

「Patience!」(我慢)のテニスを覚えて、タフなプレーヤーに成長した大坂なおみ
 事前の予想を覆して、サーブでもストロークでもセリーナの劣勢は明らかだった。
 誰もが、グランドスラム、23回の優勝を果たし、「女子テニスのリジェンド」と呼ばれていたセリーナが、初めて全米オープンの決勝戦に臨んだ若干20歳の大坂を軽く一蹴して久しぶりに優勝すると思っていた。
 「セリーナにパワー勝負で勝てる選手はいない」、「大坂に負けるはずがない」、そんな先入観が観客やセリーナ自身にもあったのだろう。

 しかし、まだ20歳、伸び盛りの大坂は、サーシャ・バイン(Sasha Bajin)コーチの指導でめきめきと実力をつけてきた。
 バイン氏は、1984年10月4日ドイツで生まれたセルビア系ドイツ人で、今年33歳、2005年から08年にかけて選手としてATPツアーに出場するが、世界ランキングは1165位と成績が残せず引退。コーチ転身後はセリーナのヒッティングパートナーを8年間務め、その後はビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)、2017年にはキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)のヒッティングパートナーを務め、2018年1月にウォズニアッキの世界ランク1位復帰を後押しした。
 ヒッティングパートナーなので、選手にコーチングをすることはない。
 2017年12月、バイン氏は初めてコーチとして、大坂なおみを指導することになった。
 大坂は、バイン氏の元で、オフには約7キロ体重を絞り、体幹を鍛え、体力と敏捷性を身に付けた。
 プレー・スタイルも強打一辺倒ではなく、「辛抱する」プレーを身に付け、我慢をしながらラリーを続け、チャンスを狙うテニスも覚えて、安定感が飛躍的に高まった。
 メンタル面でも、これまでは大坂はうまくプレーができないとすぐにキレれて苛立っていたのを、「辛抱」(Patience)を覚えさせ、どんな状況でも冷静な気持ちを保ち続けるタフな精神を磨き上げた。
 パイン氏は、試合後、「なおみを本当に誇りに思う。動き続けることが大事で、フィジカル面でも相手より良かった。(相手の抗議や観衆のブーイングに対しても)集中力を保って戦ってくれたことがうれしい」と語った。
 フィジカル面でも、メンタル面でも、すでに大坂はセリーナを完璧に上回っていた。
 バイン氏が大坂なおみのコーチに就任してわずか9か月で全米オープンを制覇、選手にとってコーチの存在がいかに重要かを示した格好のケースである。同時に「名選手は名コーチ」だとも、必ずしも言えないことも頭に置きたい。

「苛立ち」で自滅 3度の警告を受けたセリーナ 第2セット(大坂6―4セリーナ)
 第2セットの第1ゲームはウィリアムズがキープした。
 第一回目の波乱は第2ゲームの途中に発生した。
 大坂のサーブのゲームで、40-15で大坂がセットポイントを握ったとき、主審のカルロス・ラモス氏(Carlos Ramos)はセリーナのコーチ、パトリック・ムラトグルー氏(Patrick Mouratoglou)が、スタンドのコーチ席で、手でサインを送り、アドバイスをしたという「コーチングバイオレーション」が言い渡したのである。
 グランドスラムでは、スタンドにいるコーチは選手に対して、声を出したり、しぐさで、アドバイスをしてはならないというルールがある。テニスファンなら知っているルールだ。ましてセリーナが知らないはずがない。「コーチングバイオレーション」は、実際に選手が気が付いていたかどうかは、関係がない。コーチがサインを送ったことだけで、反則なのである。
 セリーナはこれに対して、「コーチは親指を立てて『カモン』と言っただけ。それはコーチングにならない。ルールは分かっているわよね?」と主審に詰め寄った。そして“We don't have any code.”(私たちはそんなルールは知らない)とし、“ I don’t cheat win. I’d rather lose.”(私はズルをしない! そうするなら負けたほうがましよ!)と主審に激しく抗議した。
 しかし、中継映像では、スタンドのコーチ席でムラトグルー氏が両手を広げて前後に動かしているコーチの姿が映し出されていた。ムラトグルー氏はジェスチャーの最後に、「わかったね!」という表情でうなずいている姿が確認できる。セリーナがムラトグルー氏の方を見ていたかは、中継映像からは確認できないが、ムラトグルー氏のうなずきをを見ると明らかにセリーナと目線があってとするのが自然だ。
 このジェスチャーが「コーチングバイオレーション」と判定されたのである。WOWOWの中継番組の解説者の伊達公子氏は、ボデーを狙えとか、前後に揺さぶれという指示のように考えられるとしている。さらに、この後のゲームでセリーナが絶妙のドロップショットを繰り出しポイントを奪ったが、このドロップショットはムラトグルー氏のコーチングで生まれた可能性があるとを伊達公子氏は指摘した。
 試合終了後、ムラトグルー氏は試合後、スタンドで全米中継していたESPNの取材を受け、「正直に言うけど、私はコーチングをしていた。彼女は私を見ていなかったと思うけど、私は100%コーチングをしていた。試合中、100%だ」とあっさりと非を認めた。
 しかし、ムラトグルー氏の「わかったね!」とうなずきは、セリーナと視線があったいた証拠だろう。テニスの中継では多数のカメラが常に決められた対象を撮影し録画したいる。コーチ席だけを狙うカメラ、セリーナだけを狙うカメラ、その映像はすべて録画されている。映像を検証するば、ムラトグルー氏とセリーナが嘘を付いているかは容易に明らかになるはずだ。
 問題は、コーチによる試合中の指導はルール違反と規定されているが、実際には常態化しているとムラトグルー氏が主張したことだ。
 「だが、偽善者のようなことはやめよう。サーシャだって全てのポイントでコーチングしている。この試合のチェアアンパイアはラファ(ナダル)の決勝でトニ(元コーチ)がほとんど全てのポイントで指導していたのに、警告を与えなかった。私には全く理解できない。みんなやっているさ」
 もし、ムラトグルー氏の指摘の通り、「コーチングバイオレーション」横行し、審判がこれを見過ごしていたのが実態なら、問題は深刻であろう。
 セリーナへの警告は、明らかに公正を欠き、セリーナを標的にした「差別」と批判されても致し方ない。
 これに対して全米オープンのコミッショナーは、主審のラモス氏の判定を支持し、審判として公正な判定をしたとしている。
 しかし、「コーチングバイオレーション」が横行しているという告発に対しては、これから議論が巻き起こるかもしれないとして、曖昧な姿勢をとった。
 主催者はこの件について、明確な見解を明らかにすべきで、きわめて不明朗である。
 一刻も早く、きちんとして検証をテニス連盟はすべきである。

 第2ゲームは大坂が簡単にキープしてイーブンとなった。

 セリーナは、大坂に対して劣勢が続いて思うようにプレーできない苛立ちが高まる中で、一回目の警告を受けたことで冷静さを少しずつ失い始めていた。
 その後直後の第3ゲームにその影響が表れた。セリーナは、ダブルフォールトを連発し、大坂のブレークを許す。先手を取ったのは王者、セリーナではなく大坂だった。セリーナの焦りはさらに高まったのは間違いない。
 コートチェンジの間の休憩時間に、セリーナは主審に、「私はズルをしていない」と再び抗議した。試合の流れを見ると、思うように試合の主導権を握れない苛立ちが主審の判定に向けられたのは明らかだ。
 しかし、最後に“Thank you so much”と付け加えるなど、この時点ではセリーナ冷静さを失ってはいない。テニスの試合は、選手が休憩時間に主審に抗議するのは随所で見られる普通の光景だ。



【マッチハイライト】大坂なおみ vs セレナ・ウイリアムズ/全米オープンテニス2018 決勝【WOWOW】/Youtube

 第3ゲームはジュースとなったが、セリーナがキープした。
 第4ゲームでセリーナが王者の意地を見せた。このゲームは大坂のサービスゲームで激しいストローク戦を繰り広げた。大坂は再三に渡ってセリーナに握られたブレークポイントを得意の弾丸サーブで切り抜け粘ったが、4回に渡るデュースの末、セリーナがブレークに成功する。今度は王者、セリーナが先行し、3-1とした。
 これでセリーナの猛反撃が始まり、誰しもが試合の流れはセリーナに傾いたと思った。
 グランドスラム23回の優勝を誇るセリーナである。

審判に暴言と罵声を浴びせたセリーナ
 しかし、悪夢は第5ゲームに訪れた。
 セリーナはダブルフォールトなどのミスを連発し、大坂があっさりブレークバックしたのである。
 セリーナはラケットを激しくコートにたたきつけ、ラケットをへし折った。
 このゲームでセリーナはキープすれば、第2セットは圧倒的に優位に立てる。さらにゲームの流れを支配して、決勝戦の行方にも優位に立つ。まさにこの試合でどちらが勝つかのターニングポイントであった。
 ブレークバックされたことで、セリーナのフラストレーションは頂点に達し、激高して平常心を完全に失った。
 ぐにゃぐにゃに曲がったラケットが、セリーナのベンチの背後に放り投げられてている様子が、テレビ中継の画面に映し出されていた。
 ラケットを破壊したことで、セリーナは審判から2度目の警告(Racquet Abuse)を受け、ルールに基づき、第6ゲームは大坂に1ポイント入った15-0からスタートした。結果、大坂が簡単に第6ゲームをキープした。
 これでセリーナに傾いた決勝戦の流れは断ち切られた。
 第7ゲームも大坂の鋭いリターンがセリーナを圧倒し、大坂がブレークに成功、これで第2セットも大坂が優位に立ち、今度は、流れは一気に大坂に傾いた
 ここで「事件」が起きる。
 セリーナは、主審のラモス氏に詰め寄り、“I didn't get coaching. You need to make an announcement that I don't cheat. You owe me an apology,”(私はコーチングは受けていない。あなたは私がズルをしていないことをアナウンスする必要がある。あなたは私に謝るべきだ)と叫び、"I have never cheated in my life. I have a daughter and I stand for what's right for her. I have never cheated."(私はこれまでズルをしたことはない。私には娘がいるし、常に娘に対し何が正しいかを示している。私はズルをしていない)と暴言を浴びさせた。
 セリーナのはすごい剣幕で審判に詰め寄り、恫喝したのである。
 試合の展開を見れば、明らかに大坂のブレーク許したことに苛立って、前のセットに言い渡された「コーチングバイオレーション」を持ち出して主審にフラストレーションをぶつけたのであろう。パワーでセリーナを圧倒し、何の非もない大坂に対してはどんなに悔しくても何も言えないのである。





セリーナ ラケット破壊/Youtube

前代未聞の醜態、セリーナの罵詈雑言
 前代未聞の醜態が演じられたのが第8ゲームである。
 セリーナは再び審判に詰め寄り、審判に対して決定的な暴言を放ち、怒りを爆発させた。
 "You stole a point from me. You are a thief,……"(あなたは私のポイントを奪った。盗人!)
 さらに、"You will never, ever, ever be on another court of mine as long as you live. You are the liar. When are you going to give me my apology? You owe me an apology."
 (あなたを二度と私の試合のコートに入れないだろう。あなたは嘘つきだ。いつ私に謝罪してくれるのか、あなたは謝罪すべきだ)と「嘘つき」、「謝れ」と執拗に暴言を繰り返した。まさに罵詈雑言だろう。「テニスのリジェンド」としての威厳も、「アスリート」としても品位も微塵も感じられない。
 さらに怒りが収まらないセリーナは、コートレフリーを呼び出し抗議を続けた。
 2万人観客のブーイングがコートに溢れ、観客の踏み鳴らす足音が雷のように鳴り響いた。屋根の閉まったスタジオではもの凄い音が渦巻いた。観客は親指を立ててポルトガル人の主審のラモス氏を糾弾した。
 大坂は無言で下を向いてその場から遠ざかり、コートの壁に向いて、一人、冷静さを保ったという。
 試合後、大坂は、"I didn't really hear anything because I had my back turned," (私には何も聞こえてこなかった。なぜなら私は背を向けていたから)と話している。
 初の決勝戦という大舞台で、騒然とした雰囲気の中で20歳の大坂は平常心を維持することができた。
 見事というほかない。大坂のメンタル面での強さに感動を覚えた。


出典 ITF





大坂なおみ vs セリーナ・ウィリアムズ 2-0 ハイライト 08/09/2018 ファイナルアメリカンオープ EUROSPORT/Youtube
  
セリーナにテニスプレーヤーとしての資格はない
 筆者は、生中継の画面で見ていたが、セリーナの余りにも迫力のある罵声と口汚い言葉に、驚愕し、怒りさえ覚えた。これがグランドスラムを23回の優勝した「女子テニス界のリジェンド」のとるべき態度なのか。愕然である。まるで格闘技の「バトル」を見ている思いで余りにも見苦しい。
 筆者も近隣のテニスクラブで、20年以上テニスを楽しんでいる「テニス愛好家」で、グランドスラムは毎回、テレビで視聴している。
 テニスは、スポーツマン・シッップと礼節を重んじるスポーツだと思っていた。
 対戦相手のナイスショットには、「ナイスショット!」と称え、相手へのリスペクトを常に忘れない。コードボール(ネットインのボール)で得点しても手を挙げて「申し訳ない」と態度で示す。それがテニスプレーヤーではないか。
 劣勢で、思うようにプレーができない、そんないら立ちを審判にぶつけるセリーナには、スポーツマン・シップの礼節が微塵にも感じられない。
 NBA、フットボール、サッカーやラグビーなどでは、セリーナと同じような暴挙を行ったら、「一発退場」は間違いない。
 興奮して罵声を浴びせるセリーナ、冷静にやりすごす大坂、二人はあまりにも対照的だった。この光景を見れば、女子テニス界の「真の王者」は誰なのか明らかであろう。
 セリーナは「テニスのリジェンド」の栄光と誇りをすべて失った。スポーツマン・シップを持てないプレーヤーはコートから去るべきだ。 
 執拗に審判に抗議するウィリアムズに、三度目の警告(Verval Abuse)が与えられ、このゲームは大坂に与えるというペナルティが与えられ、大坂の5-3となった。

セリーナとスタジアムの観客は大坂なおみに謝るべきだ
 スタジアムでは、「地鳴り」のようなブーイングが巻き起こり異様な雰囲気に包まれた。
 それでも第9ゲームはセリーナが執念でキープした。セリーナがポイントを取るたびに観客は大歓声を上げ、大坂のミスショットに対しても観客は拍手と大歓声を上げてこれに答えた。セリーナを応援する観客に、ミスショット(アンフォース・エラー)には、拍手と歓声ではなく、「惜しい!」と応じるのが観客のモラルだ。アメリカの市民にモラルはないのか。「アメリカン・ファースト」を声高に唱えるトランプ政権の姿勢がスタジアムを支配しているように思えた。
 ゲームポイントを握った第10ゲーム、大坂が強烈なサーブを連発し、ついに初優勝を果たした。

 勝利を手にした大坂は、コートで喜びを発散せず、サンバーザーに顔を隠して涙を流した。なんという光景なのだろうか。グランドスラム初優勝の輝かしい勝者がこんなパーフォーマンスしかできなかったことをセリーナやアメリカの観客はどう思っているのだろうか。
 これまで、筆者はグランドスラムの優勝者の何度も見てきた。コートに倒れ込んだり、飛び上がって、全身で喜びを表現する。それが勝者に与えられた栄光である。
 勝者の喜びを爆発できなかった大坂にセリーナもアメリカの観衆も詫びるべきだ。
 セリーナに、アメリカの観客に絶望した。ニューヨークはグランドスラムを開催する資格はない。



【マッチハイライト】大坂なおみ vs セレナ・ウイリアムズ/全米オープンテニス2018 決勝【WOWOW】/Youtube
母親と抱き合って勝利の涙を流す大坂なおみ これ以後大坂が流した涙は喜びの涙ではない

大坂なおみの初優勝を台無しにした2万人の観客

 表彰式は、かつてない悲惨なセレモニーになった。
 司会者がセレモニーの開始を宣言すると2万人の観衆は「地鳴り」のようなブーイングの嵐で答えた。
 悲願のグランドスラム初優勝を果した大坂なおみはサンバーザーで顔を隠して泣いていた。何度も涙を拭う。なんという残酷な光景だろう。全米オープンを制した勝者が、はちきれんばかりの笑顔と全身で喜びを表す舞台が表彰式だ。どんなに悔しくても敗者と観客は、勝者を賞賛するのがモラルだ。
 
 最初に挨拶をした全米テニス協会(USTA)のカトリーナ・アダムズ会長(Katrina Adams)のコメントが余りにもひどい。
 勝者の大坂なおみへの賞賛は後回しにして、最初に醜態を演じて決勝戦を台無しにしたセリーナを高らかに称えた。
 「セリーナ、あなたは王者の中の王者で、すべての人にとって理想の母親であり尊敬される。お帰りなさい。あなたには王者にふさわしいパワーと気品がある。決勝戦の敗戦は私たちが望んだ結末ではなかった。でもあなたは真のチャンピョン、すべての人からリスペクトされる」と述べ、最大限の賛辞を贈った。
 セリーナの隣で、この挨拶を聞きながら涙を拭っていた。大坂の涙は、全米オープンを制した喜びの涙では明らかになかっただろう。一体、大坂はどんな心境でこの挨拶を聞いていたのだろうか。
 それにしても、この挨拶にはあきれ果てる。中継番組を見ていて怒りさえ覚えた。主催者が「私たちが求めた結末ではなかった」とか「セリーナは王者の中の王者」と表彰式で述べる無神経さが到底信じられない。アダムズ会長にお粗末さは愕然である。暴言を繰り返して醜態を曝け出したセリーナのどこに「王者にふさわしいパワーと気品がある」のか。娘が成長して、興奮してラモス氏を罵倒している母親の姿を見てどう思うのか。「すべての人にとって理想の母親であり尊敬される」とどうして言えるのか。
 アダムズ会長が、まず最大限の賞賛を与えなければならないのは初優勝した大坂なおみに間違いない。 
 この件については、地元メディアからも批判が出され、「勝者を侮辱するような対応をした」と伝えている。
 主催者の全米テニス協会、2万人の観客、モラルも礼節も、勝者をリスペクトする心を微塵も持ち合わせていない。そのお粗末さに失望するだけでなく、怒りさえ覚えたのは筆者だけだろうか。





[FULL] 2018 US Open trophy ceremony with Serena Williams and Naomi Osaka ESPN/Youtube

 さすがにこれはまずいとセリーナもふと我に返ったのだろう。
 "Let's not boo any more," (ブーイングは止めて!)、セリーナは観客に語りかけて、
「ナオミは初のグランドスラムで良いプレーをした。今をベストな瞬間にしましょう。認めるべき功績を認めましょう。ポジティブになりましょう」と話した。
 そして、"Congratulations Naomi. No more booing."(なおみ、おめでとう。ブーイングは止めて!)と観客に叫んだ。
 観客はこれに答えてブーイングを止め、大坂なおみへの賞賛の声に変った。
 そして、大坂の耳元に「あなたのことは誇りに思う。この観客のブーイングはあなたに向けているのではない」と囁いたいう。

 表彰式の司会者は、優勝者へのインタビューを始めた。
 「いつかグランドスラム決勝でセリーナと戦うのが夢だと言っていました。今はどんなお気持ちですか?」と問いかけた。
 大坂は、涙を拭って、マイクロフォンを手にして、「質問への答え出ないことを話そうと思います。ごめんなさい」と涙を浮かべて話し始めた。
 そして、"I know everyone was cheering for her and I am sorry it has to end like this," (私はみんながセリーナを応援していたこと知っています。こんな終わり方になっってごめんなさい)と語り、「決勝でセレーナとプレイするのが夢でした。プレイしてくれてありがとう。そして試合を見てくれてみなさんありがとう」と話した。
 なんという勝者のスピーチだろう。筆者はこれまであらゆるスポーツ大会で、こんな言葉のスピーチをした優勝者は知らない。
 アメリカ市民の中には、セリーナがブーイングを止めてと観客を制止し、大坂におめでとうと言ったことを誉め称える声が寄せられたと伝えられている。
 まったくお門違いも甚だしい。何が問題なのかまったく理解していないアメリカ市民の鈍感なメンタリティに唖然とするばかりだ。
 NYポスト紙は、「USオープンは恥を知るべき、これ以上にスポーツマンらしくない出来事があったか思い出すのに苦労する」とセリーナとテニス協会と観客を痛烈に批判した。そして「ナオミは勝つべくして勝った、この試合から何か盗まれたものがあったとしたら、それはナオミの歓喜の姿だ」とした。
 「王者としても優雅さと気品」を保った20歳の大坂に対し、36歳のセリーナは「子供じみた泣き言」を叫び醜態を晒したと酷評されている。

国際テニス連盟、セリーナに罰金189万円
 9月10日、国際テニス連盟(ITF)は、全米オープン女子シングルス決勝でセリーナ・ウィリアムズ(米国)に3度の違反行為によるペナルティーを与えた主審カルロス・ラモス氏の判定について「適切なルールに沿っていた」と、支持する声明を発表した。
 声明文は「カルロス・ラモスはテニス界においてもっとも経験豊富でリスペクトされている審判の一人である」とし、「ラモス氏の判断は関連規則に従ったものであり、3度の侮辱的発言を行ったセリーナ・ウィリアムズに対して罰金を科した全米オープン主催者の判断によって再確認されている」とした。
 さらに国際テニス連盟は、決勝の大舞台で見せたセリーナの一連の行動を「目に余る遺憾な出来事」とし、「論争が巻き起こるは当然である。と同時にラモス氏が関連規則に従って審判の義務を果たし、常にプロフェッショナルに誠実に行動していた」と、同主審の判断を称えた。

 また全米オープンの主催者は9日、前日の女子シングルス決勝で主審に暴言を吐くなどの3度の違反行為があったセリーナ・ウィリアムズ(米国)に対し、1万7000ドル(約189万円)の罰金を科した。
 罰金1万7000ドルの内訳は、主審への暴言で1万ドル、コーチからの助言で4000ドル、ラケットの破壊で3000ドルがペナルティーとされている。罰金は準優勝の賞金185万ドル(約2億535万円)から引かれるとしている。(AP通信)

セリーナ ペナルティーは「性差別」を主張
 これに対してセレーナ・ウィリアムス(Serena Williams)は、9月8日、不正行為はなかったと主張し、ペナルティーは性差別だとして批判した。
 審判への暴言についても、男子選手が同様行為をしても罰則は与えられないはずだと主張した。
 セレーナは試合中にコーチのパトリック・ムラトグルー(Patrick Mouratoglou)氏からコーチングを受けたことはこれまでに一度もないと主張しているが、ムラトグルー氏は米スポーツ専門チャンネルESPNに対しその事実を認め、コーチ全員がしている行為だとした。
 セレーナは「パトリックには『一体何を言っているの?』とメールした。私たちにはサインなどない。サインについて話したことも一度もない」と話している。
 また、性差別と戦う女性のアイコンとして地位を築いているセレーナは、テニス界は男子選手と女子選手の扱いが違うと指摘する。
 「男子選手が審判に注文を付けるシーンをこれまでに見てきた。私は女性の権利と平等のために戦うためにここにいる」
 「私は『盗人』と言い、彼はペナルティーを科す。性差別的だと感じた」「彼は『盗人』と言った男子選手を罰したことは一度もない。それで私の心は折れてしまった。だけど、私は女性のためにこれからも戦う」(AFPBB News)
 これに対して国際テニス連盟は「この件が議論を起こすことは理解できるが、ラモス氏が誠実に、プロとしてルールを適用する義務を果たしたことも覚えておきたい」とした。(AP通信)
 またラモス氏は、9月12日、母国ポルトガルの地元紙に、騒動後に初めてコメントを出した。
 ラモス氏は「私は大丈夫」とし、「アンハッピーな状況だが、好みによる判定は存在しない。どうかわたしのことは心配しないで」と語っている。
 一方、女子テニス協会(WTA)のスティーブ・サイモン(Steve Simon)最高経営責任者(CEO)は9月9日、セリーナに3度のコードバイオレーションが科されたのは「性差別的だ」とするセレーナの主張を擁護した。
 サイモンCEOは審判について、前日の一戦では男女によって異なる基準が適用されているのではないかとする疑問に大きな注目が集まったとした上で、「WTAは、選手によって感情が表現された際、それに対する許容の基準に男女で違いがあってはならないと信じている。そして、すべての選手が平等な扱いを確実に受けられるよう、競技と一丸となって全力を尽くしている。これについては、昨日で終わりではないと考えている」と語った。(AFP時事)
 女子テニス協会(WTA)は、女子テニスの世界ツアー戦を運営する組織で、女子テニス協会(WTA)としても同じ内容の声明を出した。
 これに対して、国際テニス連盟(ITF)も声明を発表し、「ラモス氏は、テニス界で最も経験豊かで尊敬される主審の一人である。彼の決定は関連するルールに従っており、3度の警告を受けたセリーナ・ウィリアムズ選手に対し、全米オープンが罰金を課したことで、ラモス氏の決定は改めて支持されている。」とし、「この残念な出来事が、注目を浴びて議論を呼び起こすことは理解している。同時に重要なことは、ラモス氏はプロフェッショナル意識と威厳を保ち、ルールを遵守して、主審として義務を果たしたことを記憶することだ」とラモス氏の判定を支持した。

「王者」の威厳と風格を捨て去ったセリーナ
 「コーチングバイオレーション」については、明らかにムラトグルー氏はコーチ席でセリーナにサインを送っていた。それをセリーナが気が付いていたかはわからない。しかし、ムラトグルー氏がサインを送っていいた姿や「わかった?」とうなずく様子は中継映像に記録されていて言い逃れはできない。そもそもムラトグルー氏は「コーチングバイオレーション」を認めている。
 セリーナは、まずこの件について、「コーチングバイオレーション」があったことは潔く認めて、主審のラモスに浴びさせた暴言について謝罪すべきだ。「真の王者」だったらそうすべきだ。「嘘つき」はセリーナ、この批判にセリーナは答える義務がある。
 性差別を持ち出す前に、まず必要なのは謝罪であろう。
 「嘘つき」、「盗人」といった暴言を興奮して怒鳴りちらす醜態には「真の王者」の威厳と品格がまったく感じられない。あんなに執拗に暴言を浴びせる選手は、筆者はみたことがない。主審のラモス氏は恐怖すらお覚えたに違いない。
 仮にコート上ではなくて、一般社会の場で、同様の暴言を浴びせたら、パワハラ、セクハラどころではなく、名誉棄損の対象となる。
 セリーナは、暴言と醜態の責任を完全に「性差別」の問題にすり替えている。
 セリーナは真摯に反省して、ラモス氏や対戦相手の大坂ナオミに謝罪すべきだ。それが「真の王者」のとるべき態度だろう。性差別を議論する以前のアスリートとしての義務を果たすべきだ。
 「女性の権利と平等のために戦う」のはその後だ。なぜセリーナは非を認めて謝罪しないか。
 同様に、全米テニス協会会長も真摯に反省して大坂なおみに謝罪する必要があるだろう。

残された問題 性差別
 ムラトグルー氏は、「コーチングバイオレーション」をあっさり認めた一方で、コーチによる試合中の指導はルール違反と規定されているが、実際には常態化していると主張している。
 「だが、偽善者のようなことはやめよう。サーシャだって全てのポイントでコーチングしている。この試合のチェアアンパイアはラファ(ナダル)の決勝でトニ(元コーチ)がほとんど全てのポイントで指導していたのに、警告を与えなかった。私には全く理解できない。みんなやっているさ」
 国際テニス連盟は、この告発に対して、答えていない。
 もし、「コーチングバイオレーション」横行し、審判がこれを見過ごしていたのが実態なら、問題は深刻で、国際テニス連盟は真摯に取り組まなければならない。FIFAワールドカップで採用したVARのようなシステムを導入にすれば容易に監視可能だ。
 また「コーチングバイオレーション」がルールとして不適格で「コーチング」を認めるべきだというテニス関係者の意見もある。
 しかし、またしても問題のすり替えが行われている。ルールの改正が必要なら、コート上で暴言と醜態を主審に浴びせるのは言語道断、別の場で議論するべきだ。
 スポーツには公正な判定が不可欠であるのは当然だ。

 セリーナは「男子選手が審判に注文を付けるシーンをこれまでに見てきた。私は『盗人』と言い、彼はペナルティーを科す。彼は『盗人』と言った男子選手を罰したことは一度もない。それで私の心は折れてしまった」と語っている。(AFPBB News)
 このセリーナの発言についても、国際テニス連盟は、正面から答えず、曖昧にしている。ジョコビッチ、マレー、ナダルなどの男子のビックプレーヤーは、かつて何度も主審に近寄り抗議をしている。その時に、どんな言葉を浴びせて抗議をしたか、そして主審はどんな対応をしたか、国際テニス連盟は調査をして明らかにすべきだ。
 しかし、あの醜態を演じたセリーナの責任は依然として免れることはない。

 セリーナは決勝戦に敗退後、「私は『盗人』と言い、彼はペナルティーを科す。性差別的だと感じた。「彼は『盗人』と言った男子選手を罰したことは一度もない。それで私の心は折れてしまった。だけど、私は女性のためにこれからも戦う」と女性の権利と平等のために戦うと宣言した。
 筆者は、これまでテニス界に隠然と存在していた人種差別や性差別と戦いながら、グランドスラム23回の優勝を果たし、「テニスのリジェンド」の地位を手にした姿は敬意を表する。とりわけトランプ政権になって「差別」意識に変化が生まれている中で、セリーナの存在は重要さを増すだろう。
 アメリカの社会の中で、「性差別」は極めて重要な意味を持つ。
 そのことが、「性差別」というワードが出されると企業も団体も、メディアも冷静な検証を避ける傾向がある。
 今回の一件で、セリーナの「性差別」という主張に同調する主張を掲げる関係者やメディアも多い。
 しかし、「性差別」の一言で、スポーツでは何よりも大切なスポーツマンシップや対戦相手へのリスぺクト、威厳と品格、そして寛容の精神が吹き飛ばされているのは見逃すことができない。メディアの論調も「性差別」の一言が出てきた瞬間、身を引いてしまう。
 「性差別」があったのかどうか、これまでの「コーチングバイオレーション」や暴言の事実関係を冷静に検証し明らかにした上で、議論すべきだと考える。今のままでは余りにも不明瞭で感情論に流されすぎる。

 とにかく、決勝戦と表彰式を台無しにしたセリーナ、全米テニス協会アダムズ会長、2万人観客は、大坂なおみに謝ってほしい。それがスポーツマンシップの正義だ。




東京オリンピック ボランティア タダ働き やりがい搾取 動員 ボランティアは「タダ働き」の労働力ではない!
有働由美子 news zero批判 ニュースになっていないnews zero ニュースキャスター失格 あさイチの成功






2018年9月10日
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廣谷  徹
Toru Hiroya
国際メディアサービスシステム研究所
代表
International Media Service System Research Institute
(IMSSR)
President
E-mail thiroya@r03.itscom.net  /  imssr@a09.itscom.net
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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2018-09-13 21:45:57
一部、「大阪」になっていますよ
Unknown (Unknown)
2018-09-19 12:23:11
泥棒といったから警告を受けたとなっていますが、この場面はそれが原因ではないと思いますね。
ゲームペナルティーをとる前のラモス氏の行動をよくいればセリーナの主張を聞き逃すまいと身を乗り出してすべて聞いた後に『タイム』と告げて次のプレーを促しているのです。セリーナは一瞬間をあけてなおもラモス氏に言い寄ったことでペナルティーを取られたのですよ。
各紙が報じる中では泥棒という言葉が独り歩きしているようですが正しい状況を伝えるべきだと私は思いますね。
あれは度を越したアピールによる警告でしょう。

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