星空研究Memo

ここは某天文屋の外部記憶装置である。

デジカメによる連続測光観測

2010-09-04 07:13:58 | デジカメ観測
8月30日に行ったアルゴルの観測ですが
あのまま比較星等級を足して「cG」でvsolj-obsに報告するか検討中です。
差測光を行ったわけですが、約0.2magばらつきがありました。
これは変換したら0.1mag程度に抑えられないかと考えているわけです。

しかしGチャンネルを117枚測光するだけで、丸一日かかりました。
さらにB, Rチャンネルの測光もしようとなると、目を背けたくなります...;w
(計三日でできるじゃないか!と言うつっこみは無しで...)

とまぁ、ぼやいてもしょうがないので
とりあえず、「我流・DSLR連続測光観測」を紹介致します。


今回、露出時間は3秒で行いました。絞りはF4です。
撮影の間隔は5分。
Ngaさんの予報時間あたりでは連射しました。


これは測光に使った1枚目の画像です。
comp. (比較星)はκPer (HD19476: V=3.80, B-V = 0.98)。
check (チェック星)はπPer (HD18411: V=4.70, B-V=0.06)。
(κにはNSV番号が付いていることを後で知りました;)


まず測光するにあたって、117枚のRAW画像をFITSに変換する必要があります。
IRISに複数の画像をバッチ処理してくれる機能がありました。

メニューのDigital photo / Decode RAW files...を選択します。


すると、こんなウィンドウがが出てくるので
FITS変換したいRAWファイルを全部選択してドラッグしてきます。
そして、おもむろに「->RGB」のボタンを押してみましょう。変換が始まります。
# マシンの性能にもよるでしょうが、変換にはそれなりの時間を要します。

変換後のFITSファイルは1枚あたり40メガ近くあります。
HDDの容量が心配な方は要注意です。

RGB分解は同じくIRISにバッチ処理してくれる機能があります。
分解後は1チャンネルあたり15メガのファイルが出来ます。
しかし今回はG画像のみを使って差測光を行うので、この機能は使いませんでした。
よって、Gチャンネルの取り出しにはマカリを使いました。

マカリで分解後は、そのまま測光作業に移ります。
 目的星→比較星→チェック星
の順で測光していきます。
そして一枚ごとに測光結果を.csvで保存していきます。
加えてFITSのヘッダーを見て時刻をメモしておきます。

117枚の画像に対して同じことを繰り返し行います。

全ての画像を測光し終わったら、次はV-CとK-Cの算出を行います。
算出にはR言語様のお世話になりました。
適当なコードを書いて一気に計算です。
以下、コードの紹介。

----------------------------
data <- NULL

for(i in 1:117)
 {
  file.name <- sprintf("per%d-Aperture.csv", i)
   d <- read.csv(file.name)
   count <- d[17]
   inst <- -2.5 * log10(count)

  V_C <- inst[1, 1] - inst[2, 1]
  K_C <- inst[3, 1] - inst[2, 1]

  data1 <- data.frame(V_C, K_C)
  data <- rbind(data, data1)
 }
----------------------------

あとは計算結果をメモしておいた時刻と合体して、.txtで吐き出します。
時刻は勿論、露出中央時間に修正しています。


ここまでくれば、やっと光度曲線が作れます。
何が疲れるかというと
一枚一枚画像を開き直して測光し、結果を保存することですね_| ̄|○
# 加えて時刻のメモも大変・・・FITSのヘッダー部分をRで読み出せないか模索中。

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