今回は、みなし労働のうち、企画業務型裁量労働制について見ていこうと思います。
とてもややこしい制度なので、まず今回は全体的な内容をなんとなく掴んでみてください。
【概要】
厚生労働省の出している企画業務型裁量労働制の趣旨は次のようになっています。
経済社会の構造変化や労働者の就業意識の変化等が進む中で、活力ある経済社会を実現していくために、事業活動の中枢にある労働者が創造的な能力を十分に発揮し得る環境づくりが必要となっています。
労働者の側にも、自らの知識、技術や創造的な能力を生かし、仕事の進め方や時間配分に関し主体性を持って働きたいという意識が高まっています。
こうした状況に対応した新たな働き方のルールを設定する仕組みとして、事業運営上の重要な決定が行われる企業の本社などにおいて企画、立案、調査及び分析を行う労働者を対象とした「企画業務型裁量労働制」が平成12年4月より施行されました…以下省略。
とても回りくどい書き方をしていますが、要約すると、「企画立案などの労働時間と成果が必ずしも一致しないような業種の労働者については、労働者が働きやすいような職場を作ってあげるのも時代の流れだよね。」といった感じです。
【労働基準法の規定(労基法38の4)】
労使委員会が設置された事業場において、当該委員会がその委員の5分の4以上の多数による議決により次に掲げる事項に関する決議をし、かつ、使用者が、厚生労働省令で定めるところにより当該決議を行政官庁に届け出た場合において、一定の範囲に属する労働者を当該事業場における「対象業務」に就かせたときは、当該労働者は、対象業務に費やしたと算定される時間労働したものとみなす。
○対象業務…事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であつて、当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務
○対象となる一定の労働者…対象業務を適切に遂行するための知識、経験等を有する労働者であつて、当該対象業務に就かせたときは当該決議で定める時間労働したものとみなされることとなるもの
条文を読むとややこしい言葉に引っ張られますが、要するに「使用者が労働者の労働時間や業務の細かなルールを管理しない等の要件を満たせば、その業務を達成するに通常必要な時間を労働者が労働したこととして労働時間を計算していいよ」というルールってことですね。
【企画業務型裁量労働制の導入の流れ】
企画業務型裁量労働制の導入にあたってはいくつか段階を経なければなりません。
(1)対象業務が存在する事業場かどうかの確認。
(2)労使委員会を組織する。
※労使委員会とは、労働者を代表する委員と使用者を代表する委員で組織された委員会となります。人数の制限はありませんが労働者側の委員を半数以上入れなければなりません。(労使1人ずつは不可)
労使委員会では、賃金や労働時間等の労働条件を調査審議し、事業主に対して意見を述べます。
(3)企画業務型裁量労働制の実施のために労使委員会で決議をし、労基署へ届け出をする。
(4)対象労働者からの同意を得る
(5)企画業務型裁量労働制の実施→労基署へ半年以内毎に報告
(6)期間満了→継続の場合(3)へ戻る
(1)〜(6)にも細かなルールが存在します。
そちらは次回以降で見ていきます。
それでは、また。
とてもややこしい制度なので、まず今回は全体的な内容をなんとなく掴んでみてください。
【概要】
厚生労働省の出している企画業務型裁量労働制の趣旨は次のようになっています。
経済社会の構造変化や労働者の就業意識の変化等が進む中で、活力ある経済社会を実現していくために、事業活動の中枢にある労働者が創造的な能力を十分に発揮し得る環境づくりが必要となっています。
労働者の側にも、自らの知識、技術や創造的な能力を生かし、仕事の進め方や時間配分に関し主体性を持って働きたいという意識が高まっています。
こうした状況に対応した新たな働き方のルールを設定する仕組みとして、事業運営上の重要な決定が行われる企業の本社などにおいて企画、立案、調査及び分析を行う労働者を対象とした「企画業務型裁量労働制」が平成12年4月より施行されました…以下省略。
とても回りくどい書き方をしていますが、要約すると、「企画立案などの労働時間と成果が必ずしも一致しないような業種の労働者については、労働者が働きやすいような職場を作ってあげるのも時代の流れだよね。」といった感じです。
【労働基準法の規定(労基法38の4)】
労使委員会が設置された事業場において、当該委員会がその委員の5分の4以上の多数による議決により次に掲げる事項に関する決議をし、かつ、使用者が、厚生労働省令で定めるところにより当該決議を行政官庁に届け出た場合において、一定の範囲に属する労働者を当該事業場における「対象業務」に就かせたときは、当該労働者は、対象業務に費やしたと算定される時間労働したものとみなす。
○対象業務…事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務であつて、当該業務の性質上これを適切に遂行するにはその遂行の方法を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるため、当該業務の遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする業務
○対象となる一定の労働者…対象業務を適切に遂行するための知識、経験等を有する労働者であつて、当該対象業務に就かせたときは当該決議で定める時間労働したものとみなされることとなるもの
条文を読むとややこしい言葉に引っ張られますが、要するに「使用者が労働者の労働時間や業務の細かなルールを管理しない等の要件を満たせば、その業務を達成するに通常必要な時間を労働者が労働したこととして労働時間を計算していいよ」というルールってことですね。
【企画業務型裁量労働制の導入の流れ】
企画業務型裁量労働制の導入にあたってはいくつか段階を経なければなりません。
(1)対象業務が存在する事業場かどうかの確認。
(2)労使委員会を組織する。
※労使委員会とは、労働者を代表する委員と使用者を代表する委員で組織された委員会となります。人数の制限はありませんが労働者側の委員を半数以上入れなければなりません。(労使1人ずつは不可)
労使委員会では、賃金や労働時間等の労働条件を調査審議し、事業主に対して意見を述べます。
(3)企画業務型裁量労働制の実施のために労使委員会で決議をし、労基署へ届け出をする。
(4)対象労働者からの同意を得る
(5)企画業務型裁量労働制の実施→労基署へ半年以内毎に報告
(6)期間満了→継続の場合(3)へ戻る
(1)〜(6)にも細かなルールが存在します。
そちらは次回以降で見ていきます。
それでは、また。