地球散歩♪

いもとなおこのBLOG

モザンビークの楽園編。

水の中の世界にようこそ

2010年06月26日 | sri lanka

ずっと前から同僚から頼まれていた

「私の娘たちが泳ぎたがっているから教えてあげて欲しいんだけど・・・」

Okay no problem

でも厄介なことに・・・
教える相手は敬虔なイスラム教徒である同僚の娘さんたち
泳いだことがない人たちに教えるのは私の得意技
でも問題は

教えてあげるプールがない

だって男性に見られてはいけないんですもの

やっとこさで同僚が探し当てたのは
もう一人のムスリムの同僚のでかいプール付きのお家

まず本日のクライアントである彼女たちをお家にピックアップしに行く
私はいつも休日の昼間はワンピースばかり着ているのだけれど(暑いから)
今日はちゃんと半袖・長ズボン
普通は「パンツ」と私も言うけれど
今日は「長ズボン」と呼びたい気分だったのだ
ぴったりと覆い隠す、という意味で
ちなみにこの言葉を使うのは小学生ぶりくらいだ

家について 知っていたけれど
やっぱり全身覆い隠す黒いブルカ
見えているのは目だけ
その目にも眼鏡をかけているからさらに人格がまったくわからない
全身隠すブルカの人をよくスーパーなどで見かけるけれど
実際に「知り合い」になるのは初めて
車を運転して彼女たちの緊張をほどきながら
ブルカの中から見える世界はどんなだろうと思いをめぐらす
男性に話しかけてはいけない人生
実際それをどう捉えているのだろう・・・

初対面なのでそんな突っ込んだ質問はせず
お目当てのプール付き豪邸に到着
私の同僚2人は全然出てこない
オフィスとは違う対応である
たぶん オフィスは国連機関という環境だから
彼らもまったく普通に振舞っているけれど
プライベートで未婚の私に親しくしてはいけないのだろうと解釈

そんな中 私は物怖じせずおもむろに水着姿になってみる
もちろん男性二人は一瞬たりとも姿を見せない
本日のクライアントのイスラム教徒の娘っこたちは
シャルワカミースという普段着を着ている
つまり 泳ぐときも長袖長ズボン
そのままプールにそろりそろりと入る

今まで泳いだことがない15歳と13歳
最初は顔に水をつけることから始まり・・・
徐々に体を水に慣らし・・・
両足をプールの底から離せないで怖い怖いと騒ぐ娘っこたちに
横暴に水の中でいろんなことをさせ・・・(笑)

(省略)

1時間後

クロール泳いでます!

やったね


私は水の中で育った人だからよくわからないけれど
泳げない人が泳げるようになるのはすごい変化だと思う
新しい世界がぱーっと開けるくらいのものだと思う

でも公共のプールや海では泳げない彼女たち
泳ぐ機会を見つけるのが一苦労・・・

まあでも 一生懸命に泳ぐ彼女たちの嬉しそうな顔を見られて
ひとまずよかったよかった

途中で 泳げるようになった娘たちの成果を見せてあげたくて
彼女たちのパパを「来て!見て!」と呼ぶ
彼は恥ずかしそーに出てきて
娘たちの泳ぐ姿に感動し
さっさと引っ込む
そういうときこそ 私は大胆に水からあがって余計に恥ずかしがらせてしまおうと思ったけど
挑発的すぎるのでやめときました