JOEは来ず・・・ (旧Mr.Bation)

なんの役にも立たない事を只管シコシコと

「八月の濡れた砂」

2013-03-18 | 映画(DVD)
「日活映画 100年の青春」

「八月の濡れた砂」1971年 日活 監督:藤田敏八

夏の朝の海辺。高校生の清は不良学生たちに暴行された少女を目撃する。清は彼女にやさしくするが、彼女は清が家に服を取りに戻っている間にどこかへ消えてしまう。数日後、その時の少女・早苗が清のもとを訪ねてきた。やがて清と早苗、それに清の親友で高校を退学した健一郎の3人はつるんで遊ぶようになるのだが……。

実はテレサ野田というのは個人的に幻のような存在。
まだ小学生だったかもしれない。この人の名を聴くと凄くエッチでいけないような気がしていた。そのくせほとんど見た事がない。何でだか解らない。男性グラビア誌や11PMのカバーガールをやっていたからなのかもしれない。
後にNHKの「未来からの挑戦」を見て、オッ、テレサ野田だ!と思ったけど大したことなくて・・・

デビューの本作(三原早苗)を一度観てみたかったんだけど、やっぱり、お面付きはそれなりだけど、大した事は無い。不思議だ。舌足らずのしゃべりがエッチっぽいけど。

シラケ世代の閉塞感を表現した藤田敏八お得意の70年代青春映画。
「狂った果実」から15年後。若者がより若者らしくなってきた(自分の世代に近づいてきたからでしょう)時代。
村野武範の健一郎がいいですね。「飛び出せ青春」は青春ドラマで唯一、繰り返し何度も見ていましたから。
いつの間に、ダメになってしまったんでしょう、この人。
片桐君(修二:剛たつひと)と役柄が反転しているのが面白いなぁ、とか、母親の情夫が渡辺文雄で「食いしんぼう万歳」コンビ、もっと仲良くせえ。とか考えながら見てました。集中してないな。

健一郎は同意の上で事を成すことに何の意味も持たせられないかのように、犯せ、犯せ、そして自らも犯す。
そんな、健一郎に何らかの憧れを持っていながら怖いと感じている清(広瀬昌助)は基本、真面目な好青年のようです。
広瀬昌助。この役、沖雅也の怪我による代役で抜擢らしいですけど、実に好演。
好い人と思っていた清が健一郎の示唆で早苗の姉さん(藤田みどり)を犯す船上シーンに痺れる。

個人的には空き巣に入った山谷初男の権兵衛狸な展開がツボ。

主題歌、石川セリ。この前の「海は女の涙」よりはこっちの方が良いです。

ラストのヨット俯瞰のカット(上映後の撮影:萩原健二トークショーで苦労話していました)神がかり的なラストを迎え、日活は一般映画の製作を終了して、ロマンポルノ路線へ(この映画の製作時はまだポルノ路線は決まっていなかったそうですが)
大きな転機にある作品のラストカットとして見るとまた感概深く、優秀。

神保町シアター

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2 コメント

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レッツビギン (よしはら)
2013-03-21 19:57:28
石川セリのテーマ曲は、自分の大切なカラオケレパートリーの一つです。日本の名曲です。
自分は中高生の時、藤田敏八かぶれだったので、「八月」は名画座とテレビでなんべんもなんべんも観て暗記していたはずなんですが、imaponさんのこの記事を見ると、全て忘れていますね。
あの頃は夏の絶望感を愛していたのですが。
村野さんは小学生の頃太陽がくれた季節なので、この映画を初めて観た時、本当にビックリしました。
あと藤田監督もんのチイタケオとイシバシショウジが好きなのです。
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Unknown (imapon)
2013-03-22 23:11:23
よしはらさん、お気に入りの映画だったんですね。
そうそう、石橋正次って良かったですね。
この前、「ダイナマイトどんどん」に出てるの観て、もっと沢山見たいと思いましたよ。飛び出せ青春でも良かったし。
俳優としても歌手としても、もう一度見直したい人です。
「赤ちょうちん」では思わせぶりながら、消えてしまったような・・・

よしはらさんの石川セリは意外でした。

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