地球散歩♪

いもとなおこのBLOG

モザンビークの楽園編。

仕事に必要な人間力。

2011年11月21日 | haïti

同僚が「週末、エチオピアのポストの電話面接があった」と伝えてきた。

私たちの仕事は1−2年の契約ごとに次のポストに応募して、勝ち得ないといけない。

今週もひとりがニューヨークに、もう一人の友達がワシントンD.C.に面接に発った。

面接をされたり、したりしているので、みんな面接のプロもいいところだ。

 

でもその同僚は、インタビューアー4人が全員、我が機関の「コアバリュー」「コアコンピタンシー」の質問しかせず、仕事の技術的なことに関しては何も聞いてこなかった、とがっかりしていた。

世界中100カ国以上に事務所を持つ我がマンモス機関は、入るのには競争が激しくて、世界中の国から集まる人たちで、価値観もバラバラ。

できるだけ公平性、普遍性を保つため、こういう人事のスケールとか、枠組みが、かなりしっかりしている。

技術的なことよりも、人物を見ようとする面接も結構多い。

インタビューで結構聞かれるのが、「大変だった経験をひとつ挙げ、それをどうやって処理したかを述べよ。」

 

「コアバリュー core values 」というのは、3つ。

コミュニケーション能力、チームワーク、あと、結果を追求する意欲、だったっけ。

「コア・コンピタンシー core competancies 」は結構たくさんあるけれど、これも似たような、一般的なもの。

リーダーシップとか。判断、分析能力とか。

 

もちろん技術的な知識や経験ってすごく大事。

それを目指して私も日々勉強しながら仕事しているし、知識や経験が役に立つ。

でも、そもそも人間として、というところも、やっぱりすごく大事。

私は日本の企業などで働いた経験があまりないけれど、

バランスのとれた「まともな人」ってこの世界、そんなにいない気がする。

いや、いるところにはいますよ。すごい人が。私の上司とか。

 

よくいるのが、絶対に自分の非を認めないで、いつもガードしている人。

謝る人ってほとんどいない。

だから日本に帰ると、「大変申し訳ございません」って頻繁に出てくるのでとても新鮮。

明らかに自分が悪いのにしらばっくれて逆ギレ、なんて日常茶飯事。

 

プライドの固まりで、「位」にしがみついている人もたまにいる。

いわゆる私が言うところの国連のカースト制度(笑)。

自然に私が上、あなた下、みたいな。

この人とは愛想よく話すけれど、この人とは話しても無駄、みたいな。

ちなみに私の分析は、アジア人にはこの手のタイプはほとんどいない。

カースト制度に関係なく、誇り高くて偉そうな人もハイチ人には結構いる。

私は、心の中でむっとしても、とりあえず下に下に出るように努力する。

日本人ってこういうことが簡単にできるから得!

 

あまり人とシェアせず、自分の範疇で仕事する人もいっぱいいる。

他の人や部と協調するのが面倒なのか、自分のボスに自分がやっていることをアピールさえすれば良いのか。

そういう人のところには私は足繁く通うようにしている。

社内メールだけでは×。

 

問題を解決するときの対応で、結構地が出る。

我関せず、の人。

あきらめる人。

非難する人。

ほじくり返す人。

チクる人。

自分がうまくやれるように政治ばかり考える人。

合理的に、あまり問題には触れず、次の段取りだけ考えて話す人。

私も日本人だからなのか、うまく問題をごまかして、結構次の手段を読んで提示する人だ。

 

難題を、インフォーマルな会話で、さりげなくしれ~っと進められる人を尊敬する。

 

周りの人を生かそうとする人、蹴落とそうとする人。

何にもしないのに、全部自分の手柄にしたい人。

 

いろんな人が居る。

 

仕事の味方にも、敵にもなり得る。

 

だからやっぱり、人事がポストのための技術力よりも「コアバリュー」をすごく重んじるのは、私は大事だと思うのだ。

問題は、それを30分くらいのインタビューでは計り得ないことだ。

だからやっぱり、「この人知ってる」が勝ってしまうのだ。

問題は、「この人知ってる、いい」と伝える人の質だ。

 

ぐちぐちと愚痴っているみたいだけれど、多国籍でバックグラウンドもバラバラな人たちの集まりなこの環境が、実は大好きなんです。

そして仕事以外でも話して楽しい友人とは、仕事もうまく運べる。

前のオフィスで一番好きだったのは、超キレキレで、人も温かいコンゴ人。

今の超キレキレで生まれながらのリーダーのセネガル人上司。

私のことを温かく見守ってくれるマダガスカル人。

いつもプライベートの話を真剣に聞いてくれる、ちょっと抱擁が温かすぎるスペイン人。

余計なお世話なんだけどヨガと精神カウンセリングを真剣に勧めてくれるフランス人の元ハウスメイト。

仕事の速さがいつも私を奮い立たせてくれるアメリカ人。

一緒の通勤車で朝夕他愛ない笑いをもたらしてくれるカメルーン人とモザンビーク人。

愚痴とブラックジョークを言い始めたら終わらなくなっちゃうイタリア人。

いつ部屋を訪れてもピシャリと的を得た回答を返してくれるイラク人。

そして、ジョークをいいながら、シャープに仕事をこなすハイチ人のチームメイトたち。

この仕事の醍醐味。

 

そして思う。

人間の真の価値(コアバリュー)と言うのは、やはり国際的にも普遍なのだ。


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2 Comments

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Unknown (watanabe satoshi)
2011-11-24 20:43:04
ふむふむ なかなか 面白い内容で 真剣に読んじゃった!いい仕事場〔場所はまちまちだろうけど〕いつでも 世界人な人達と話が出来て仕事が出来る 幸せですね!でも 無理は禁物死なないように気をつけてください!
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Unknown (のんこ)
2011-11-25 17:15:48
深いね。
なんて浅いコメントでいいのだろうか・・・。

そうそう、前回の投稿で思い出したんだけど、仙台から持って帰ってきたお帽子、お渡しするの忘れちゃったね~。
大切に我が家で保管しておりますので、ご心配なく。
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