地球散歩♪

いもとなおこのBLOG

モザンビークの楽園編。

除隊兵士

2005年10月17日 | rwanda
ルワンダの北西 ルヘンゲリ県の
ムトボ除隊センターへ行ってきました

私の専門は一応「平和構築」ですから
ルワンダ動員解除・社会復帰委員会のカウンターパートに「今度行く時連れていって」と言っておいたけど
「明日行くぞ」と金曜日に言われた

えー 土曜日じゃん。。。 休ませてよ。。。

みんな働き者だ


除隊兵士に対して 最初は少しびびってたけど
だんだん慣れてきた
ひとりひとりがどんな過去を持っているのか
詳細まで知る由もないが
すでに除隊訓練を受けている元兵士たちは 皆大人しいし
いろいろな悩みを持っていて
話すのは面白い
所詮は皆 普通の人間だ
(ひとりではよう会いに行きませんが)

ムトボ除隊センターにいる元兵士たちは
1994年の大虐殺のあとに
現政権打倒のためにお隣のコンゴ民主共和国に潜んでいた人たちだ
今でもおよそ1万5千人がルワンダに帰るに帰れず
民間人に悪さをしたりしている
これが両政府の関係を未だ緊張させ続けている一因となっている

今日会った兵士たちの中には
94年の虐殺(ジェノサイド)に係わった人もいるかも知れない

でも何か・・・
私 ジェノサイドの話も 何度も聞きすぎて読みすぎて
もう慣れてしまったかも
こんな自分は恐ろしいだろうか 逞しいだろうか
私自身は いちいち怖がらなくてよくなったし
直面できるようになったから嬉しいけど

センターに着くと
教官が私のことを元兵士たちに紹介してくれた
すると前列の4人がパンっと出てきて
歓迎の踊りを踊ってくれたのでした
(写真参照。何やってるのかわからないかもしれないけど)

兵士たちは 少し眼光が怖かった ような気がした
私に視線が突き刺さる
湖の向こうのコンゴの森で
何を見てきたんだろう

キニヤルワンダ語しか話せない兵士とは
コミュニケーションがまったく取れないけど
兵士の中には 
元々小学校教師をしていたというフランス語を話せる人がいて
彼が通訳してくれた

ほぼ皆が反乱グループから命からがら逃げてきたと話してくれた
逃げる途中で腕を打たれ
右腕がない人もいた
一緒に逃げた仲間がつかまって戻されたけど
どうなったかわからないと言った

今日の目的は医療検査だったから
服を脱いで
銃弾のあとを何度も見せられた

HIV陽性の者もいた
カウンターパートがカウンセリングをした
「6年ぶりに家に帰って 奥さんと再会して 性交をするときは
コンドームをつけなければいけないよ」

その兵士はコンドームを今まで見たことがなかった


皆 久々に家に帰るのが楽しみだと言っていた
そういう彼らの目は明るかった

それでも普通の生活に復帰するのは
困難がつきまとうかもしれない
村人たちからの疎外感もあるかもしれない
仕事を見つけるのも大変だ
不安も多いだろう
私に「仕事を紹介してくれ」と頼む者もいた

一生懸命家族のために働いて
周囲の人たちに認めてもらえるように頑張ってね
と言ったら
ありがとう とはにかんで応えた

頑張れ 元兵士たち