地球族日記

ものかきサーファー浅倉彩の日記

これに限る。

2012年03月28日 | たまに詩人になります
のびやかな夜。来るべき夏が粒子となって、はるかな闇にしのびこんでいる。
私はそれを、誰にはばかることなく胸いっぱいに吸い込んでいる。
その生き方をひとことで述べるならば、「味わい尽くす」。これに限る。

人生は、勝ち取るものではなく、味わうものなのである。
何もかもはドラマ。
たった一度きり通り過ぎる、つかのまの夢。
そうなのだから、心の赴くまま、日々暮らし、味気ない世間があの手この手で邪魔をしかけてくるのを、そこはうまいこと切り抜けて、しゃんしゃんとして、生きる。死ぬまで。

これに限る。

つややかな闇。
しとやかな風。
うららかな空気。
はじまりの合図。

これに限る。

今の自分は、いつだって、今しか出会えない真新しい自分なのである。
そうと気付かせてくれない粘土のような時間は、これは牢獄であるから、はやいとこ脱出を試みるべきである。
脱出に失敗したら、ああ。
失敗したなあ。
と失敗を味わって、懲りずにまた脱出を試みるべきである。
世界は、あふれんばかりの、試したことのないことと、出会ったことのない人でできている。

そんな場所でいったい、どうしろというのだ。

さすらう以外に。